サントリー VS アサヒ 大ヒットのギルティ炭酸「NOPE」に真っ向勝負、植物由来「green cola」
サントリー「ギルティ炭酸 NOPE(ノープ)」が若年層を中心に異例の人気となっている。カロリーと糖質は控えるべきという健康志向全盛の時代に、あえて逆をいく“ギルティ(背徳感)”を打ち出した。3月24日に発売され、発売1週間で2000万本以上の出荷は、同社にとってここ数年で最大のヒット作だ。
実際に飲んでみるとブラックチェリーやスパイスの香りが特徴で十分な甘さを感じる。カロリー表記を見ると100ミリリットルあたり56カロリーとなっており、コカ・コーラの45カロリーを大きく上回る。600ミリリットルで販売されているので、“太ってください”と言わんばかりにコンセプト通りといえる。
サントリー食品インターナショナルの大槻拓海氏はテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト(WBS)」でマーケティング戦略について明かした。
「ブラック&マゼンタという1回で記憶に残るような配色にした。20~30代はストレスを発散というよりも、1人や少人数で家の中で溶解させている。そのシーンに飲んでもらえているのではないか」
ふだんは控えるべきという食べ物や飲み物を欲望のままに楽しむ消費行動は「ギルティ消費」と呼ばれるが、調査会社マクロミルによれば、「ギルティ消費で期待すること」として1位は「ストレスを発散したい」、2位は「自分をほめてあげたい」だという。
これは、食品市場でラーメンやアイスクリーム、カップ麺といった人目を気にせず欲望のままに食べる「ギルティグルメ(背徳グルメ)」がトレンドの1つになっていることとも符合する。
なお、SNSでは味やCM(マーケティング)について、「1984年にサントリーが発売した炭酸飲料『SaSuKe』に似ている」との投稿が目を引いた。同製品を覚えているのは40代後半以降だと思われるが、モノクロのCMでキャッチコピーは「コーラの前を横切るヤツ、冒険活劇飲料」というちょっと意味不明なものだった。強烈な印象を残した伝説の炭酸飲料だったが、販売不振だったのか、すぐに店頭から消えてしまった。「NOPE」はどこまでリピーターを獲得できるかが勝負だろう。
アサヒ飲料は、真逆の「green cola」投入
そして、ギルティ人気を逆利用しようとするメーカーもある。アサヒ飲料は12日から1都3県限定で植物由来の原料を使用した「green cola(グリーンコーラ)」を発売開始した。サントリーとは対照的に、砂糖不使用・保存料不使用・カロリーゼロを売りにした商品だ。2012年ギリシャで誕生し、50を超える国や地域で展開されており、日本向けに味を変えて販売する。
同社の調べによると、炭酸飲料の中でコーラフレーバーは37%を占める大きなカテゴリーだが、10~20代の若年層が減少しているのが課題だったという。
土日に行われた街頭サンプリングで飲んだ人の感想をSNSで見ると、「甘味には砂糖の200~300倍の甘さを持つ天然甘味料ステビアが使用されているので、甘さをしっかり感じられる」とのこと。
実は、ダイエットコーラの歴史は長く、世界で初めて「ダイエットペプシ」が販売されたのは1964年だ。日本にも1975年頃にはすでに存在し、1992年頃にも販売されていた。ただ、カロリーゼロをうたう炭酸飲料のほとんどには、砂糖の代わりにスクラロースやアセスルファムKなどの「人工甘味料」が使用されており、この人工甘味料の後味の悪さが苦手だという人はかなり多い。
「天然甘味料」ステビアを使った「green cola」が、新たな市場を開拓できるか注目だ。
文/横山渉 内外タイムス
