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ハンタウイルス集団感染の疑いがあるクルーズ船をめぐり、乗客が動画を公開しました。クルーズ船の船長が亡くなった乗客について「自然死だったと考える」と語る様子が映されていました。

■WHO“ヒトからヒトへの感染はまれ”

ハンタウイルス集団感染の疑いで、アフリカ北西沖のカボベルデ近くに停泊していたクルーズ船。ロイター通信などによりますと、6日、スペイン領カナリア諸島に向けて出発しました。スペイン保健省は、残された乗客らは全員無症状だとして船の受け入れを表明しています。

しかし、島民からは…

島民「新型コロナの時のような状況に逆戻り」

カナリア諸島の首長も受け入れに反対しています。

深刻な呼吸器疾患などを引き起こす「ハンタウイルス」。主な感染源はネズミなどのげっ歯類で、WHO=世界保健機関は“ヒトからヒトへの感染はまれ”だとしています。

しかし、これまでにクルーズ船の乗客8人に感染の疑いがある症状が出て、3人が亡くなりました。感染が確認されているのは死亡した3人のうちの1人、南アフリカで治療中の男性。そして、先月末に船をおり、スイスに帰国した男性です。この男性は帰国後に発症したといいます。

また、オランダメディアによりますと、感染が確認され死亡した乗客と接触していた航空会社の客室乗務員の女性がハンタウイルスに感染した疑いのある症状がみられ、国内の病院に入院したということが新たに分かりました。

■乗客「もし客室で隔離されていれば…」

感染拡大を食い止めるチャンスはなかったのか。

乗客の1人が語ったのは、最初の死の裏側で起きていた“不十分な対応”でした。

乗客 ルヒ・チェネットさん「普段は夕方に集まりがあった。午前9時に集まるように言われた時、何かがおかしいと感じました。普段なら船長に会わないはずが、その時は船長がいた。空気が張り詰めていたので撮影を始めました」

船長「おはようございます。昨夜、乗客の1人が亡くなったことをお伝えしなければなりません。大変悲しい出来事ですが“自然死”だったと私たちは考えています」

先月12日、船長から伝えられた“乗客の自然死”。

船長「医師の話では故人が抱えていた健康上の問題は感染性のものとは異なるため、船内の安全は確保されています。この船は安全です。乗客の男性は残念ながら“自然死”でした」

乗客 ルヒ・チェネットさん「“自然死”であり感染性ではないと言いました。その時は安心しましたが、この説明で私たちは誤解してしまいました。感染症についての情報は一切伝えられていなかったため、みんなリラックスしていました。朝食も昼食も夕食もダイニングエリアでとって、日常は続きました。誰もマスクを着用していませんでした。食事は毎回のようにビュッフェ形式で、乗客の多くは免疫力の高くない高齢者でした。もし客室で隔離されていれば、マスクを着用できていれば、ここまで感染が広がる前に食い止められたのではないかと思います」

クルーズ船の運航会社は、当初はウイルスや感染の兆候は確認されていなかったと説明しています。

クルーズ船の乗客には日本人1人も含まれていて、心配される日本国内への感染拡大。厚生労働省は「仮に感染した乗客が日本に入国した場合であっても、国内でヒト-ヒト感染により感染拡大する可能性は低い」などとして冷静な対応を呼びかけています。