コンビニで長時間駐車は空いていてもNG?

用事のため車で訪れた地域にコインパーキングがない……。そんなときに駐車場の空いたコンビニを見かけたら、「ガラ空きだし車を停めといてもいいよね?」なんて誘惑に駆られるかもしれません。

ただ、コンビニに長時間駐車をすると、張り紙で警告されたり、損害金を請求されたりする……という話も。コンビニでの長時間駐車は駐車スペースが空いていてもNGなのか、詳しく調査しました。

■無断で長時間の駐車は基本NG

最初に一般論を述べると、コンビニで長時間駐車をすれば、駐車場の空き状況に関わらず警告や損害賠償請求を受ける可能性があります。

そもそもの話として、店舗での長時間駐車が問題となるのは、お店に無断で駐車し続けたときでしょう。コンビニの駐車場は私有地ですから、空いているからと無許可で占拠すれば、迷惑行為として対処されるのは当然のことです。

……と、いきなり結論のようになってしまいましたが、この問題、法律的にはどのような扱いになるのでしょうか?コンビニでの長時間駐車は犯罪……?

一般論を深掘りするために、コンビニでの無断駐車の違法性について見ていきましょう。

【弁護士に質問】コンビニでの無断駐車は罪に問われる?

犯罪行為に該当するなら、コンビニでの無断駐車は厳に慎むべきといえます。ただ、状況に関わらず無断駐車は犯罪……とされるのは厳しすぎる気も。そこで、不動産関連の事案に強い弁護士に次の2つの質問をしました。

Q1:コンビニでの無断駐車は何らかの違法行為に該当しますか? Q2:コンビニでの無断駐車が違法になる基準(駐車時間、混雑具合など)はありますか?

弁護士の回答「コンビニに無断駐車をすると「建造物侵入罪」または「威力業務妨害罪」となる可能性があります。ただ、無断駐車が違法か否かを判断する法的な基準(駐車時間や混雑度合いなど)はありません。」

弁護士のいう建造物侵入罪と威力業務妨害罪は、どちらも刑法に定められた犯罪行為です。違法性の判断基準については「ありません」とのご回答。

基準がないなんて曖昧な感じもしますが、そもそも無断駐車が刑事事件として扱われるケースは少ないかもしれません。というのも、日本の法律には「警察権の民事不介入原則」があるからです。

【弁護士に質問】賠償金の支払いを求められたらどうする?

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……となると、「じゃあ、民事ではコンビニ無断駐車はどういう扱いになるの?」という話になりますよね。また、賠償金を求められた場合の支払い責任も気になるところ。この点も弁護士に聞いてみました。

弁護士の回答「民事でいうと無断駐車は『不法行為』にあたります。このためドライバーには損害賠償責任が発生しますが、張り紙や口頭での警告により契約が成立するわけではないため、賠償金の金額は裁判で争うことができます。」

「不法行為」とは他人の権利や利益を侵害する行為のこと。不法行為(無断駐車)に対して賠償金を求められても、現地で要求に応じる必要はないようです。

ただ、賠償額を法廷で争うことになれば、多くの費用と時間を裁判に費やす結果になってしまいます。場合によっては、コンビニの要求どおりに賠償金を支払ったほうが、金銭的ダメージは少なく済むかもしれません。

コンビニでの長時間駐車はすべてNGではないが…

ここまでの内容を踏まえると、長時間駐車を張り紙で警告されるか否かは、コンビニの考え次第だといえます。私有地でのトラブル(民事)については、土地の所有者が「迷惑だ」と感じれば自己判断で警告できるからです。

……ということで、先ほどの一般論と同じ結論になるわけですが、コンビニでの長時間駐車が必ずしも張り紙や損害賠償請求の対象になるわけではありません。

極度の眠気や体調不良などの、やむを得ない理由で駐車したいときは、コンビニに申し出ることで許可してもらえる場合があります。コンビニオーナーも鬼ではありませんから。

■【要注意】張り紙されたらスルーはNG

本コラムの最後に、コンビニで張り紙をもらった場合の対処について。もし、何らかの事情で無断駐車禁止の張り紙をされたら、その場でコンビニに申し出て謝りましょう。間違っても張り紙を無視して帰ってはいけません。

コンビニ側がその気になれば、弁護士に調査を依頼して、事前に記録したナンバーから駐車車両の持ち主を特定できます。後日に弁護士を通じて警告されるよりは、張り紙をされた当日に謝罪したほうがよいでしょう。

もちろん、駐車禁止の張り紙なんてもらわないに越したことはありません。日頃からマナーを守るように心がけて、気持ちよくコンビニを利用しましょう。