大学生らブルセラ症に、生殖能力喪失の恐れ…感染源は羊=黒龍江
黒龍江省ハルビン(哈爾浜)市にある東北農業大学で、教師1人と学生27人が2010年12月にブルセラ症にかかったことが分かった。教師と学生は解剖実習に使った羊から感染したと見られている。症状の程度は明らかにされていないが、男性が重いブルセラ症になった場合、睾丸(こうがん)を切除して生殖能力を失うことになる治療をせざるをえない場合もあるという。中国広播網が報じた。
ブルセラ症は羊やヤギなどが多くかかる伝染病だが、人も感染・発症する人獣共通感染症だ。原因菌はブルセラ菌。人においてもあらゆる臓器に感染し、炎症や発熱をもたらす。中国農業大学動物医学院の呉清民氏によると、男性が発症した場合、睾丸が極めて大きく腫れあがり、切除する必要が出る場合もあるという。
東北農業大学でブルセラ症を発症したのは教師1人と男子学生14人、女子学生13人の計28人。2010年12月19日に解剖実習に使った羊から感染したとされる。同大学では、解剖実習に使う動物の検疫をしていなかった。
教師や学生にみられた具体的な症状や治療の経緯については、伝えられていない。
回復したが、腰や全身の関節が痛むという男子学生もいる。大学側が「出席しないと退学処分になる」と表明したので出席しているが、教室で1時間も座っていると腰などがひどく痛みだすという。
同大学の動物医学院院長は6月、ブルセラ症発生の責任を問われて解任された。大学側は治療費を全額負担し、学生や家族と話し合って損害補償などをするという。
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◆解説◆ ブルセラ症は発展途上国の羊やヤギ、牛などの家畜に比較的多く見られる。中国でも発生している。加熱が不十分なミルクや乳製品を飲食した場合、人に感染する場合がある。また、ブルセラ菌に感染した家畜の内臓や肉を扱った場合、傷口や目の粘膜から感染する場合がある。日本では犬ブルセラ症が多いとされている。犬ブルセラ症は犬の不妊・流産の原因になる。
日本の場合、人への感染はほとんどが、実験室で呼吸の際に細菌を吸い込んだことが原因で発生している。ブルセラ症の患者がいた場合、医師は保健所への届け出が義務付けられている。
中国ではブルセラ症が乙類法定報告伝染病に指定されている。(編集担当:如月隼人)
