「脳動脈瘤」とは?症状・原因・手術についても解説!【医師監修】

脳出血の前兆となる症状とは?Medical DOC監修医が解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「脳出血の前兆となる初期症状」はご存知ですか?治療法や予防法も医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
村上 友太(医師)

【経歴】
医師、医学博士。
福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学入局。星総合病院脳卒中センター長、福島県立医科大学脳神経外科学講座助教、青森新都市病院脳神経外科医長、東京予防クリニック院長を歴任。現在は神宮前統合医療クリニックなどで脳機能向上、認知症予防を中心に診療している。
【資格・所属】
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会専門医
日本抗加齢医学会専門医
日本健康経営専門医

「脳出血」とは?

脳の血管の病気には血管が詰まる病気と血管が破れる病気とがありますが、脳出血は血管が破れることによって脳内に出血が起こってしまう状態です。
脳出血は1950-1960年頃までは、人口10万人あたり200人超と脳卒中の中でも死亡率の高い病気でした。高血圧が原因であることから、血圧管理などを中心に治療することで徐々に発症頻度は下がり、近年では脳梗塞の3分の1程度の発症率、人口10万人あたり10人程度の死亡率となりました。しかし、一度発症してしまうと後遺症にも悩まされるため発症予防が非常に重要です。
はじめに、誤解ないようにお伝えしておかないといけませんが、前兆となる症状を「その症状が出現した時点で治療介入を行うことで病気の発症を防ぐことができる」という意味で捉える場合には、脳出血にとって前兆となる症状はほとんどありません。なぜなら、症状が出現した時点で脳出血を発症していることを意味するからです。
ただし、発症の一歩手前で治療介入を行うことで脳出血を食い止めることにつながることはありますので、そのようなケースを含めて解説したいと思います。

脳出血と脳卒中の違い

脳卒中は、脳の血管の障害によって起こる脳出血や脳梗塞、くも膜下出血を総称したものです。
脳の血管が詰まると脳梗塞になり、脳の血管が破れてしまうと脳出血やくも膜下出血が起こります。
脳の血管が詰まる、破れるという分類ではなく、出現する神経症状で分類すると、脳梗塞と脳出血は類似しているのですが、くも膜下出血とは異なります。
脳梗塞と脳出血はともに脳内組織が壊れてしまう病態であるため、どちらも手足の麻痺やしびれ、めまいや頭痛、ろれつが回らなくなるなどの症状が現れます。症状からだけでは判断がつかず、画像検査で診断します。なお、脳内には痛みを感じる神経がないので激痛(頭痛)はほとんどありません。
一方で、脳の表面には痛みを感じる神経がありますが、くも膜下出血は脳組織の表面にあるくも膜下腔という空間に出血するので、痛みを感じる神経が刺激されて激しい頭痛の症状が現れます。また吐き気や嘔吐も多く見られます。
くも膜下出血の出血の仕方によっては脳出血も合併することがあり、その際には激しい頭痛と手足の麻痺症状のどちらも出現することがあります。

脳出血の前兆となる初期症状

前述のように、脳出血は突然起こるため前兆となるような症状はほとんどありません。前兆という用語を使って良いのか悩ましいのですが、下記のような症状があった場合にすぐに受診すると、発症の一歩手前で治療介入を行うことで脳出血を予防することにつながります。

物が二重に見える、目の充血、目の突出

目の奥にある血管である海綿静脈洞という、脳や目から返ってきた血液が流れこむ場所があります。この部位と周りの動脈との間に異常なつながりができる、海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻という病気になると、目が充血したり、物が二重に見えたり、目が前側に突き出てくる症状が現れます。
なお、硬膜動静脈瘻は、脳血管のいろいろな部位にできる可能性がある病気です。上記の海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻は、海綿静脈洞部にできる硬膜動静脈瘻ですが、耳の奥の部位や後頭部などにも発症することがあります。
硬膜動静脈瘻では、通常の血流の動きと異なる病態が起こるため脳組織へのダメージとして脳浮腫や脳出血も伴うことがあります。脳浮腫が起こる場合には頭痛や嘔吐などが起こります。耳の奥の血管で硬膜動静脈瘻を発症すると、持続する耳鳴りを発症することもあります。この病気が見つかった段階で治療を行うことで脳出血の発症を食い止めることができる可能性があります。

