「私たちの時代は、『闇営業』なんて言葉はなくて、“内職”、私たちは『職内』って言ってたけど、まわりはみんなやってましたよ。結婚式を盛り上げたり、ゴルフ大会の表彰式を盛り上げたりね。

 でも私自身は、事務所を通さない仕事は一度もやったことないの。忙しかったのもあるけど、いつもマネージャーがバッチリついてたし、私が外のことを何も知らなかったのよね。一度くらい、“闇営業” したかったわ(笑)」

 2019年6月に発覚し、世間を騒がせた宮迫博之(49)ら吉本芸人13人らによる、反社会的勢力への闇営業問題。この話題を、山田邦子(59)は、そんなふうに語り始めた。

「いまは『営業』『イベント』って言い方だけど、昔は『興行』といってね。お笑いに限らず、地方公演に必ずちょっと黒い方々が絡むっていうのは、いまでもあるのよ。『じゃあ、それも闇なの?』って思っちゃう」(山田、以下同)

 闇営業問題で判明した吉本興業の口頭契約も、「今の時代には通用しない」とバッサリ。一方で、ちょっとでも事件を起こせば、ネットで総叩きに遭う時代の風潮にも、疑問を呈する。

「ネットはよくないね。だいたい、芸能人なんてね、バカしかいないんだから。学校出てなくてもなれるし、まともに働きたくないというか、『働かせてもらえなかった』と言ったほうがいいくらい、ダメな人の集まりなのよ。

 でも、宮迫、好きだったな〜。一緒に仕事したこともあるし、バーで何回か会ったりもしたけど、すごく明るくて普通にいいヤツで」

 2019年10月、東京国税局からの指摘で、2018年までに1億2000万円の所得隠しと申告漏れが発覚。芸能活動自粛中のチュートリアル徳井義実(44)についても、独自の見解を語る。

「みんなは(徳井が)確信犯的に脱税していたっていうけど、私、彼は『本物のバカ』だったんだと思うよ。会見で言った『想像を絶するだらしなさ』ってのも本当なんじゃない? 小学生が急に、大金持っちゃったようなもんで。

 専属の税理士がいたと聞いたけど、専属じゃなくて、『たんに税理士を使ったことがある』っていうだけの話だったんじゃない?」

 しかし徳井は、かつてラジオで「税金のないドバイの利点」について語っていた。そのことも “確信犯説” を強める一因となっているが――。

「本物のバカだから、誰かから聞いたことを鵜呑みにしただけじゃない? あんまり攻撃しないで、1回教えて勉強させればいいのにねぇ。

 私は、税金って難しいから、経理の先生を抱えて、『交際費、交通費はこう』ってやってもらう」

 徳井の脱税に続いて起こったのが、京都市のPRをめぐる、吉本所属のコンビ「ミキ」のステマツイート騒動。ミキは、京都市のイベントを告知することで、100万円の報酬を受け取っていたが、PR表記を明示していなかったことから、「ステマでは?」と問題視された。

「あれは、マネージャーが取ってきた仕事でしょ? 100万円というギャラが高いといっても、それはマネージャーのお手柄だからね。この件があったことで、今後、ギャラの値段がいちいち公表されたら、みんなやりづらくなるんじゃないかしら。

 私たちの世界って、『これ、人間がもらえるお金?』ってシラけるくらいの金額をもらえるときがあるから。だから、みんな狂っちゃうし、悪いことをするスタッフも出てくるんだけど」

 この騒動に、山田が下したジャッジはこうだ。

「ギャラの100万円が、ミキにそのまま入ったとは思えないよね。広告と明記しなかったのもマネージャーの責任で、本人たちはわかってないでしょ。マネージャーがきちんとやらないと、こうなるということ。だから、マネージャー、クビですね」

 女性芸人で唯一、「お笑い界の天下」を取った山田。同じ時代をともに駆け抜けたBIG3、タモリ(74)、ビートたけし(72)、明石家さんま(64)はいまだ健在。3者とも、独自のスタンスで活躍中だ。

「以前よりは露出が減った? だって、もうじいさんだもん。働かなくていいのよ。後輩に譲らないと。私は2019年、太田プロを辞めたけど、たけしさんも、もともとは太田プロを辞めた先輩でもあるのよね。

 私も2020年で(芸能生活)40周年、60歳でしょ。『これからは、好きなようにやっていこう』と思って事務所を辞めたんだけど、たけしさんは、(自分で作った)オフィス北野まで辞めたっていうから、『進んでる人だな』と。つくづく、“尊敬できるお兄ちゃん” ですよ」

『オレたちひょうきん族』(1981年〜1989年)でも共演した、たけしとは、親交が深い。

「いまは連絡を取り合ったりはしてないけど、ふっとレストランで会ったりするんですよ。『おお』って。『俺、最近ワイン詳しいんだ』ってことで、高いワインをご馳走してくれたりして。嬉しいですね。

 たけしさんは、だらしないんだけど男らしい。へんな感じの生き物ですよ。大好きです。いまは自由でいいんじゃないかしらね。

 たけし軍団の(グレート)義太夫が時々やってるライブに、『これから行って歌っていいか』って、いきなり来るらしいのね。義太夫が『お客さん3人くらいしかいないですよ』って言っても、『いいよ、いいよ』って、3人くらいの前で歌ったんだって。お客さん、びびって泣いてたらしいよ」

3年連続『紅白』総合司会を務める内村

 お笑い界の世代交代については、どのように見ているのだろうか?

