浙江省杭州市のエンボディドAI応用パイロット試験拠点の展示ホールで、コーヒーを運ぶロボット。(4月17日撮影、杭州=新華社記者/朱涵)

 【新華社杭州4月29日】中国浙江省杭州市のエンボディドAI(身体性を持つ人工知能)応用実証拠点の展示ホールでこのほど、ロボット「バリスタ」がコーヒーをテーブルまで運び、見学者からは「SFが現実になったようだ」との声が上がった。展示ホールでは、電力巡回点検や坑内作業、飲食サービス、無人スーパーなどの活用例も紹介され、未来の生活や生産現場を思わせる光景が広がった。

 同拠点は、複数のテクノロジー企業や製造業企業が共同で整備したもので、技術革新と産業化をつなぐ場となっている。運営会社、杭州具身智能中試基地科技の李興騰(り・こうとう)副総経理は「実際のシーンと仮想シミュレーションを組み合わせた試験・検証モデルを導入している」と説明した。現在は87ブランド、136台のエンボディドAIロボットが集まり、応用シーンの不足や実測環境の不足といった課題の解消を目指しているという。

浙江省杭州市のエンボディドAI応用パイロット試験拠点の展示ホールで、コップを積み重ねるなど細かな動作を実演するロボット。(4月17日撮影、杭州=新華社記者/朱涵)

 拠点では企業向けに、データやオープンな演算資源、シーン検証、試験・検証などのワンストップ型サービスを提供し、研究開発のハードルとコストの引き下げを図っている。従来は単一の応用シーンを開発するだけでも、学習用データの整備に数千万元(1元=約23円)規模の投資が必要で、資源も分散していたが、現在は拠点内で低コストかつ集約的に必要な資源を確保できるようになった。

 杭州市は近年、エンボディドAI分野で先行的な取り組みを進め、産業チェーン全体にわたる制度支援の仕組みを整えてきた。ロボット関連企業は200社余りが集積しており、宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)など世界的な注目を集める企業もある。(記者/朱涵)

浙江省杭州市のエンボディドAI応用パイロット試験拠点の展示ホールで、実際の動作でロボットのデータ収集、トレーニング、テストを行うスタッフ。(4月17日撮影、杭州=新華社記者/朱涵)
浙江省杭州市のエンボディドAI応用パイロット試験拠点の展示ホールで、ポップコーンを紙コップに入れるロボット。(4月17日撮影、杭州=新華社記者/朱涵)
浙江省杭州市のエンボディドAI応用パイロット試験拠点の展示ホールで、実寸で再現したパソコン工場で働くロボット。(4月17日撮影、杭州=新華社記者/朱涵)