Photo: Tuija Laurén

2023年12月6日の記事を編集して再掲載しています。

まだまだ知らないことばかり。

遺産などを研究し、人類の歴史を紐解く考古学。研究を深めれば深めるほどびっくりすることがでてきます。

北極圏近くにある石器時代のTainiaro遺跡ですが、なんと考古学者が想定していた3倍の広さがあったことがわかりました。残りを発掘することで、北部の石器時代の遺跡の広大さと複雑さがより明確になる可能性があります。

フィンランド最北の地にて

フィンランド最北、Tainiaro遺跡は北極圏の80キロほど南に位置する6500年前の墓地です。ヨーロッパ圏で最も大きな石器時代墓地なのですが、土壌が強い酸性なことで、そこに埋められた人たちの骨は数千年も前にバラバラになってしまいました。

1980年代、1990年代に遺跡の発掘調査が行われ、総面積10分の1のエリアから40ほどのお墓が当時見つかりました。

研究は続き、2018年に行われた発掘調査では、前調査の約3倍、約120人の骨が発見されました。200を超える可能性もありとのこと。

調査論文はAntiquityに掲載されています。フィンランドはオウル大学の考古学者であり、論文の主執筆者でもあるAki Hakonen氏は、Antiquityのリリースにてこう語っています。

「石器時代の墓地は、穴の形と紅土くらいしか残っていませんが、Tainiaro遺跡ではそれすら十分に残ってはいないのです。(遺跡の)証拠としてなかなか掴みどころがないんですね」

Graphic: Aki Hakonen / Antiquity Publications Ltd

昔のお墓と紅土

紅土は、アルミニウムに富んだ赤い土壌。埋葬の儀式などで石器時代によく色料として使われました。この紅土が石器時代の墓地で有名なトルコのチャタル・ヒュユク遺跡でも見つかり、死体を掘り起こしたあと、この紅土と辰砂で色付けがされていた可能性が示唆されています。

ちなみに、研究チームはTainiaro遺跡を墓地だと考えていますが、Hakonen氏も言うようにそれを裏付ける確固たる証拠はありません。見つかった穴で、紅土があったのは23個だけ。灰と炭が見つかった穴もあるので、墓穴ではなく暖炉では?という意見もあったそうです。

しかし、何かを燃やした痕跡がない穴も多く、暖炉として定期的に使用されていた証拠が乏しいことから、やはり墓穴であり大規模な墓地だという意見が優勢になっています。

まだまだこれから…

Hakonen氏いわく

新たな土のサンプルは、石器時代の墓地で近年発見された化石化した髪の毛の解析にも役立つかもしれません。土から直接採取した古代人DNAの化学解析などによって、埋葬を裏付ける絶対的な証拠が得られるかもしれません。

もしかしたら、石器時代の社会をより深く理解するため何か面白い方向に導いてくれる全く新しい発見もあるかもしれませんね。

この遺跡、5分の4のエリアはまだ発掘調査が行われていません。今後、掘れば掘るほど真実に近づいていくのかも…。

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