豊田自動織機の臨時株主総会の会場を知らせる看板(12日、愛知県刈谷市で)

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 トヨタ自動車の源流にあたる豊田自動織機は12日、臨時株主総会を開き、6月1日の上場廃止に関する議案を可決した。

 77年間に及ぶ上場の歴史に幕を下ろし、物流の自動化など成長分野への投資に集中する。

 伊藤浩一社長は臨時株主総会で「上場でも非上場でもやることは全く同じ。社会に貢献できる企業として尽くしていく」と説明した。名古屋市の60歳代の男性株主は読売新聞の取材に対し、「短期的な株主の利益のためではなく、世界に貢献する会社であってほしい」と話した。

 トヨタ陣営は1月から豊田織機の株式公開買い付け(TOB)を進め、3月に成立させた。買収総額は約5・9兆円に上る。上場廃止に伴い、豊田織機株は東京証券取引所と名古屋証券取引所で取引できなくなる。

 豊田織機は1926年創立。東証が戦後の売買を始めた49年に上場した老舗企業で、現在はフォークリフトの世界最大手として知られる。

 トヨタ株の10%弱を持つ大株主でもあり、デンソーやアイシンなどグループ主要企業の株式を保有する。このため、豊田織機株が敵対的買収の標的になるとグループ全体の資本政策に影響を与えるリスクが指摘されていた。持ち合いは事業の成長に使える資金を株式の形で眠らせているとの批判もあった。