「心が年を取っちゃうとダメ」長澤監督の下で好調維持、大宮FW杉本健勇の現在地
そんな大宮にとって4月14日のアスルクラロ沼津との首位攻防戦は極めて重要な一戦だった。今季からJ3に身を投じ、攻撃陣を力強くリードしている杉本健勇も「サポーターも今日の試合が優勝に向けてのポイントだと思っていたと思う」と勝利への強い責任を感じつつ、ピッチに立ったという。
それが結実したのが、39分の先制点の場面。左サイドでボールを奪った大宮は小島幹敏から藤井につなぎ、最終的にペナルティエリア少し外側にいた杉本へ。落ち着いて豪快に右足を振り抜き、2試合連続となる今季5ゴール目をマークした。
「一志も自分で打てたと思いますけど、丁寧に出してくれた。相手GKが左に動いていたので、インステップでいいところに行けば、逆には飛ばないかなと。まぁ、いいコースに行ったということですね」と本人も嬉しそうにコメントしていた。
エースFWの一撃で1点をリードした大宮はこのまま行ければよかったが、そこは相手も9試合18得点を挙げているチーム。ギアを上げてきて、素早い展開から同点弾を浴びてしまう。そこからの反撃姿勢は凄まじく、長澤監督も持ち駒を次々と投入。杉本自身も再三、ゴールに迫ったが、あと1点が奪えない。最終的に痛み分けに終わり、大宮としてはほろ苦い結末となった。
「俺自身は1失点、2失点は覚悟していたので、やられてからが大事だと思っていました。『1−0では終わらんよな』と。だからこそ、自分が決められなかったのは悔しい。ただただ悔しかったです」と、背番号23は感情を爆発させた。
悔しさや不完全燃焼感をストレートに表現できるのも、試合にコンスタントに出場できているからだ。浦和レッズ、横浜F・マリノス、ジュビロ磐田を渡り歩いた近年の彼はピッチに立つ時間が減り、結果も出ていなかった。30代に突入し、「このままでは終われない」という焦燥感を覚えていたに違いない。
「健勇は少し力を出し切れない状況が数年続いていました。若い頃から彼を知っていますけど、感情をむき出しにしていた。それがどう映るか分からないですけど、『心が年を取っちゃうとダメだよね』と話をしました。攻守を全部見ながらやるのが今のタスクで、勝利に責任を持つとか、若い時にやっていた姿を年齢関係なくやることを求めています」
長澤監督の愛ある要求に対し、杉本自身も応えようと懸命に取り組んでいる。その結果として直近5試合5発という結果がついてきているのだろう。
「若い頃のギラギラ感?たぶん今よりもっとあったと思いますけど、自分が点を取ってチームが勝てなかったら、ホンマどうでもええという気持ちが強いんです。自分が決めなくてもチームが勝てればいいと思っているので。チームのためにプレーするだけですし、それが結果的にゴールやアシストにつながってくる。これからもチームのためにプレーしたいと思います」と本人はフォア・ザ・チーム最優先で取り組んでいることを明かす。

