ダンサーが、正当に評価される世界へ。ODORIBAとMiyuが目指す新天地
ダンサーという職業が、正当に評価されるにはどうすればいいか。その問いの答えを探ってきたダンスに特化したクリエイティブエージェンシー・ODORIBAが今年で設立10周年を迎えました。
3月25日、都内で開催された「ODORIBA 10th ANNIVERSARY & Miyu FAREWELL Party」は、創立10周年に感謝を伝える節目の場であると同時に、所属ダンサー・Miyuさんの壮行会でもありました。Miyuさんは米大手エージェンシー・CAAと日本人ダンサーとして初めて契約を結び、4月からロサンゼルスを拠点に活動を始めます。
イベント冒頭、ODORIBA代表取締役社長の荒木理恵子さんが登壇。「あんまり普段、表に出たくないタイプなので」と少し照れながら、同社の設立の経緯を語り始めました。
広告代理店でアーティストのタイアップを専門に担当し、その後レコード会社へ転職。音楽業界と広告業界の両方でノウハウと人脈を積み重ねた荒木さんが、最終的に向かったのは自分の「原点」です。
もともと自分の原点がダンス、ダンサーだったので、そこに全投入したらどうなるかなと思って作ったのが、このODORIBAという会社になります。広告業界・音楽業界というところの中で、ダンスをどう活用していけばいいか、ダンサーを職業として食べさせるにはどうしたらいいんだろうとか、いろんなことを模索しながらやってきた10年です。
これまでにODORIBAが手がけてきた仕事は、アーティストのミュージックビデオ、企業CM、振付・キャスティング、社会貢献活動、ダンスバトルのオーガナイズと多岐にわたりましたが、荒木さんは11年目を迎える同社の今後の展望として、まず「ODORIBA INTERNATIONAL」の設立を発表しました。
MiyuさんのLA拠点化を機に、東京とロサンゼルスの二拠点で彼女のグローバルな活動を支えていくこの新会社について、「Miyuのグローバルな活動をさらにバックアップしつつ、日米のエンタメ界のハブとなれたら」と構想を明かしました。
続いて紹介されたのが、エージェント業務の拡大です。今後は現役サラリーマンが週末に活動するパフォーマンスチーム「Cheer Re-Man's」、ODORIBAスタッフのmicoさんが率いるダンス&クリエイティブ集団「mcpc」など、個性豊かなアーティストのサポートを広げていく予定です。
そして最後に掲げたのが、障害のあるなしにかかわらずダンサーが一緒に競い合う全国規模のコンテスト「インクルーシブダンスフェス」の開催です。2027年1月31日にLINE CUBE SHIBUYAにて渋谷区公認で開催予定のこのイベントを通じて、荒木さんは「インクルーシブダンスシーンを日本から発信していきたい」と抱負を語りました。
パーティーの中盤には、Miyuさんが初プロデュース曲でコラボした琴奏者の明日佳(ASUKA)さんとともに登場。Askaさんの演奏する「元禄花見踊」にあわせてダンスパフォーマンスを披露すると、大きな拍手が会場を包みました。そのあとのトークで、MiyuさんはCAA契約に至るまでの経緯を語りました。
2017年のダンス世界大会で優勝を果たして以降も、「ダンサーの価値がまだまだ認められていないという思いを抱え続けていた」というMiyuさんは、これまでダンサーの地位向上を目指し、ダンスとファッション、音楽、教育、テクノロジーを掛け合わせた発信を続けてきました。
転機となったのは、2024年に世界的スーパースターのブルーノ・マーズさんから直々に指名を受け、ドンキホーテのCMで共演したこと。大きな話題を呼んだこのCMをきっかけに、ダンサーとしてアーティストと対等に世界で活躍できる場を自ら開拓していく決意を固めたといいます。
大谷翔平さんやレディー・ガガさんも名を連ねるCAAとの契約は、日本のダンス界では前例のないことでした。今後は東京とLAの二拠点を行き来しながら活動を続けるというMiyuさんですが、次に見据えているのは、映画への出演、VOGUEの表紙、そしてメットガラへの出席です。こうした大きな目標を掲げていることについて、Miyuさんは「人に『それ無理でしょ』と言われることを叶えるのが、自分の生きがい」と語りました。
ODORIBAの10年は、ダンサーが職業として認められる世界をつくるためにその答えを探り続けてきた時間でした。しかし、答えのひとつが今、LAへ旅立つMiyuさんという形で動き始めています。
10周年という節目を終えたODORIBAが思い描くダンスの可能性は今後、世界のどこで、どんな形で広がっていくのか。その行方を、見守っていきたいと思います。
品川のスタジオで世界を巡る。世界的ダンサーMiyuのダンスビデオ「MAU」を支えたxR撮影の舞台裏
Source: ODORIBA
