「『打つな』とは言いませんが...」湘南MF山田直輝がチームメイトに思いをぶつけた真意「僕はまったく諦めていませんでした」
「気持ちをそのまま表現しただけです」
本気で勝利を目ざしているからこそ、起こした行動だった。
湘南ベルマーレは6月24日、J1第18節でサガン鳥栖と対戦し、0−6での大敗を喫した。
ここまでのリーグ戦の全試合で失点を許してきた湘南の課題が浮き彫りになったようなゲームだった。開始2分に自陣でボールを奪われたところから先制を許すと、30分にはカウンターから追加点を浴び、0−2で前半を折り返す。
クラブの1試合失点数の最多タイ(ほか6回)という不名誉な記録を残してしまった一戦で、注目すべき場面があった。
71分、町野のスルーパスを受けた大橋祐紀がシュートを放つ。惜しくも相手GKに阻まれてコーナーキックを得たところで、ボックス内でフリーになっていた山田直輝が大橋に詰め寄り、「パスを出せ」と強く要求した。
試合後、このシーンについて山田が真意を明かした。
「『打つな』とは言いませんが、『打つなら絶対に決めろ』、『外すならパスを出せ』という気持ちでした。あの時点で0−4でしたが、僕はまったく諦めていませんでしたし、1点入れれば相手は焦って、こっちは勢いづくような場面でした。ああいったシーンも相手に勢いを与えてしまう要因になるので、一つひとつのプレーにこだわりを持たなければいけません」
山田は次のように続ける。
「要求するところ、尊重するところがそれぞれあります。大橋も理解はしてくれているはずですし、悪い雰囲気になるようなことではないので、そういった声出しは他にもあっていいと思います」
また、この場面について山口智監督は次のように語った。
「大橋が決定機を迎えて、山田が横で『出せ!』と怒っていましたが、そういうのが出てきたのは良いことだと思います。選手が勝ちたいのは当たり前ですし、やっていることの手応えとミスが起きている現状を選手は必ず分かっています。結果がすべてですが、ポジティブな部分でやり続けないといけないところは絶対にありますし、それを身につけないといけません」
湘南は6月28日、未消化分のJ1第12節・浦和レッズ戦を控えている。選手同士の意見のぶつけ合いが、リーグ11戦勝ちなしという長いトンネルを抜け出すための起爆剤となるか。
取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)
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