ルノー・ルーテシアEテック・フルハイブリッドで燃費チャレンジ! 800km走破でわかったEテックの真実とは?
いざフランスへ? メディア対抗に昂る
アルカナに搭載されて上陸し、その後ルーテシア、キャプチャーなどにも追加されたルノーのフルハイブリッド・システムであるEテック。
【画像】複雑? だけど乗る人選ばず燃費良し!【ルノー・ルーテシアEテック・フルハイブリッド】 全81枚
この独創的なシステムは「エンジニアがレゴで遊んでいる最中に思いついた」というキャッチーな一文こそわかりやすいが、ドグクラッチ装備という話も、モーターとエンジンの双方にギアボックスが備わるという部分もまぁまぁ複雑。

「メディア対抗ルノー・ルーテシアEテック・フルハイブリッド燃費チャレンジ」に参戦。横浜市から愛媛県松山市までの約800kmをルーテシアEテック・フルハイブリッドで走った。 山本佳吾
実際に走らせてみても、クルマ全体の仕上がりが良いことはわかっても、ハイブリッドシステムがどこまで効率よく働いているのかという部分は個人的にははっきりと掴めていないのである。
そんなところにうまい具合に舞い込んだ話が「メディア対抗ルノー・ルーテシアEテック・フルハイブリッド燃費チャレンジ」だった。
横浜市から愛媛県松山市までの約800kmをルーテシアEテック・フルハイブリッドで走り、燃費の良さを競い合い、優勝者にはフランス取材がプレゼントされるという。
Eテックを理解する絶好の機会だし、そもそもわれわれは「メディア対抗」という言葉に燃えやすい生き物でもある。
「絶対勝つぞ!」という闘志を内に秘め、3月某日朝、青いルーテシアを借り受け、静々と横浜を後にしたのである。
「おいしい速度」がわからない?
クルマの条件が同じである以上、勝負は走らせ方とコース選択、休憩の回数で決まるはず。
だからわれわれの作戦は、余分な重量を背負いこまないため1名乗車でエアコンオフ、できるだけトイレも我慢し走り切るのみ。

1名乗車でエアコンオフ。燃費を伸ばすことを優先し、松山を目指して走った。 山本佳吾
このため海老名SAでオヤツを買い込んだ後は、伴走車を従えて、黙々と西を目指した。
ルーテシアEテック・フルハイブリッドには試乗しているが、燃費に着目して走らせたのは今回が初めて。メーターパネル内の平均燃費や瞬間燃費に全神経を集中させる。
こういった燃費競争のキモとなるのは「おいしい速度を割り出すこと」以外にはない。
これは普通のガソリン車なら「トップギアに入れ、スロットルをフワッと抜いても速度が落ちないあたり」なので、言うほど難しくはない。
ところがEテックは「やっぱり」単純ではなかった。
何しろフルハイブリッドなので、走り方1つでパラレル走行もシリーズハイブリッド走行にも、そしてもちろんバッテリーが溜まればEV走行にもなる。
下り坂でスロットルを軽く抜いて回生を促すことも有効だが、やり過ぎるとスピードが落ちてもったいない気もしてくる。
エコランをしながら頭をフル回転させ、燃費という推理小説を読み解く。そんな孤独な戦いが続いた。
伸びる燃費 WLTC超えは当たり前!
ルノーEテックは1.6L直4エンジンと駆動用モーター、そしてスタータージェネレーターを装備したハイブリッドである。
ややこしいのはギアボックスで、エンジン側に4速、モーター側に2速が備わり、ドグクラッチでパワー伝達をおこなうのだという。

ルノーEテックは、エンジン回転は均一に思えても、路面の勾配や負荷にあわせてギアやモーターが複雑に絡み合ってベストな状態を作り出してくれているようだと筆者。 山本佳吾
800kmの行程の半分以上を消化し、淡路島に渡ったあたりでわかってきたのは「やっぱりこのクルマ、わからない!」ということ。
エンジン回転はわりと均一に思えても、路面の勾配や負荷にあわせてギアやモーターが複雑に絡み合ってベストな状態を作り出してくれているらしい。
あとEV走行して燃費を稼いだのはいいが、その後で必ず発電用にエンジンが始動してしまうので、そうやって走らせることがいいのか悪いのか、その最適解がいよいよわからないのだ。
とはいえ救いなのは、われわれの数値が「たぶん」悪くないという点である。4.0L/100kmからはじまって3.4Lくらいまで順調に下がってきているのだ。
つまりこれは、ルーテシアEテックのWLTC燃費(総合)である25.2km(=約3.9L)を大幅に上回っていることになる。
「クルマはわからないけど、結果がすべてじゃない?」
勝ちを意識したわれわれは、夕日に向かってひたひたと走り続けた。
実はだれが運転しても……?
横浜市から愛媛県松山市にあるフランス風の洋館、萬翠荘までの全行程で休憩したのは2か所だけ。
雨に降られて視界が悪い時もあった。そして10時間以上も運転し続けていればそれなりに疲労もたまる。

長距離ドライブを通じてシートの作りやドライビングポジションといったクルマの基本的な部分の作り込みの高さがうかがえたと筆者。 山本佳吾
そんな過酷な挑戦を、終ったあとで振り返ってみると「やっぱりルーテシアすごいな」と素直に思えた。
燃費が公称数値より断然優秀というのはもちろんだが、それ以外の部分、例えばシートの作りやドライビングポジションといったクルマの基本的な部分の作り込みが、こういった長距離ではけっこうな差となって感じられるからである。
以前、ルーテシアEテック・フルハイブリッドを試乗した際、「久しぶりに小さな高級車に出会った」と感じたのだが、今回の旅でそれが確信に変わったといっていい。
また燃費に関しては、最後まで適切なスピードがわからなかったからこそいうのだけれど、たぶん誰がどう運転しても数値はそこまで大きく変わらないような気もしている。
それに燃費走行の上手い人だけが良い燃費を記録できるクルマはつまり、機械として優れているとはいえないのだから。
今回の結果は4月12日に発表されるので、パスポートを握りしめて天命を待ちたい。
ルノー・ルーテシアEテック・フルハイブリッドのスペック
価格:339万円
全長:4075mm
全幅:1725mm
全高:1470mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費(WLTC):25.2km/L
車両重量:1310kg
エンジン形式:1597cc直列4気筒自然吸気+モーター
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
最高出力:91ps/5600rpm
最大トルク:14.7kg-m/3200rpm
最高出力(メインモーター):49ps/1677-6000rpm
最大トルク(メインモーター):20.9kg-m/200-1677rpm
最高出力(サブモーター):20ps/2865-10000rpm
最大トルク(サブモーター):5.1kg-m/200-2865rpm
ギアボックス:オートマティック
駆動方式:前輪駆動
乗車定員:5名

ルノー・ルーテシアEテック・フルハイブリッド 山本佳吾
