“時間をお金で買う”ファストパス、飲食店だけでなく病院にも
人は何分待たされたらイライラするのか。シチズン時計の調査によれば、病院は30分、役所は15分、コンビニのレジは3分、電話の保留は1分だそうだ。
しかし、長い行列ができている人気の飲食店では待ち時間10~20分程度で済まない店も珍しくない。日本人は列に並んで待つことに関して世界でもっとも寛容な人たちだと言われるが、その日本でも近年、ファストパスの導入が広がっている。
ファストパスとは、追加料金や事前予約により、長時間の行列に並ばず、優先的に案内される時間短縮(タイパ)のシステムだ。飲食店では2種類のファストパスが見られ、店に行ってみてその場でパスを購入するタイプと、事前にパスを購入するタイプだ。
あるラーメン店では「パス購入代500円×利用人数」が新たな売り上げとなり、そのおかげで原材料が高騰している今でも値上げしなくて済んでいるという。そして、この500円という料金が絶妙な設定で、仮に時間指定の無料整理券を配布してもドタキャンする人が出てくる。しかし、500円取ればそれは回避できる。
ちなみに、テレビ朝日系「モーニングショー」で視聴者アンケート(1000人)したところ、ファストパスの購入額は「500円まで」40%、「1000円まで」13%、「1500円まで」3%、「利用しない」43%だった。
病院でも導入
東京ディズニーリゾートの「プレミアアクセス」では1500~2500円なので、飲食店以外だと許容できる金額はまた変わってくるのだろう。また、観光地にある人気店の場合、観光客は使える時間が限られているため、ファストパスがかなり有効だ。
ファストパスは都内の病院にも広がっている。受付・会計・薬の受け取りまでをスマホで済ませる「スマートパス」というサービスがあるが、2025年3月から事前予約の際に追加料金500円を支払うことで優先的に受診が可能となった。診療時間まで約40分の差ができるそうだが、急な診療が必要な患者は優先されるという。
また、CBCラジオでタレントの北野誠が体験談を語っている。花粉症の時期に鼻の調子が悪くて耳鼻咽喉科へ行ったとき、受付で「ファストパスを使えますか」と言ったら、1000円多めに請求されたが、それで一気に早く受診できたという。
なお、オンライン診療ではファストパスを導入している医療機関がさらに広がっている。一般的な対面診療よりも時間が読みやすいからだろう。
文/横山渉 内外タイムス

