マネしたいテクだらけ!プロモデラーの模型術?迷彩塗装編【グッとくるタイムラプス動画】
16式機動戦闘車に関しては、陸上自衛隊車両の標準的な迷彩塗装が採用されている。今回はそんな16式機動戦闘車の迷彩塗装をエアブラシとタミヤの新ラッカー塗料組み合わせで再現してみよう。
下塗りした表面に2種類のグリーンを施すまでの手順を、タイムラプスで記録する。「ボケているようでボケていない」という色の境目に特徴がある迷彩塗装のコツについても長谷川さんに聞いた。
■迷彩塗装の過程をタイムラプス動画でチェック!
オキサイドレッドで下地塗装を施された車体が、徐々に迷彩カラーへと変化。ドライヤーを使った乾燥終了まで、わずか45分程度で完了した。希釈したカラーを丁寧に塗り重ねることで均一な塗装面を得ることができる。
テクニックの詳細を確認していこう。
■使用するのはタミヤ製のラッカー塗料
インスト(説明書)指示されているタミヤラッカー塗料『LP-25茶色(陸上自衛隊)』『LP-26 濃緑色(陸上自衛隊)』『LP-28オリーブドラブ』使い塗装をおこなう。「タミヤ製のラッカー塗料は塗料と薄め液(溶剤)を7対3の割合で希釈するといいでしょう。色を確認すべく試し吹きも忘れずに」(長谷川さん)

車体の底面はラッカー塗料『LP-28オリーブドラブ』を塗装。徐々に塗り上がっていく表面のディテールがしっかり強調されて見えるのは、下地塗装使用した黒がパーツの陰影を強調をしているから。「細かなディテールやエッジの奥まで均一な塗装ができるのは、エアブラシならではですね」(長谷川さん)

複雑なディテールの底面は、さまざまな方向からエアブラシを吹き付けていく。「こうすることによって塗料の色がしっかりと“回る”んです」(長谷川さん)

■ホイールを2色の迷彩で塗り分ける

下地塗装の際には両面テープに貼り、まとめて作業した8個のタイヤホイール。ここでは側面などをしっかり塗布すべく、例えば、はさむタイプのピンセットを持ち手として使うといい。2色に塗り分けるホイールをはじめ小さなパーツは下地塗装と同様に台紙などに固定して塗装すると効率的だ。

■水性マーカーで迷彩の境目の線を“下書き”

2色の迷彩塗装をきれいに塗り分けるテクニックは幾つかあります。「今回は水性マーカー(Mrホビー・リアルタッチマーカー)を使ってインスト(説明書)を参考に迷彩の塗り分けラインを車体に描いています。ラインは色鉛筆で描いてもOKです。ただし鉛筆や油性マーカーは塗装の表面ににじみ出てきてしまうので使用NGです」(長谷川さん)

迷彩パターンを描く際は、車体に砲塔を取り付けた状態で行う。「迷彩のカラーリングが砲塔から車体まで続いているためです。別々に線を引くとズレてしまいかねません」(長谷川さん)
■薄めたカラーを塗り重ねていくのがポイント

まず塗装は下書きのアウトラインに沿って色を吹き付けていく。「塗装は薄い色から濃い色へと塗り重ねていきます。またエアブラシ塗装の場合、希釈したカラーを塗り重ねる(2〜3回)ことで均一の塗装面を得ることができます。濃い塗料を吹いてしまうとザラつきの原因となります」。(長谷川さん)

■塗料を変えるたびに必ず試し吹きでチェック

1色目LP-25茶色(陸上自衛隊)のを塗り終えて、2色目のLP-26 濃緑色(陸上自衛隊)塗装に移る。「エアブラシ塗装は都度試し吹きをします」(長谷川さん)。エアブラシ塗装に慣れるまでは塗料皿で塗料と薄め液を希釈することを心がけてください。長谷川さんは慣れた手付きで塗料と溶剤を適量をエアブラシに直接注ぐ。これぞ“迷人”芸!

■2色目の迷彩カラーも必ず薄い色で塗布

2色目のカラーが加わると、実物らしい姿に近づく。面ではなく“線”で色を重ねたことにより色が薄く感じることはなく、立体感のある色合いになっているのが分かるだろう。「最初から濃い色で塗ってしまうと、こういう仕上がりにはなりません。はじめから濃いカラーで塗ろうとして失敗する人が本当に多いですね。エアブラシ塗装のミスに圧倒的に多いのが希釈率を間違えて濃い塗料を吹きつけてしまうことなんです」(長谷川さん)

■迷彩の境目にうっすらと線を引く

フリーハンドによるエアブラシ塗装では塗装の境目のグラデーションが不自然にボケすぎてしまうので、色の境目に面相筆で希釈したLP-25茶色を使い薄く線を描いていきます。そうすることで色の境目を自然な感じに仕上げることができます(長谷川さん)

■迷彩塗装した表面を仕上げて完了!

塗装面の艶ムラを整えるために車体全体につや消しクリアー(タミヤ缶スプレーTS-80フラットクリアー)で、オーボーコート塗装を行います。「実車の塗装は半ツヤなのですが、模型的にはツヤを抑えた方が “らしく” 見えるんです」(長谷川さん)。

いよいよ残るはフィギュアの塗装! 面相筆を駆使して小さなフィギュアの服に微細な迷彩を施す細密塗装の世界をお楽しみに!
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プロモデラー・長谷川迷人
本名は長谷川 伸二さん。模型誌や模型イベントの各種企画で活躍しているプロモデラー。戦車、艦船、飛行機など、さまざまなジャンルのプラモデル製作に関して造詣が深い。今回の取材に協力してもらった「タミヤ プラモデルファクトリー トレッサ横浜店」では“長谷川マスター”としてプラモデルの製作講座における講師役を務めている。
(取材・文・写真/ナゴヤリュータ、撮影協力/タミヤ プラモデルファクトリー トレッサ横浜店)
