スポニチ

写真拡大

 ◇「ばけばけ」松野(雨清水)トキ役・郄石あかりインタビュー(1)

 俳優の郄石あかり(23)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)も残り1週(5回)。23日から最終週(第25週)「ウラメシ、ケド、スバラシ。」に入る。主人公・トキと夫・ヘブンの物語もフィナーレ目前。朝ドラ初出演にして初主演を全うした郄石に、約10カ月間にわたる撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「バイプレイヤーズ」シリーズやNHK「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」など会話劇に定評のある、ふじきみつ彦氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算113作目。松江の没落士族の娘・小泉セツと、その夫で日本の怪談を世界に紹介した明治時代の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルに、怪談を愛してやまない夫婦の何気ない日常を描く。

 郄石は昨年4月2日に京都ロケでクランクイン。2月7日にクランクアップを迎え、約10カ月の長丁場を無事完走した。

 「一番に思うのは『ばけばけ』でよかったな、ということです。『ばけばけ』だったからこそ、楽しかったと言えるんだと実感しています」としみじみ。「題材・物語、キャスト・スタッフの皆さん、私にとってすべてが完璧、すべてがフィットした作品で夢の朝ドラヒロインをやらせていただけたということが、奇跡だと思っています。全員が全員のことを尊敬し合える現場で、本当に貴重な経験をさせていただきました」と感慨深げに振り返った。

 タイトルになぞらえて「自身が“化けた”点は?」の質問には「台詞覚えのスピードが相当早くなりました。これは確実に変わったと言えます」と即答。主演は全125回出ずっぱりで、台詞量も膨大。「月曜日にリハーサルがあって、火曜日から金曜日に撮る分を一回通してやるんです。台本を持って台詞を確認しながらでもOKなんですが、私は頭に入れておきたいタイプなので、そうなると、もう大変で(笑)。覚えにくい台詞があっても、そんなことを言っている時間はありませんし。これが朝ドラの洗礼なのか、と。『ばけばけ』に入る前より200倍ぐらい早く覚えられるようになったと思います(笑)」と自身の成長ぶりに手応えを明かした。

 制作は大阪放送局で、郄石も大阪で生活。自炊が習慣化したのも、変化の一つとなった。

 「それまでも自炊はしていたんですが、自分の中でどこか一個ハードルがありました。でも今回は、1年間絶対健康でいることが一番の任務。なので、食事だけは疎かにしないように心掛けて、実践できたと思います。おかげで、今も自炊は続けています」

 第120回(3月20日)、夫婦の共同作業の末、ついに「怪談」が完成。歓喜に包まれたが、続く次週予告は自分に寄り掛かるヘブンの手を握り、トキが涙…。史実としては、1904年(明治37年)4月に「怪談」が出版され、同年9月に小泉八雲は天に召された。今作はどのような結末を迎えるのか。

 苦楽を共にした“相方”トミーについては「とても自由で、優しくて、チャーミングな方。それが全部、ヘブンの人物像に表れていて、説得力を与えていたと思います。怒ると怖い、けど、かわいらしい。トミーさんだったからこそ、あんなに魅力的なキャラクターが生まれたに違いありません」と絶賛。

 「私は、もし自分の中に何か凝り固まったもの、例えば固定概念みたいなものがあれば、そういうことにとらわれず、柔軟に変えていきたいタイプなんですが、トミーさんは最初からそういうものがない、全部取っ払っている方。だから台詞も生きた台詞で、トミーさんの人間性に憧れています。初めてお会いした時から気が合いましたが、劇中で夫婦になって、より信頼感が深まっている、お互いの支えになっている感覚はありました。そうなれたのは、お芝居を通して、お互いの心を知るから、それを積み重ねていったからだと思います」

 最終週「ウラメシ、ケド、スバラシ。」は、その集大成になる。

 =インタビュー(2)に続く=