“容量と安さ”で飛びつくのは間違い! 「モバイルバッテリー」の賢い選び方
ガラケーに比べて、2〜3倍のスピードで電池が消耗していくスマホの普及に伴って、外部電源となるモバイルバッテリーが身近なアイテムになっています。このモバイルバッテリー、電源がない環境ではまさに必須のアイテム。
そこで今回はモバイルバッテリーの「ダメダメな選び方」、そして「賢い選び方」を、実際にモバイルバッテリーを取り扱っている販売店の方へのインタビューを交えてご紹介します。
■ダメダメな選び方1.公称容量と安さだけで飛びついてしまう
スマホの内蔵電池が1500mAh〜3000mAh程度の容量に対して、最近のモバイルバッテリーは10000mAhを超えるものもあるなど、容量拡大の一途をたどっており、スマホ6回分の充電が可能とうたっているものもあります。
しかし、この公称容量はあくまでモバイルバッテリーの容量であって、実際使える容量ではないことに注意してください。
当然モバイルバッテリーから出力されるときに、出力電力の損失があり、スマホ側も入力された電流をバッテリーにため込む時点で入力電力の損失が発生しますので、全容量が使えるわけではありません。ここで公称容量に近い電力容量が使える一流品と、公称容量をはるかに下回った電力容量分しか使えない二流品がわかれます。
これは電池自体の質もありますが、回路の設計がしっかりされているかの違いも大きく影響します。ここで秋葉原にてモバイルバッテリーを取り扱っている販売店の店長A氏に実情をインタビューしました。
――公称容量は正確なのか?
「大容量の割に価格が安いモバイルバッテリーはまず不正確だと考えた方が良い。出力回路がやはり手抜きだから、電力が熱に変わる損失、言い換えれば発熱ばかりして、ほとんど充電に電力が回されないというものもある。特にいわいるバッタ物(この記事では粗悪品の意味)は書いてある容量の40%くらいしか使えないモノも、実は売っている。
さすがに国産メーカーではそれはないが、国産メーカーでも書いてある容量の80%くらいでも使えれば、まあ合格といえるのではないかな。ともかく充電時や放電時に熱くなる電池ほど、熱に電力が変換されてしまっているわけだから、ダメな電池といえるかもしれない」
なんとも、40%しか使えないとすれば、10000mAhでも実際は4000mAhしか使用できないことになります。
ここでポイントは、熱くなる電池はダメだということ。記事『要注意! 電池を余計に消耗させてしまう“NGな使い方”7』[ http://ure.pia.co.jp/articles/-/16386 ] でも書いたが、リチウムイオン電池は熱に弱い特性があります。暑い部屋で充電して電池が劣化した例もあるくらい、熱にシビアなのです。
また大きさも問題です。大容量・大型のバッテリーは必然的に持ち運びに不便になります。スマホをかばんに入れて充電する人は、大型のものでも問題ありませんが、ポケットにいれる場合は、ある程度薄型でスマホと同じくらいのサイズでないと、ポケットの中で邪魔になるだけになってしまいます。
それを防ぐためには、モバイルバッテリーを使い分ける必要があります。筆者は半日外出用に1300mAh、1日フルで多用するときには6000mAh、旅行時は12000mAhのモバイルバッテリーをと、用途に応じて使い分けています。
■ダメダメな選び方2.粗悪品をつかんでしまう
絶対につかみたくないのが、ダメダメ1で出てきた粗悪品。これを見極めるポイントをA氏は
「まずPSEマーク(日本で流通する電気用品安全法規格遵守の電気用品に付けられる)がついているか、しっかり実物を見て確かめる。ただ気をつけたいのが、悪徳業者だと、本当はPSEマークから外れているものでも、ろくに検査もしないでプリントして付けてしまう事もあるということだね。
まあ規格外だからPSEマークを付けない業者がまだ良心的というのも皮肉な話だけど、電池なのに、◇にPSEのマークがついていたら、間違いなく粗悪品だね。リチウムイオン電池には〇にPSEをつけるのが正解。そんなこともわかっていないメーカーは間違いなくバッタ物しか作らない。いや作れない。」
なるほど、よく製品の信頼性を謳い文句にしている宣伝で、ECサイト等では「PSEマーク付き」と宣伝しているものもありますね。このマークが正しく〇にPSEになっているかどうかも見極めポイントといえるでしょう。
