トラブルの後の冷静さが、こんなシーンにつながった(撮影:ALBA)

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<BMW女子選手権 3日目◇22日◇オークバレーCC(韓国)◇6726ヤード・パー72>
アップダウンが激しいコース同様、渋野日向子にとってはゴルフの内容もまたアップダウンのあるものとなった。アップと呼べるバーディは4つ。ところがダウンは、一気に4つ落とすパー4での『8』。この日はイーブンパーに終わり、トータル2アンダーの38位タイで最終日へと向かう。
出だしからショットもパッティングも上々の出来。1番でいきなりバーディチャンスを作りだし、これを沈めて最高の滑り出しを決めた。その後も危険地帯とは無縁のゴルフでパーを重ねると、7番パー3では手前7メートルからの上りを打ち切ってバーディ。8番では20メートルを超えるバーディパットが3メートルオーバーしたが、これも決めきっていい流れを保った。
折り返した10番もバーディ逃し。その直後に突如として渋野の身に災難が降りかかる。30ヤード打ち下ろすパー4の11番でのこと。ティショットでドライバーを握ると、それまでフェアウェイをキープしてきたショットが急激に曲がってしまった。ボールは左の林の中のさらに茂みに消える。同伴選手、キャディと全員で捜索するも見つからずにロストボールに。暫定球を打っていたため、そちらを採用することになった。
ところが…。その暫定球、つまり3打目となったショットは右のフェアウェイバンカーに入っており、そこからの4打目は前方のアゴを警戒する高さ。何度も高さを確認しクラブを選択したが、無情にもこれがアゴに当たり戻ってくる。確実に出せるクラブでフェアウェイに戻したのが5打目。そこから6打目でグリーンに乗せ、結局6オン2パットのクワドラプルボギーを喫した。
グリーンに上がるまでは「プッチーン」とキレていたと振り返る。思いもしないほど曲がったティショットがロストボールとなり、さらにバンカーのアゴに当てるというミス。気持ちがキレてしまうのも仕方ない状況だが、グリーンに上がった渋野の表情はすーっとクールダウンした。バンカーからグリーンに歩く時の怒りのこもった目つきはもうない。
「マジでキレちゃったけど、グリーン上で冷静になりました。パチコーンって打たないように寄せにいきました」。7打目のパットは距離にしておよそ8メートル。下りが厳しいトリプルボギーパットだったが、ここは確実に寄せて2パットでしのいだ。この冷静さが、このあとの2バーディにつながった。
13番パー4ではしっかりと「ウェッジで寄せられたし」と、ピンそば3メートルにつけバーディ。前日4オン1パットのパーとした450ヤードの15番パー5では、セカンドがグリーンオーバー、さらにアプローチも3メートルを残したがこれを入れて伸ばした。「イーブンには戻そうと考えていたので、だからこそ、そのあとはやべーミスはなかった。いい集中力でできた」と評価した。
結果的に4バーディを奪いながらもスコアを伸ばせずに終わった3日目。悔しいミスもありながら、オーバーパーを打たなかったことは最終日につながるはず。「明日こそは60台を出せるように。頑張りたいです」。前を向く姿は冷静で熱い眼差しだった。(文・高桑均)
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