集中力が続かない人は「かかと」をトントン刺激してみて!ホルモンの分泌で脳が元気に。勉強や仕事、骨活に期待できる「かかとトレーニング」
日々の歩き方を工夫するだけで脳や骨を元気にできることを知っていますか?
ウォーキングは実は歩数よりも「歩き方」が大事なんです。
そのコツは「かかと」にあります。一歩一歩かかとから着地する歩き方をすれば、骨や筋肉が強くなり、脳も活性化されて集中力や記憶力の向上が期待できます。
勉強や仕事の集中力が続かない。筋トレしてもなかなか効果が現れない。そんな悩みはかかとを刺激することで改善できるかもしれません。
「かかと」が大事な理由
昔に比べて子供の外遊びが減り、リモートワークの導入でオフィス通勤が減少する中、子供も大人も「歩く時間」が減っています。
歩く機会が減ると足腰の衰えだけでなく、脳の働きにも影響が出ると言われています。
歩く時、最初に地面に接触するのは「かかと」です。かかとに生じる衝撃は足の骨から脊椎を経由して全身の骨に伝わり、この負荷によって骨質がアップします。
また、かかとは全身の筋肉の出発点でもあります。筋肉はそれぞれ独立して存在しているように見えますが、実際には「筋膜」という結合組織によって全て繋がっています。
特に重要なのは、かかとから始まる「後方筋膜ライン」で、足の裏からふくらはぎ、ハムストリングス、仙骨、脊柱起立筋を経て後頭部まで連続しています。
つまり、かかとが受けた刺激は筋膜ネットワークによって瞬時に全身に伝達されます。
さらに、骨の形成や認知機能、基礎代謝や男性ホルモンなどと関係している「オステオカルシン」というホルモンの分泌も促されます。
健康の基本は「かかと」にあり。
かかとを鍛えるトレーニングを3つ紹介します。
1つ目は「かかとウォーキング」です。まずは壁を使って正しい立ち方を体に覚えさせます。
かかとウォーキング
【かかとウォーキング】
(1)両足を肩幅に開いて壁の前に立ち肩甲骨、お尻、かかとを壁につける
(2)この姿勢をキープしたまま一歩前に出る
(3)両足のつま先を上げて3秒キープ。5回繰り返す
(4)つま先を上げてかかとだけで5歩前進し、5歩後退する
猫背や骨盤が歪んでいると体の重心が前や横になりかかと立ちのバランスが難しくなります。
まずは正しい姿勢で(3)までの体操をしっかり行いましょう。
それができたら(4)のかかとウォーキングに挑戦してみてください。
かかとへの刺激が痛いと感じる人は、靴を履いてやってみましょう。靴がクッションの役割を果たし、負担なくかかとへの刺激を与えることができます。
かかとウォーキングの感覚を生かして普段の歩き方もかかとから着地することを意識しましょう。
背筋を伸ばし、あごを引き、足先は真っすぐ前に向けてかかとから着地します。姿勢も脳も整うこと間違いなしです。
血流が良くなる「かかと叩き」
2つ目は、座ったままできる「かかと叩き」です。
血流が良くなるので集中力やパフォーマンスが向上し、冷えやむくみの解消にも効果があります。
【かかと叩き】
(1)背すじを伸ばして椅子に深く座る
(2)つま先を地面に固定してかかとを浮かせ、地面を叩くようにかかとを落とす
(3)「まっすぐ」「右」「左」の3方向になるように、かかとを左右にずらしながら刺激を与える
かかとのさまざまな部位を刺激すると共に、足首の上げ下ろしで「第2の心臓」ともいえるふくらはぎも鍛えられるので血液を全身に効率よく巡らせることができます。
やった後はしばらく膝から下がポカポカしてくるのが実感できます。体が放熱して深部体温が下がり、夜はぐっすりと深く眠れるようになります。
3つ目は、「つま先上げトレーニング」です。
かかとを床に固定してつま先だけを上げます。かかとを刺激すると共に普段あまり使うことのない前脛骨筋(ぜんけいこつきん)を鍛える運動です。
つま先上げトレーニング
【つま先上げトレーニング】
(1)背もたれのある椅子に深く座り足を肩幅に開き、つま先を少し外側に向けて逆「ハの字」にする
(2)つま先を上げて5秒キープ。これを5セット
(3)椅子の後ろに回り、背もたれを両手で掴み中腰姿勢になり、つま先を上げて5秒キープ。これを5セット
前脛骨筋は足首を上に向ける時に使う筋肉です。機能が低下するとつまずきやすくなり転倒リスクが増すので、普段から積極的に鍛えておきましょう。
これら3つのトレーニングは1日数分でできるものばかりです。通勤通学時や家やオフィスでの空き時間に是非やってみてください。
かかとの状態は筋膜連鎖で全身に影響を及ぼします。日々の刺激によって骨密度が保たれ、エネルギー代謝も上がり筋肉の形成やダイエットにも効果があります。また、骨芽細胞から分泌されるオステオカルシンによって記憶力や集中力の向上も期待できます。
靴を履く時、かかとをトントンと地面に打ち付けるだけでも効果があります。かかとに刺激が入ると共に、足が靴にしっかりとフィットし、ウォーキングに安定感が生まれます。
体の土台となるかかとを鍛え、全身の健康状態の向上を目指してください。
高林孝光
アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長。はり師・きゅう師・柔道整復師の資格をもつ。アスリートに最大限のパフォーマンスを発揮させる「運動機能評論家」。主な著書に「しゃがめない人は不健康になる」(自由国民社)、「足が速くなる解剖図鑑」(エクスナレッジ)、「身長は伸びる」(自由国民社)などがある。
