あなたの「コミュニケーション能力」1分間診断
自分はコミュニケーションの能力に長けているのか。そうでないとしたら弱点はどこか。いますぐにできる診断テストで測定してみよう。
下記「コミュニケーション能力」診断テストにチャレンジしていただきたい。
【採点方法】
おのおのの質問項目について、非常に優れている=5点、優れている=4点、普通=3点、改善が必要=2点、非常に改善が必要=1点、で自己採点してください。合計の点数で、135点以上=非常に優れている、105〜134点=優れている、75〜104点=普通、45〜74点=改善が必要、44点以下=改善がとても必要、とします。
【「コミュニケーション能力」診断テスト】
□ 1.好印象を与える身なりをし、笑顔、挨拶もきちんとしている
□ 2.相手の言うことを最後まで聞き、本音を捉えようとしている
□ 3.話を聞いているときは、アイコンタクト、相づちを打っている
□ 4.感情の共有を心がけ、相手のペースに合わせている
□ 5.相手の表情や動作から伝えたいことを読み取っている
□ 6.話すべき人との会う回数をできるだけ多くしている
□ 7.自分と違う意見も貴重な意見として素直に受け入れている
□ 8.報告・連絡・相談をこまめに行っている
□ 9.どんなときも自分の感情をコントロールできる
□ 10.出身地など相手との類似性から距離感を縮めようとしている
□ 11.身振り、手振りを交え、会話のスピードやリズムが単調でない
□ 12.たとえ正論であっても、一方的に相手に押し付けない
□ 13.相手との距離や、座る位置に気を配っている
□ 14.相手の立場に立った伝え方を心がけている
□ 15.いつも自分の声の大きさや、高さに気を配っている
□ 16.相手の喜怒哀楽を自分のものとして受け止めている
□ 17.聞き手が鮮明なイメージを持てるような表現ができている
□ 18.自分は何事にも感動するほうだと思う
□ 19.同じ内容の話を、相手のレベルに合わせて話せる
□ 20.相手が話しやすいように質問をよくする
□ 21.話す前に内容を組み立ててから話すようにしている
□ 22.まず結論から話し、理由はその後に話すようにしている
□ 23.言いたいことを具体的にはっきりと表現している
□ 24.頼まれごとを、相手の心証を悪くしないように断われる
□ 25.お願いごとをしても、快く受けてもらえるほうだと思う
□ 26.自分は人を褒めることが上手だと思う
□ 27.相手を自分の仕事に巻き込むことが上手なほうだ
□ 28.複数の提案を示して、選択してもらえるようにしている
□ 29.打ち合わせの最後には、必ず結果の確認を行っている
□ 30.頭から否定せず、相手の意見に反論したり反対できる
※ドムス・インターナショナル代表取締役 松村清氏著『コミュ力──コミュニケーション力』のチェックシートをもとに編集部作成
■ベースにあるのは心と心の通い合い
実はこのテストでは、「信頼性」「共感性」「論理性」(上から各10個ずつ)の力を測っている。それというのも、コミュニケーションとは、信頼から生まれる「感情」、そして「共感」「論理」の3つで構成されているからだ。この3つの頭文字を取って、私は「感共論」と呼んでいる。
もともと「人間は感情の動物」であり、仮に相手の言っていることが正しくても、気に食わない人や気に食わない言い方だと、聞きたくないという気持ちになる。これは人間の持っている防衛本能でもあり、まず相手を好き嫌いで判断する。そして、「この人は信用できるな」と思った後に、初めて話を聞こうという気になるのだ。
ところが、コミュニケーションというと、すぐに「技術」に目が向いてしまう。コミュニケーションのベースにあるのは心と心の通い合いであり、その点をまず理解しておく必要がある。
それでは具体的に診断テストの中身を見てみよう。項目が多いので、ここでは日本人が特に弱いと思われるものに絞って説明したい。まず7番目の設問は代表的な感情性を測定したもので、日本人は往々にして意見の違う人は自分の敵だと思いがちだ。しかし、異なる意見を受け入れることで多様性が生まれ、よりよいものが生まれる。
10番目だが、人間は自分に似ている人に親しみを感じる性質がある。たとえば出身地が同じだと何となく親しみがわく。これは感情を共有できるからである。趣味や食べ物でもいい。共通点が見つかると、特に初対面の場合は打ち解けやすい。
次に共感性。正論だけでは人を説得できず、相手の気持ちを考慮した話し方が重要である。日本人は何かを伝えるときに単調になってしまう傾向が強い。それを確認したのが11番目の設問だ。米国にはさまざまな人種がいて、英語が通じないこともあるので、資料を見せたり、視覚に訴えようとする。
人間は五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を使っていろんな情報を集めているが、その中で最も使うのは目だ。米国の心理学者アルバート・メラビアンの「メラビアンの法則」によると、人間の印象をつくる要素は、「言語7%」「言葉のトーン38%」「外見・顔の表情55%」とされている。
論理性だが、日本人は何を言いたいのかわからないことが多い。その点をチェックしたのが、22番と23番の設問。ダラダラ話されるのは一番困る。結論を最初に述べるという習慣をつけることが大切だ。理由はその後でいい。米国人はよく何かを説明するとき、最初に「今日のプレゼンで伝えたいことは3つです」と言う。そうすると聞くほうは、準備ができて理解しやすい。
■弱点克服のロープレ活用法
こうした“感共論”に基づくコミュニケーション力をうまく活用して、成功を収めている例を紹介しよう。日本のあるドラッグストアチェーンでは年に数回、栄養ドリンク剤のキャンペーン販売を行っていて、トップの売り上げを誇っているのが、ある化粧品担当の女性販売員。その数なんと1日で1000本。2位の人でも150本程度だから、その凄さがわかるだろう。
その販売力の鍵は女性担当者がつけている「お客さまノート」にある。普通は、誰々がファンデーションを1つ、口紅を1本買ってくださったとかで終わる。しかし、彼女は、ご主人がカゼ気味だとか、お孫さんが入学したとか、会話の中のちょっとした話題を書きとめる。そして、キャンペーンの前に電話をかけ、「お孫さんは元気に学校に通っていますか」といった会話をする。
相手は、そんな話を覚えているとは思わないので感激する。そこでさりげなくキャンペーンのお知らせをすると、「○○さんのためなら」となる。しかも、ご主人と一緒に来て、ケース単位で買っていく。感情と共感を巧みに使ってセールスに結びつけているのだ。
さて、診断テストで弱点がわかったら、そこを強化することが重要だ。点数が低かったとしても、落ち込む必要はない。生まれつきコミュニケーション力の高い人などいないからだ。諦めることなく、改善の努力をしよう。
その際のコツは、たとえば弱点が感情だとして、その中でも自分はどれが一番強くて、逆にどれが一番弱いのかを見つけ出すこと。強いところは徹底的に伸ばす。その一方で、弱いところはいっぺんに修正するのはムリだから、優先順位をつけて、1つずつ克服していく。人間というのは、1つのことに自信を持つと、次の課題にチャレンジする気になるものだ。
その弱みを克服するためには、ロールプレーが非常に有効だ。ただし、仮のシチュエーションでは効果が薄れる。実際の、たとえば企業への売り込みだったら、「○○社の××バイヤーはこういう性格の人で、ウチとの取引状況はこうで」という実際のシチュエーションで行う。そうすると相手の気持ちを理解でき、「感共論」の使い方を呑み込めるようになっていくだろう。
(ドムス・インターナショナル代表取締役 松村 清 構成=田之上 信)

