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インターネット上で出回るフェイクニュースやヘイトスピーチといった問題を追及するには、SNSの調査や分析が欠かせません。主要なプラットフォームのひとつであるX(旧Twitter)の研究者100人以上が、イーロン・マスク氏による訴訟の懸念やデータ利用制限から研究を中止または変更していたと、ロイターが報じました。

Exclusive: Elon Musk's X restructuring curtails disinformation research, spurs legal fears | Reuters

https://www.reuters.com/technology/elon-musks-x-restructuring-curtails-disinformation-research-spurs-legal-fears-2023-11-06/

100+ researchers say they stopped studying X, fearing Elon Musk might sue them | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2023/11/100-researchers-say-they-stopped-studying-x-fearing-elon-musk-might-sue-them/

ロイターの要請に応じて、独立技術研究連合(Coalition for Independent Technology Research:CITR)が研究者167人を対象に行った調査により、イーロン・マスク氏が2023年2月に研究者に対するXデータへのアクセス制限を開始して以来、30件のプロジェクトが中止され、47件のプロジェクトが頓挫し、27件のプロジェクトが研究対象を別のプラットフォームに変更していたことが判明しました。



依然として47件の研究プロジェクトが進行中でしたが、研究者の中にはアクセス制限により新鮮なデータの収集が制限されていると訴える人もいました。

CITRの調べに対し、研究者167人中104人が「調査結果やデータの使用をめぐってXから訴訟を起こされることを恐れている」と回答したとのこと。事実、Xは「Xでヘイトスピーチが急増している」と報告したイギリスの非営利団体・デジタルヘイト対策センターに対して訴訟を起こしています。

X(旧Twitter)が「マスク氏の買収後Twitterでヘイトスピーチが急増している」と指摘した非営利団体に訴訟をちらつかせる - GIGAZINE



マスク氏の方針の影響を受けた研究には、ヘイトスピーチや子どもの安全をテーマとした研究が含まれています。Xは2023年10月に、児童虐待防止対策に関する調査に協力しなかったとしてオーストラリアの規制当局から61万500オーストラリアドル(約5900万円)の罰金を科されました。

テキサス大学オースティン校のジョセフィン・ルキト助教授は、「Xを研究する能力が低下したことでXのユーザーはより多くのヘイトスピーチや虚報、偽情報にさらされることになります」と話しました。

Xはロイターに対し、同社の公式パートナーとして名を連ねている調査会社・Sprinklrの推計を引用し、「ユーザーがプラットフォーム上で見るコンテンツの99%は健全です」と述べています。

一方、IT系ニュースサイトのArs Technicaは、「Xが外部の研究者と提携するのは、Xが研究結果の発表を完全にコントロールできるように見えるため、第三者の研究の代わりにはなりません」と指摘しました。