小池都知事の評価が爆上がりか…非難ごうごうだった「新築住宅への太陽光設置」が石油ショックで好評価に
電気料金が早ければ6月以降に上がる見込みだ。ホルムズ海峡封鎖によって日本のエネルギー安全保障のぜい弱さが浮き彫りとなる中、東京都の小池百合子知事が主導した「新築戸建て住宅の太陽光パネル設置義務化」を評価する声が高まっている。
東京都では2025年4月から新築住宅等への太陽光発電設備の設置を義務付ける制度が始まっているが、この条例が議論されていたときは賛否両論で、おそらく批判の声の方が大きかった。
設置基準はすべての新築住宅ではないにもかかわらず、「義務」という強制力のある言葉によって、誤解されている意見が多数だった。また、太陽光パネルの多くが中国製であるため感情論も散見された。
そもそも、東京都がこの制度を導入したのは、地球環境問題を鑑みてのことだ。環境局の調査によると、都内CO2排出量の7割以上が建物内でのエネルギー使用によるもので、その内訳として一般家庭のCO2排出量が3割近くを占めている。2050年CO2排出実質ゼロ(ゼロエミッション)に向けて、東京も何とかしないといけないということだった。
2022~23年当時、米・イスラエルがイランを攻撃する事態を小池知事は予想していなかっただろうし、それによってホルムズ海峡が封鎖されるとも思っていなかっただろう。3月下旬の定例会見で小池知事は第3次石油危機を警戒し、「今回はきつい。エネルギー小国であるわが国のこれまでの歴史の中で一番大きなアキレス腱」と話した。
脱炭素社会構築が目標の政策でも、結果として、地域主導の再エネモデル構築の政策となり得るわけで、化石燃料に依存した国のエネルギー政策をあらためて考える一助となるなら“結果オーライ”である。
化石燃料依存を続ける高市総理は批判の的
一方、小池知事の再エネ増進策とは対照的に、ガソリン補助金で化石燃料依存を続ける高市早苗首相には批判が多い。経済産業省の官僚だった古賀茂明氏は「AERA DIGITAL」(朝日新聞出版)でこう指摘する。
「ガソリン価格を下げれば、需要増に作用する。石油輸入量が減少せず、輸入価格は上昇しているから輸入金額が増え貿易収支は悪化する。それは通貨安を招き、物価は上がりガソリン価格も上昇する。悪循環に陥り、どこかでこれを続けることができなくなる。日本のように、ガソリン価格を何もなかったかのように以前の水準に引き下げる政策を対策の中心に置く国はない。これは最悪の政策だ」
ガソリン補助金を出す財政的余裕があるのならば、高市総理はその予算を日本発の次世代エネルギー技術「ペロブスカイト太陽電池」に振り向けてはどうか。これを一刻も早く実用化することで、脱化石燃料依存を推進し、再エネで日本の国家安全保障を守ることにつながる。そして、中国メーカーに席巻された世界の太陽光発電市場を奪い返すこともできるだろう。
文/横山渉 内外タイムス
