ゴールよりもチームの勝利の方が大事だと強調する興梠。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

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 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第21回は、北海道コンサドーレ札幌のFW興梠慎三だ。

 前編では、9年間在籍した浦和レッズから札幌へ移籍を決意した経緯や、恩師と慕うミシャことペトロヴィッチ監督への思い、今季の札幌の状況について語ってもらった。後編では、更新が期待されているJ1歴代最多得点への気持ちや、今季の得点やアシストのシーンなどを掘り下げていく。

 まずは、通算の得点数について。興梠は、鹿島アントラーズと浦和に在籍していた2012年から20年まで、史上初めてJ1で9年連続二桁得点を記録し、現在(10月28日時点)J1で163得点をマークし、161得点の佐藤寿人氏を抜いて歴代2位。上には191得点の大久保嘉人氏だけで、トップ記録更新への期待も高まっている。

 希代のストライカーにとっての、ゴールへの思いを訊いた。

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 嘉人さんや寿人さんのような、有名な方々と共に名前を刻めたのはとてもうれしいです。ただ、自分自身は得点数にあまりこだわりはないです。チームでどれだけタイトルをとれたかの方が、重要だと思っています。
 
 個人の記録よりも、チームのみんなで勝ち取ったタイトルがすごく欲しい。毎年そこにこだわってきました。得点記録は自然とついてきてくれたのかなという感覚だけで、今も意識しているつもりはないです。

 連続二桁得点も、そこまで意識はしていないのですが、周りの方々が煽ってきますので。それで少しは「じゃあ、取らなきゃいけないな」という気持ちになります。また、フォワードをやっているからには、しかもスタメンでずっと出ているのだから、二桁は取りたいと思っていました。

 僕はあまりシュートを打たないタイプです。1試合に2本とか。シュート数が少ない(編集部注、大久保氏は通算1141本、興梠は同663本、佐藤氏は同717本)から、スーパーゴールもないし得点王もまだとれていない。その意味で、嘉人さんや寿人さんとの違いはすごくあると思います。

 僕自身の考えとしては、大きな怪我が無かったのが、記録につながった要因かと思います。
 
 歴代屈指の得点数を誇りながら、得点にこだわりがないとストライカーらしからぬ一面を見せる興梠。実は、プロ入り当初はMFで、その後にFWに転向した。そのためか、得点以外のプレーにも強いこだわりを持っている。

 佐藤氏の記録に第26節・サガン鳥栖戦のゴールで並び、第31節・川崎フロンターレ戦のPKで抜いたが、“歴史的得点”ともいえる鳥栖戦の得点でも、大きな喜びは表わさなかった。

 一方、第39節・ジュビロ磐田戦で披露したガブリエル・シャビエルの札幌での初得点を演出したプレーには、大きな手ごたえを感じたようだ。

 同戦の21分、田中駿汰が右サイドからペナルティエリア手前中央に送ったパスに反応した興梠は、ワンタッチでペナルティエリア右へスルーパス。抜け出した金子拓郎がゴール前へ折り返すと、走り込んだG・シャビエルが右足で合わせてネットを揺らした。

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 鳥栖戦のゴールは、個人としてはそんなに喜びはなかったです。ただ、チームとしては勝たないといけない状況だったので。その試合で先制点を取れたのは、良かったです。自分のゴールというより、チームとして大きいゴールでした。
 
 僕は、一応中盤としてプロに入りました。その後、1年目の終わりぐらいからFWで使われるようになりました。どちらかというとゴールを決めて喜ぶよりも、アシストができた時の喜びに方が大きかった気がしますし、今もアシストの方が気持ち良いですね。