「あとは容量表記の割に妙に他の製品と比べて小型だったり薄型だったり、あるいは妙に軽かったりしたら、少し疑った方が良いね。薄型だったら当然面積は大きくなるし、小型の場合は厚みが増す。今のリチウムイオン電池はこれ以上軽くできないし、小型にできないレベルにあるから、いわゆる体積が他のモノより少ないことはあり得ない。内蔵する電池容量を削る以外にはね…」
よくありますね。妙に小型なのに、高密度、大容量!と謳っているモバイルバッテリー。実際これらのバッテリーはA氏によれば、容量表記が誇大広告になっている事が多いそうです。
しかし値段は容量が大きいほど比例して高くなるので、利益面からみると、販売店にとってみれば、「オイシイ商品」だそうです。もちろん実名はあげられませんが、粗悪品が多く並ぶのは、電気街で露天まで商品を並べて販売している店舗などが多いそうで…。
A氏によれば、粗悪品に近い商品でも大手家電量販店にもあるので、正直なところプロでも外面からだけでは見分けがつかないそうです。
「電池容量自身もそうだけど、過充電防止回路や過放電防止回路がついていないものは選びたくないね。特に過充電防止回路は必須じゃないかな。スマホの内蔵電池が満タンになってもまだ充電を続けると、最悪爆発する。それでなくても、過充電で電池が壊れてくれれば、まだマシだけど、スマホが過電流で壊れたら、もう最悪だね。
でも結構みていると、過充電で壊れているスマホを結構見かける。大抵原因は、どこでどう作ったかわからないACアダプタやモバイルバッテリーを使っていたということは多いよ。よくバッテリーをつないだまま通話している人とか、ゲームをしている人がいるけど、怖くて近寄れない。うちの店でもスマホが壊れたとクレームをいわれても、電池の返品だけで済ませる。そしてこっそり店頭にならんだ電池を卸業者に返品するんだよ」
確かに、あまりニュース等では見かけませんが、通話中や手に持っているときに爆発したら、最悪です。
まとめると、PSEマークの有無。そしてマークの形が正しいか。容量の割に体積が小さく小型・薄型でないか。(A氏によれば、書いてあっても搭載されているとは限らないということですが…)過充電防止回路がついているかが見極めの重要ポイントでしょう。
過充電回路の有無は、スマホ等の充電が100%になっているのに、まだモバイルバッテリーが充電中となっているかいないかで確認できます。トリクル充電で無い限り、100%になったら、過充電防止機能が働いて、充電がストップするはずです。
■ダメダメな選び方3.更に恐怖の粗悪品をつかんでしまう
更に恐怖の粗悪品について、A氏曰く
「なかにはリチウムイオン電池と謳っておきながら、旧世代のニッケル水素電池を使っていることがある。でもユーザーはそこまで仕様を読まないから、買ってなにかおかしいなということになる。
ニッケル水素なら携帯電話(ガラケー)時代に使っていたから、まだマシといえるけど、粗悪品中の粗悪品は、中身がニッカド電池(ニッケルカドミウム電池)だったりすることもある。ニッカド電池はメモリー効果(注ぎ足し充電不可)も強いし、容量も少ない。しかも液漏れしたら、カドミウム(有害)が出てくるから、まさしく公称と全く違う。でもリチウムイオン電池使用とうたっているから怖い」
「あと問題なのが、書いてある電圧と電流を出力できない回路のものも最悪といえるかもね、充電が弱いならまだしも、電圧や電流が乱高下したりするとスマホの内蔵電池が劣化してしまう。また充電が強すぎる場合、電池だけでなく、最悪つながっているスマホを破壊してしまったりする」
怖い話ですが、実際にあった話で、不良品と戻ってきたものを、A氏が開封してみたら、中身がタダの乾電池で、1回しか使用できなかったり、9Vの角形電池が入っているだけだったりした例もあるそうです。大抵のスマホが5V充電ですから、9Vでは1.8倍の電圧がかかることになってしまいますね。
■まとめ ネット上の評判を確かめてから買う
A氏いわくこれだけ多数のメーカーがあると、どれが良いバッテリーでどれが悪いバッテリーかは、正直判断に迷う。正直、店頭で見定めるより、モバイルバッテリーを買おうと思ったら、ネット上でどんな評判がでているかを探すのが良いとのこと。
実際に使ってみた感想・記事サイトは数多くあり、「下手すると、店員より詳しい情報がインターネットに書かれている」とA氏。間違っても衝動買いはしない方が賢明でしょう。
「よくわからないけど、まあいいか」で買って、危険な使い方をしていけない商品といえます。皆さんのモバイルバッテリーの選び方は大丈夫ですか?
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