言葉が出ない、片側の手足のしびれ

運動している時やトランペットを吹いている時などたくさん呼吸する(過換気状態の)時に一時的に言葉が出なくなったり、片側の手足がしびれたりするような場合はもやもや病の可能性があります。この病気は内頸動脈から伸びる脳血管が先細りして細く複雑に広がっており、それをCT画像やMRI画像でみると煙のようにもやもやしていることから名付けられました。
血管が異常に細くなっているため、脳への血流が乏しくなり重篤な場合は脳梗塞を起こします。また、もやもや病は幹(みき)となるべきメインの血管が細くなる影響で、側副血行路という本来は非常に細いはずの枝分かれした血管が太くなる現象がおきます。この無理に太くなって頑張っている血管(側副血行路)は破裂しやすく、脳出血の原因にもなります。子供は脳梗塞を発症しやすく、成人では脳出血を起こしやすいと言われています。
原因となる遺伝子も見つかっていますが、遺伝しやすいというわけでもなく、原因不明の病気です。言葉が出づらくなったり、片側の手足の感覚に違和感を感じたりする場合には、脳神経内科もしくは脳神経外科を早めに受診しましょう。

「脳出血の前兆」についてよくある質問

ここまで脳出血の前兆となる症状・予防法などを紹介しました。ここでは「脳出血の前兆」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

脳出血を発症しやすい年齢層はありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

脳出血は高血圧などの生活習慣病がある人に起こりやすいので、60~70代の中高年に多くみられます。ただし、頻度は低いのですが、若い世代でも起こる可能性はあるので、注意は必要です。

脳出血の前兆となる症状に体のしびれやめまいはありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

脳出血の前兆で体のしびれやめまいが出現することはほとんどないと思います。
脳出血の場合は脳卒中の症状が起きたら、その時点ですでに血管が破れて脳に出血しているため、それは前兆ではなく脳出血を発症している状態です。
なお、脳出血ではなくて脳梗塞の場合であれば、一過性脳虚血発作(TIA)という脳梗塞の前兆といえる病気があります。これは、脳血管が詰まりかけたけども再度開通して脳梗塞に至らなかった状態を指します。体のしびれなどの症状が一時的に現れますが元通りになります。

肩こりは脳出血の前兆となる症状に含まれますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

脳の中の重要な血管であり首のあたりを走っている椎骨動脈の一部が裂けてしまう、椎骨動脈解離という病気があります。この病気では、首の後ろのつっぱり感や、肩こりのような症状が現れることがあります。脳出血となることは珍しいのですが、裂けた部分の動脈が破裂した場合にはくも膜下出血となり、解離した血管が閉塞した場合には脳梗塞となります。肩こりが治りづらい場合には、一度MRI検査を受けることも考慮すると良いでしょう。

編集部まとめ

脳出血は突然発症する病気です。
脳梗塞の前兆として知られる一過性脳虚血発作では、すぐさま予防治療を行うことで脳梗塞の発症を予防することができますが、脳出血ではそのような前兆はほとんどなく、症状が出現した時点で脳出血を発症しているというのが現実です。
記事内に紹介した硬膜動静脈瘻やもやもや病といった異常血管の病気は、放置すると脳出血に発展する可能性のある病気です。手足のしびれや頭痛などの症状があり頭部MRI検査を行ったところこれらの病気が見つかり、すぐに治療を行なってことなきを得たというケースはときおり経験します。これらは、脳出血の前兆というよりは脳出血の原因疾患として挙げられる比較的珍しい病気ですが紹介させていただきました。
手足や顔の力が入りづらい、しゃべりづらい、頭が痛いなど気になる症状がみられた場合には、すみやかに脳神経内科や脳神経外科を受診するようにしましょう。

「脳出血の前兆」と関連する病気

「脳出血の前兆」と関連する病気は7個ほどあります。
病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経外科の病気

硬膜動静脈瘻

脳動静脈奇形

脳腫瘍

海綿状血管腫

もやもや病椎骨動脈解離脳動脈瘤

脳出血の前兆はありません。列挙した病気は脳出血を起こす可能性のあるものですが、自覚する症状がなくて脳ドックなどで偶然に見つかることが多いです。経過観察するうちに脳出血を起こしてしまう可能性が高まった際には、予防的に手術で治療を行うことを考慮することになります。

「脳出血の前兆」と関連する症状

「脳出血の前兆」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

頭痛めまい

舌のもつれ

手足のしびれ

顔の半分が動かなくなる

意識障害

吐き気

突然視野が欠けるなどの視力障害が生じる

脳出血と脳梗塞は症状が似ています。突然このような症状が現れた場合には、脳出血を含めた脳卒中の可能性がありますので、早急に医療機関を受診しましょう。

参考文献

脳血管疾患の性・病類・年齢(10歳階級)別粗死亡率(厚生労働省)