山形県内でクマ目撃 4月は114件で過去水準超え 春の到来早まり行動変化 農作業や入山時の対策は
暖かくなって山形県内でクマの目撃情報や人への被害が相次いでいます。
山形県が公表しているクマの目撃情報を地図に示したものです。黄色のピンが市街地、オレンジのピンが市街地以外となっています。
こうしてみると2026年に入って4か月余りが過ぎましたが多くの目撃情報があるのがわかりますね。
件数をみると、4月30日までの目撃情報は114件と、2025年の同じ時期と比べるとおよそ2倍になっているんです。
こうした状況を受け、県は4月30日に「クマ出没警報」を発表し、現在も継続しています。
では、クマの目撃はどの月が多いのか見ていきたいと思います。
こちらは2025年の目撃件数です。こうしてみると6月7月と多くなっていてさらに10月11月も多くなっています。2025年の秋はクマのエサとなる木の実の大凶作もあり、市街地などでのクマ目撃情報が増えたとみられています。
では、なぜこの時期にクマの目撃情報が多いのかクマの生態に詳しい岩手大学の山内貴義准教授によりますと、
冬眠明けから気温が高くなりお腹を空かせたクマが食べ歩く時期であり、さらに、山のエサも増えてくる時期が重なるため5月からの目撃件数が増える傾向にあるといいます。一方で、2026年に入って2025年の同じ時期に比べ倍近くに目撃件数が増えている要因を山内准教授はこう分析しています。
山内貴義准教授「ことしの特徴としては4月に人里もしくは街中での出没が続いてその件数が過去最高 昨年の秋に大量に人里街中にクマが出没して 農作物を食べるや家の中に入る 最終的に柿の実を食べたりする そのような人里にいくとおいしいものがあると学習した個体がかなり多い その影響を春先にも受けている」
さらに、2026年の傾向として山内准教授によりますと、「気温の上昇で年々春が来るのが早い。ことしは3月に気温が高い日が続き一気に春がきた。クマの行動が変化してきた人間由来のエサに依存すると冬眠の期間が短くなる早めに冬眠から目覚める」としています。
これからの時期はエサを探して広範囲に行動するためより一層、警戒が必要になってきます。
そして、農作業や山菜採りなどで外に出る機会が増える時期です。こうした中、農林水産省は山際にある農地が、クマに遭遇する危険性が高いとして4月に、農家に対して注意と対策を呼びかけました。
作業時の注意点は、一人での作業をさける、ラジオなど音の出るものを携帯して自分の存在をアピール、早朝夕方の作業は周囲を警戒する、こうしたことを求めました。
さらに、クマ対策の支援も行っています。
猟友会などがクマを捕獲した際に支払われる捕獲単価の増額、クマ進入を防ぐ柵の設置、隠れ場所をなくす草刈り、こうした支援を行っていて、追加の要望を31日まで受け付けるとしています。さらに、注意警戒が必要なのは農作業だけではありません。
これからキャンプやハイキングなどで山に入る人も増えると思います。先ほど話を聞いた岩手大学の山内准教授によりますと、
鈴、笛、ラジオなど音が出るもののほか、クマ撃退スプレー、こうしたものを携帯してクマ対策をしてほしいとしています。
では、実際にこのクマ撃退スプレーがどんなものなのか映像があるのでご覧ください。
こちらのスプレーは10メートルの距離に対応しているスプレーで、各商品によりますが、映像のように長時間噴射することができるんです。
撃退スプレーのほとんどが唐辛子にある辛み成分「カプサイシン」を使用しているためこうした色がついているんです。
山内准教授によりますと、リュックの中に入れておくなどただ持っているだけでは意味がありません。
腰などに着けていつでも噴射できるような体制にしておくのが重要だということです。さらに、農作業前や入山前に一度、使い方の確認も必要だということです。
一方で、こうしたクマ対策が間に合わず、クマと遭遇した場合や襲ってきた場合はどのような対応が正しいのか。山内准教授によりますと、
クマに遭遇した場合は動かず、声を出さず様子を見ることが重要だといいます。
急に動いたり、大声を出したりするとクマが驚いて襲ってくるということなんです。
また、クマに襲われた場合はしゃがみこむか、うつぶせになることが重要です。。
クマに襲われた人の9割が顔やお腹を中心に襲われていることから顔とお腹を守ることが必要だということです。
しかし、こうした慣れていない動きはとっさに出来ないので日頃から練習を行うことをおすすめします。
