東京の歴史がまた一つ…「KK線廃止」「八重洲線 長期閉鎖」なぜ必要だった? 特殊な背景事情と驚きの「未来」とは

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ついに廃止 銀座を走る高速道路

 東京都心の銀座や八重洲、汐留を縫うように走っていた「東京高速道路(通称:KK線)」と、首都高「八重洲線」の姿が、2024年4月4日をもって都心から消えました。八重洲線は約10年間の長期通行止めとなり、KK線は正式に廃止されました。
 
 都心の道路交通に大きな転機が訪れています。

4月5日に廃止となった東京高速道路(KK線)

 1973年に開通した八重洲線は、神田南JCTから東京駅の地下を抜け、銀座方面へ向かう約1.9kmの路線です。都心環状線を通り抜けずに「東京駅直結」という利便性の高さから、ビジネスユースや観光、物流ルートとしても利用されてきました。

【画像】「ひょえぇぇぇ!?」 これがKK線閉鎖の「歴史的瞬間」です!(30枚以上)

 八重洲線は今回、約10年にわたる長期通行止めとなりました。背景には、日本橋川区間における都心環状線の地下化工事があり、それに伴い整備される「新京橋連結路」が関係しています。

 江戸橋JCTのランプ閉鎖により、従来の神田〜京橋への動線がなくなるため、代替路として「神田〜八重洲〜京橋」を結ぶ新ルートが必要となったのです。

 新京橋連結路の完成は2035年度の予定で、それまでの間は八重洲線を閉鎖して大規模改築工事が進められます。通行止め期間中、神田方面から銀座・汐留方面への抜け道がひとつ消滅することになり、ドライバーにとっては大きな不便となるでしょう。

 この影響はSNSなどでも早くから話題となり、「江戸橋JCTの渋滞回避ルートがなくなってしまった」「あのショートカットが使えないのは痛い」といった嘆きの声が目立っています。

 また、八重洲線と接続していたKK線も、同日に正式に廃止されました。KK線は通行無料でありながら、銀座・新橋・汐留といったビジネス街を信号なく走り抜ける“都心の抜け道”として長らく機能してきました。

KK線の歴史と未来 廃止でどうなる?

 KK線は、もともと東京都が土地を提供し、テナント賃料によって建設・維持される特殊な高速道路で、1日あたり約3万台が利用していました。1966年に全通して以来、都市交通の裏側を支える役割を担ってきた“異色の道路”でもあります。

地下駐車場から首都高へ直結するレア風景(ドラレコ画像)

 しかし、KK線のルートと新京橋連結路が地下で重複するため、その存在意義が薄れたとされ、2022年に廃止方針が決定され、2024年4月には半世紀以上の歴史に幕を下ろしました。

 なお、KK線の高架構造は撤去されず、「Tokyo Sky Corridor(東京スカイコリドー)」という名称で空中緑道へと転用されます。ベンチや植栽、次世代モビリティの停留所なども設けられ、都市型の歩行空間として再生される予定です。

 また、八重洲線のトンネル内には上下線ともに、東京駅に直結する公共有料駐車場「東京駅八重洲パーキング(ヤエチカパーキング)」が設けられていました。ここには高速道路から直接アクセスできる専用出入口のほか、東京駅で乗降した人をピックアップできる無料の乗降所も併設されており、首都高利用者にとって貴重な施設となっていました。

 今回のKK線廃止と八重洲線の通行止めにより、ヤエチカパーキング自体は引き続き運営されますが、首都高八重洲線からのアクセスはできなくなりました。今後は、外堀通りなどの一般道からの入出庫が主なルートとなります。

 一方で、首都高に“幻の8号線”とされる区間が存在することも、今回の話題で注目を集めました。都心環状線とKK線を結ぶ「白魚橋料金所」周辺の短距離区間は「首都高8号線」とされており、今回の再編でもこのルートは存続します。東銀座出口などへのアクセスとして今後も利用されます。

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 首都高では今後、混雑対策として都心環状線の内回り利用と、混雑時間帯を避けた走行を推奨しています。交通情報板やナビの活用など、ドライバー一人ひとりの判断が求められる時代に突入しました。

 2035年度に開通予定の新京橋連結路が完成すれば、八重洲線も再び通行可能になります。それまでの10年間、都心の道路事情は大きな試練にさらされることとなりますが、新たな都市交通インフラへの転換期として注目されるべき動きといえるでしょう。