【新事実】つまめる皮下脂肪より危険?内臓脂肪との「2つの違い」と知られざる健康リスク
内臓脂肪と皮下脂肪は、同じ体脂肪でありながら、蓄積される場所や健康への影響に明確な差があります。それぞれの特性を正しく理解することで、より的確な対策を選択することが可能です。両者の違いを把握することは、自身の身体の状態を客観的に評価するうえでも役立ちます。ここでは、各脂肪の特徴と健康リスクについて詳しく説明します。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
内臓脂肪と皮下脂肪の特徴の違い
内臓脂肪と皮下脂肪は、どちらも体内に蓄積される脂肪ですが、その性質や健康への影響には明確な違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、適切な対策を講じることができます。
蓄積される場所と見た目の違い
内臓脂肪は、腹腔内の臓器周辺に蓄積される脂肪を指します。主に肝臓や腸、膵臓といった内臓の周囲に存在し、外見からは判断しにくい場合もありますが、お腹が張り出している場合には内臓脂肪が多い可能性があります。一方、皮下脂肪は皮膚の下に蓄積される脂肪で、指でつまむことができるのが特徴です。二の腕やお尻、太ももなど、身体の広い範囲に分布しています。
内臓脂肪は、体型としていわゆる「りんご型肥満」を形成しやすく、特に男性や閉経後の女性に多く見られます。これに対し、皮下脂肪は「洋ナシ型肥満」といわれ、比較的女性に多い傾向があります。見た目の違いだけでなく、健康リスクの面でも両者には差があり、内臓脂肪の蓄積は生活習慣病のリスクを高めることが明らかになっています。
代謝活性と健康リスクの差
内臓脂肪は代謝が活発で、エネルギーの出し入れが行われやすい特性を持っています。そのため、適切な生活習慣の改善により比較的短期間で減少させることが可能です。しかし、内臓脂肪からは生理活性物質が多く分泌されており、これらが血糖値や血圧、脂質代謝に悪影響を及ぼすことがあります。具体的には、インスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病のリスクを高めたり、血管の炎症を促進して動脈硬化を進行させたりすることが報告されています。
一方、皮下脂肪は代謝的には比較的安定しており、健康リスクは内臓脂肪ほど高くないとされています。ただし、皮下脂肪が過剰に蓄積すると、関節への負担や身体活動の制限といった問題が生じる可能性があります。このように、内臓脂肪と皮下脂肪はそれぞれ異なる特性を持つため、健康管理の観点からは特に内臓脂肪の量を適正に保つことが重要です。
まとめ
内臓脂肪の蓄積は、生活習慣病のリスクを高める要因として知られていますが、適切な知識と実践により改善が期待できる問題です。食事や運動、睡眠、ストレス管理といった日常生活全般の見直しを通じて、内臓脂肪を効果的に減らすことができます。また、定期的に数値を測定し、自分の状態を客観的に把握することで、モチベーションを維持しながら取り組みを継続できます。サプリメントは補助的な手段として活用できますが、基本は生活習慣の改善にあることを忘れず、無理のない範囲で健康的な身体づくりを目指しましょう。気になる症状や数値の変化がある場合には、早めに医療機関を受診し、専門家の指導を受けることが大切です。
参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット|内臓脂肪型肥満
厚生労働省 e-ヘルスネット|メタボリックシンドローム(メタボ)とは?日本肥満学会|肥満症診療ガイドライン2022
日本動脈硬化学会|動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