「たけしさんや、さんまさんの次は誰かって考えると、やっぱり松っちゃん(松本人志・56)とか、ウッチャン(内村光良・55)になるのかな。

 松っちゃんは、吉本の闇営業問題のときもリーダーシップを発揮して、偉かったよね。彼がデビューしたころから何度も一緒に仕事したけど、松っちゃんは、いい人ですよ。とってもやる気がある。

 ダウンタウンには、初期の “やまかつ”(『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』1989年〜1992年)にも出てもらったしね。ウッチャンは、『紅白歌合戦』の総合司会してるもんね。

 私たちお笑いの人間は、もともと歌手の方の司会をしたりとか、番組を盛り上げるとか、本来、脇の仕事がメインだったの。それを考えたら、お笑いのウッチャンがNHKの、それも『紅白』の司会を務めるというのは、すごいことですよ」

 かつての後輩で、すっかり売れっ子となった有吉弘行(45)についても聞いた。

「ダチョウ倶楽部の『(上島)竜兵会』でしょ、彼は。“かわいこちゃん” なのよ、有吉って。ダチョウの肥後ちゃん(肥後克広)がさ、有吉を気に入って養子縁組しようとしたぐらいなのよ、マジで。有吉は、そのくらい、かわいらしい性格なの。

 私にとっては太田プロの後輩だし、釣りに行ったりすることもあったけど、なんもできずにボサーッとしてんのよ。かと思えば、大きい鯛を釣ったり、やっぱり “持ってる” んですよ」

 いまの有吉のブレイクぶりには素直に驚いているという。

「びっくりですよね。なんの芸もないんだけど、かわいこちゃんだし、ちょうどいいポジションなのよ。そうか、次代を担うひとりは有吉かもね。有吉は頑張ってる。

 あと、女子だし元アイドルだけど、さっしー(指原莉乃・27)はバラエティ向きだよね。頭もいいし、回しもうまい。『彼女には、もっと冠番組を持たせてあげたらいいのに』と思う」

 それ以外でも、女性芸人には着目している。

「女芸人って、前までは『汚ない人ばっかりだ』と思ってたけど、最近は、ちょっと笑っちゃうコもいるのよ。ゆりやんレトリィバァ(29)とか、ガンバレルーヤ・よしこ(29)、とかね。かなわないわ。ひどすぎる(笑)。あそこまでいったらすごいよ。

 ゆりやんなんて、水着で外国の番組にまで出て、ウケてたでしょ。そりゃウケますよ、へんな物体だもん。よしこのすごさは……うーん、すべて。もはや、ほかの職業にはいけないでしょ(笑)」

 みずからも含めて、芸人の引き際については、どう考えているのだろうか。

「上岡(龍太郎)さんなんかは、まだ仕事も全然あるときに、スパッとやめたじゃないですか。すごいけど、あんなふうには生きられないですね。私自身は引き際とか、あまり考えてないですね。ブームは去った、ぐらいにしか思ってないです。

 私、いちばん多いときは週のレギュラー14本に、特番を加わえて16本とかやってたんですよ。当時、男を入れても、あれだけの番組やってたのって、私以外いないんですよ。

 移動中に意識を失いながら歩くこともあったし、『過労死って、どのくらいで死ぬのかな』って、よく話してましたよ(笑)。まあ、どっかおかしかったよね、あのブームは」

 最後に自身の近況を聞いた。

「いまはね、毎日ふざけたことしか考えてないの。朝起きてから寝るまでに、『どれほどへんなことできるか』が勝負。楽しいよ(笑)。

 11月に友情出演させてもらった舞台でも、エンディングまで1時間くらい時間があって暇だから、最後のカーテンコールで毎回扮装して出ていったのよ。共演者にもバレないように控室で仕込んで。

 それが客にウケるもんだから、どんどんハードル上げちゃって、最後は白鵬で終わってたの(笑)。くだらなすぎて涙出るくらい自分でも笑ったけど、素晴らしい出来だったね。『私の人生、最高だな』って思いました」

 山田は、「死ぬまでバカをやる第一人者でありたい」という。

「だって、誰に頼まれてやるわけじゃない。職業だもん。いつまでもバカやりたいですね。たけしさんもあの年で、急に顔に何か描いて出てきたりするでしょ。

 昔はみんな、宵越しの金は持たないとか、野垂れ死ぬことに憧れや美学があったけど、いまはタバコもやめて、健康に気を遣ってるからね(笑)。同じ時代を一緒に駆け抜けたみんなとは、『死ぬまでバカやっていきたいな』って思うし、同窓会もやりたいですね」

(週刊FLASH 2020年1月7・14日号)