5Gでオペ中の映像を共有しながら経験豊富な医師からアドバイスが受けられる

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 9月20日、NTTドコモが「5Gプレサービス」を開始した。多視点アングルのラグビー観戦や仮想現実(VR)や拡張現実(AR)、複合現実(Mixed Reality=MR)によるゲームなど、コンシューマ向けで5Gを体験する機会が増えるだろう。ビジネス向けでは、災害時の遠隔オペなど医療分野での活躍が期待されている。

 現行の4Gの通信速度が1Gbpsであるのに対し、5Gでは20倍の20Gbpsと飛躍的にスピードが速くなる。4Kや8Kなど大容量で高精細なデータが瞬時にダウンロードできたり、滑らかなストリーミング再生で視聴したりが可能になる。

 ドコモの5Gプレサービスの発表会で展示されたブースでは、シャープの8Kディスプレイに内視鏡による豚の内臓が映し出されていた。太い血管からさらに細かく分岐する血管まで目視で確認できるほど高精細だった。こうした映像が、遠隔地の病院でも確認できるようになる。

 別のブースでは、東京女子医科大学の主導で広島大学や信州大学などの5大学、デンソーや日立製作所などの11社が連携して開発している未来の遠隔手術支援システム「Smart Cyber Operating Theater=SCOT」が展示されていた。

 4Gが10ミリ秒の遅延が生じるのに対し、5Gは10分の1の1ミリ秒でほとんど遅延がない。リアルタイムでの通信や遠隔地のロボットや機器の操作や制御ができるようになる。

 SCOTでは、モバイル戦略デスクのディスプレイに映し出された高精細な映像や患者のデータを見ながら、例えば学会で出張や移動中の複数の経験豊富な医師が、オペ中の執刀医に的確な指示を出せるようになる。

 自然災害の被災地に救急車や消防車が駆けつけるように、5Gが普及したら、トレーラーに手術室を搭載した「モバイル診療車」が現地に向かい、その場で手術できるようになるなど、これまで不可能とされていた課題が解決されるようになるという。

 5Gで何ができるかが具体的に理解できる「5Gプレサービス」のデモ会場などで、5Gのソリューションに触れてみると少し先の未来が見えてくる。(BCN・細田 立圭志)