平成の恋愛を追体験できる『平成恋愛展』を取材

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約3000点の展示アイテムや体験を通じて、平成約30年の恋愛をたどる『平成恋愛展』を取材しました。再現された学校の教室や、懐かしのカセットテープ、ガラケー操作体験など、時代を彩ったアイテムが勢ぞろい。来場者に当時の苦労話や、甘酸っぱい“平成恋愛あるある”などをインタビューしました。

■“青春のあの頃”を再現…『平成恋愛展』とは

『平成恋愛展』とは、東京・六本木ミュージアムで開催中の“平成の恋愛”をテーマにした体験型の展覧会です。(6月28日まで開催)

会場内には、平成の恋愛を彩ったポケベルやガラケー、デジカメといった懐かしいアイテムが展示されています。さらに、当時の教室やファミレスの一部を忠実に再現したスポットもあり、来場者が“青春のあの頃”をそのまま追体験できるような空間となっています。

■懐かしい“平成の教室”

会場に入場し、最初のドアを開けると、そこには学校の廊下が広がっています。壁に貼られたポスターや忘れ物といった懐かしい掲示物の数々に、平成の“あの頃”へとタイムスリップしたような気分を味わうことができます。

そして教室に入る前に、“席替えのクジ引き”を行います。“どこの席になるんだろう?”、“好きな人の近くになれるかな?”など、当時のドキドキとした胸の高鳴りを懐かしむ人の姿も。

教室に足を踏み入れると、懐かしいミサンガやジャージ、さらには「練り消し」までもが置かれています。教室の後ろにある黒板にも、当時の空気感そのままの落書きが再現されており、隅々までこだわった展示となっています。

■8cmCDやカセットテープ…好きな人の家に電話をかける体験も

教室を出てさらに進むと、平成初期に流行した『8cmCD』や、お気に入りの曲を詰め込んだ自作の『カセットテープ』、ラジオ局への『手書きのお便り』などが並びます。

これらの展示品は、一部を除いて実際に手に取ることが可能。デジタル配信では味わえない、当時の手触りなど細かな部分まで堪能することができます。

■“誰が出るかわからない”ハラハラ感を体験

さらに、好きな人の自宅へ電話をかける『あの頃の固定電話』を疑似体験できるブースも設置されています。

まだ、携帯電話が普及しきっていなかった当時は、家の固定電話でやりとりし、相手の家族の誰が出るかわからないハラハラ感がありました。このブースに設置された電話も、家族の誰が出るかはランダム。今の時代ではなかなか味わうことができない、平成ならではの“あの緊張感”を体感することができます。

■ガラケーの普及で変化したコミュニケーション

ガラケーが普及していき、個人同士のコミュニケーションが劇的に便利になった平成中期。このエリアには多種多様なモデルの携帯端末が展示されており、そのすべてを実際に手に取ることができます。

さらに、実際にガラケーで写真を撮影したり、“赤外線通信”を体験することも可能です。カチカチとしたボタンの押し心地や、画素数の粗い独特の写りなど、当時のリアルな操作を楽しめます。

■スマートフォンの普及で恋愛にも変化が

その後、スマートフォンが普及し、コミュニケーションの形が進化した平成後期。恋愛のあり方もまた、SNSを中心に大きく形を変えていきました。

若者がこぞって使ったのが“クッキーを食べるくま”や、“キラキラしたピンク色のネズミ”に変身できる顔認証スタンプのスマホアプリ。こうしたアプリによる加工文化も平成後期を象徴しており、会場では“デジタルあるある”を振り返る展示も楽しむことができます。

■来場者の“平成恋愛あるある” 「アナログならではの経験」 

来場者に、展示で懐かしかったアイテムや平成の恋愛についてインタビューしました。

平成6年生まれ・現在31歳の来場者は、折りたたまれた手紙が懐かしかったと言います。「中学生の時に会ったことない後輩の男の子から、折りたたんだタイプのラブレターで“好きです”って入っていたことがあって。周りから冷やかされたりして、すごく恥ずかしかった」と当時を振り返り、「LINEとかだと周りにそういうのが知られることって、あんまりないと思うんですけど、アナログならではの経験だったなって思います」と、学生時代の思い出を明かしてくれました。

さらに、「折りたたみ式の携帯とかはやっぱり青春の思い出が詰まったイメージが一番あるなと思います」と語り、「インスタとかSNSって常につながっているっていうイメージがあるんですけど、(当時の)携帯でのやりとりって“いつ返事がくるかな”とか、“今何やってるかな”とか想像する“間”があるのがすごく情緒的でいいなって思います」と、現代と平成の違いを話してくれました。

そして、ちょうど中学・高校が平成世代だったという昭和62年生まれ・38歳の来場者は、当時の恋愛の醍醐味(だいごみ)について「(平成の恋愛は)コスパ重視とかではないので、手紙もどうやって渡そうかとか。メールとかLINEとかそんなにまだ今ぐらい普及しているわけではなかったので、手紙も共通の男子友達とかに“ちょっと渡しておいて”みたいな感じで、渡してもらったりとかハラハラしつつも楽しかった。今では逆に体験できない」と明かしました。

■平成の恋愛の苦労とは? 「今考えるとそれが楽しかった」 

当時、恋人とよく夜に電話をしていたという昭和57年生まれ・44歳の来場者は「夜の方が(通話料が)安いプランっていうのがあって。それでよく電話をかけたりとかしてて。けっこう長電話になっちゃったりして、“どっちが(先に)切る?”みたいな話をよくやってました」と振り返りました。

さらに、「携帯がない時だと、“どうやって話しかけよう”とかちょっとぶつかって“あぁごめん”とか、(話しかける)きっかけ作りが難しかったりとか。逆に今考えると、それが楽しかったな」と、当時の初々しい苦労話を明かしてくれました。

また、自身の平成恋愛あるあるについて平成3年生まれ・35歳の来場者は、「メールの返信Re:をどこまでためられるかみたいなのは、あるあるじゃないかなと思ってるんですけど。件名のところに返信するとRe:がたまっていくと思うんですけど。多ければ多いほど“好きな人と連絡が取れた”みたいな、実績に見えてすごくためるように頑張っていました」と語りました。