4600万ドル(1ドル100円換算で46億円)を投資したのは間違いだったとブライアン・キャッシュマンGMにいわれたヤンキースの井川慶が、招待選手として参加している春季キャンプで好投している。スター軍団のなかにあっては無名に等しいが、12⅔回を投げて無失点と好調を維持しており、メジャー昇格が実現するかもしれないと3月21日付公式HPが伝えた。

 キャッシュマンGMは「トリプルAではよい結果を出している。ヤンキースでやれるかどうかはまた別の問題だが、ほかの球団には活躍の場があるのではないかと思う」と述べた。

 井川は春季キャンプをメジャー全30球団へのアピールの場所と考えているようで、土曜日にはヤンキースにこだわらない姿勢を示した。

「それはぼくが決めることじゃない。ぼくはストライクを投げて、よいピッチングをすることだけを考える」と述べた。

 カナダ代表との練習試合もふくめ、7回登板して失点7三振11という数字に、他球団のスカウトも注目し始めている。キャンプではメジャーの一線級の打者を相手にしていないから、これだけの結果が出ているという見方もあるが、トリプルAのスクラントン・ウィルクス・バーリ・ヤンキースでは26試合(うち先発24)に登板して14勝6敗で、2008年度のピッチャー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれている。

「しばらくはメジャーとマイナーを行ったり来たりでキツかったけれど、昨シーズンはやっとマイナーで自分のリズムを取り戻すことができた。投球制限があるので、ストライクを投げて、早いカウントでアウトを取るようにしている」と井川はいう。

 メジャーで先発したいという井川の希望をかなえるにはトレードという手があるが、契約の残り3年1200万ドルを引き受けられる球団を見つけるのは現状では難しい。井川をヤンキースに置いておくつもりはあるかと訊かれたGMは明言を避けたが、ジョー・ジラルディ監督はロングリリーフやスポット先発での起用も考えているようで、金曜日のツインズ戦ではクローザーとして登板させた。結果は2四球、被安打1とさんざんだったが、ダブルプレーもあって失点を免れた。

「すべての投手が三振を取れるわけじゃない。バックの守りに支えられてアウトを取るのもひとつの考え方」と監督。

「結果を出せればそれで満足だ。メジャーに在籍するだけじゃなく、よい投球をすることがぼくの目標だ」と、メジャー移籍したことを後悔してはいないと井川はいう。