「ばけばけ」ロス広がる「絶対泣くもんか」眄个△り涙…トキ&ヘブン今生の別れ“無音30秒”演出の狙い
女優の郄石あかり(23)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は24日、第122回が放送され、英俳優トミー・バストウ(34)が熱演してきた主人公・雨清水トキの夫レフカダ・ヘブン(雨清水八雲)の最期が描かれた。涙の視聴者が続出。インターネット上には“ヘブンロス”が広がった。制作統括の橋爪國臣チーフ・プロデューサー(CP)に撮影の舞台裏を聞いた。
<※以下、ネタバレ有>
「バイプレイヤーズ」シリーズやNHK「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」など会話劇に定評のある、ふじきみつ彦氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算113作目。松江の没落士族の娘・小泉セツと、その夫で日本の怪談を世界に紹介した明治時代の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルに、怪談を愛してやまない夫婦の何気ない日常を描く。
第122回は、雨清水トキ(郄石あかり)とレフカダ・ヘブン(雨清水八雲)(トミー・バストウ)は子どもたちの遊ぶ様を見守る。庭には、季節外れの桜。返り咲きの桜に、ヘブンは来日した日のことを思い出し…という展開。
クマ(夏目透羽)によると、返り咲きは不吉の知らせ。翌日の食事時、ヘブンは魚の小骨取りをトキにお願い。花田旅館の花田平太(生瀬勝久)に、苦手な糸こんにゃく。夫婦は昔を懐かしむ。
夕方、トキとヘブンは西向きの部屋の縁側に座り、美しい夕陽を眺めながら静かに語り合う。
ヘブン「キノウ、サイタノ、サクラ、ワタシニ、サヨナラ、イウタメ、サイタ」「オボエマシタネ?シヌトモ、ナク、ケッシテイケマセン」
トキ「はい、子どもとカルタして遊びます」
ヘブン「ネガイマス」
トキ「カルタ終わったら、スキップします。勲、できるようなるまで。それから、テテポッポ、カカポッポ、真似して。虫捕まえて。子どもたち、大人なったら、ビア飲んで酔っ払います。ようけ酔っ払ったら、またスキップします」
ヘブン「ナンボ、スバラシ」「シツレイナガラ、オサキ、ヤスマセテ、イタダキマス」
トキ「失礼ないです。お休みくだされ」
ヘブン「アリガト」
ヘブンはトキの右肩に頭を乗せ、寄り掛かる。トキの目から大粒の涙。握り合う2人の手。
小泉八雲が「西」「夕焼け」を好んだのは史実。橋爪CPは「最終盤でトキとヘブンの夕日のシーンは何かしら作りたいと考えていました」と当初から想定。結果、2人の軌跡が凝縮された「夫婦の愛の結晶」のような名場面が生まれた。
ヘブンの遺言「シヌトモ、ナク、ケッシテイケマセン」の通り、郄石は「絶対泣くもんか」と語っていたというが、本番は涙だった。
紅葉が舞った後は虫の音も聞こえなくなり、無音が約30秒続いた。最終週を担当したチーフ演出・村橋直樹監督のアイデアで、橋爪CPは「ここは音楽がないからこそ、2人の一番深くにある思いを感じていただけるのではないでしょうか」と夫婦の今生の別れにおける狙いを明かした。
オンエアは残り3回。トキとヘブンが歩んだ“夫婦道”も終着地が近づく。
