竹内涼真さんが『あさイチ』プレミアムトークに登場。作品にかける思いを語る「28歳。〈かっこよく見られたい〉という欲は消えました」
2026年2月6日放送、NHK『あさイチ』のプレミアムトークに竹内涼真さんが登場。これまでの作品への思いなどを語るほか、仲良しの二宮和也さんが語る竹内さんの魅力も。そこで、竹内さんが初めての舞台についての意気込みを語った『婦人公論』2021年5月11日号の記事を再配信します。*****2013年のデビュー以来、話題作への出演を重ねて着実に存在感を増してきた竹内涼真さん。今、初挑戦となるミュージカル出演を控え、トレーニングの大切さを痛感していると言います(撮影=小林ばく 構成=上田恵子)
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ギリギリの現場から吸収したこと
あらゆることが変化した2020年から2021年にかけて、撮影の現場も様変わりしました。21年3月、主演を務めたドラマ『君と世界が終わる日に』がクランクアップを迎えたのですが、半年に及ぶ撮影を無事に完走できたことにホッとしましたね。コロナ禍で制約があるなか、スタッフのみなさんの尽力で、僕ら役者陣はのびのびと芝居に打ち込むことができた。素晴らしいチームに巡りあえたことに感謝しています。
走って、闘って、傷だらけになるシーンが多かったのですが、その前に撮影した「太陽は動かない」シリーズもそうでした。けれど、以前から本格的なアクションに挑戦したかった僕としては願ってもない状況。タフな男という役柄に説得力を持たせるため、筋トレと食事で入念に体づくりをして臨みました。
アクション映画で大がかりな撮影をする際、演じる側はちょっと試されている気分になります。ベテランのスタッフたちに「こちらは準備できた。さあ好きにやってくれ!」と言われている気がして(笑)。「太陽〜」の時も命懸けのシーンが何度もあったのですが、あそこまで完璧にセッティングしていただいたら、怖いとか言ってる場合じゃない。やるしかないんですよ。
でもそういうギリギリの現場を経験したからこそ、いろいろなことを吸収できたし、自分なりに成長を感じられるところまで行けたのだと思います。
舞台で味わう未知の感覚
チャレンジと言えば今回、初めての舞台、しかもミュージカルに挑戦することになりました。タイトルは『17 AGAIN(セブンティーン・アゲイン)』。高校時代はバスケットボールのスター選手だったのに、結婚生活も仕事もうまくいかず、娘と息子から負け犬呼ばわりされ、サエない人生を送っている35歳の主人公・マイクを演じます。
彼はある日、不思議な現象に巻き込まれ、気づいたら17歳だった頃の自分に戻っていて……というファンタジックなストーリーです。歌やダンスシーンはもちろん、17歳と35歳という年齢の演じ分けも見どころのひとつになると思います。
ボイストレーニングも始めました。もともと歌は好きだけれど、ミュージカルはまったくの別物。1幕の終わりに歌うロック調の曲があるのですが、レッスンを始めた最初のうちは途中で声が出なくなり、ラストまで歌いきれなかったくらいです。でもトレーナーの方に指導していただくうちに、いつの間にか歌えるようになってきて。やっぱり基本のトレーニングって大事だなあと痛感しましたね。
また、これまで映像の仕事では、共演者のセリフや動きに反応する形で芝居をしてきました。でも舞台の場合は、そこにもうひとつ観客という存在が加わることになる。巻き込むべきものが増えるとどんな状況になるのか、僕には未知の感覚です。本番までの稽古で何度も失敗を重ねながらつかんでいくしかないのかなと思っています。
過去に観劇したミュージカルのなかで特に印象に残っているのは、ロンドンで観た『レ・ミゼラブル』ですね。長時間の公演にもかかわらず、夢中で観ているうちにあっという間に終わってしまった。しかも歌とセリフの境目が全然わからないんですよ。あれはいったい何だったんだろう……と、今でも思います。本当に素晴らしい舞台でした。
もしも僕が過去に戻れたら
『17 AGAIN』では、「俺の人生、こんなはずじゃなかったのに」と嘆く主人公が、17歳だった頃に戻り、自分と家族の人生を立て直すために奮闘します。でも僕自身は、過去に戻ってやり直したいとは思わないんですよね。なぜなら、今がすごく楽しいから(笑)。その一方で、もしも現在のモチベーションを維持したままで戻れたらどうなるだろう、とも思います。
17歳の僕はサッカーに打ち込む高校生でしたが、精神面が弱かったんです。今でこそ何かあっても前向きに受け止められるようになりましたけど、あの頃の僕にはできなかった。17歳の自分に現在のポジティブさがあったら、その後の進路も違っていたかもしれません。
ただ、人間の根本的な部分って、そう簡単には変わらないんですよね。今でもふとした拍子に、ネガティブな自分が顔を出すこともあります。でもそういう時は、あえてキツい筋トレをして気持ちを切り替えるか、それでも浮上できない時は、気心の知れた友達と会うようにしています。僕のことを冷静に見てくれる第三者と話すことで、また前を向くことができる。自分を客観視する時間を持つことは、本当に大切だなと思います。
現在28歳。今は、芝居をすることが何よりも楽しい。正直2〜3年前までは、感覚で演じているようなところがありました。もちろん、その時々で精いっぱいやってきたつもりですが、思い返してみると結構甘い。今やっと役者として入り口に立てた気がしているので、ここからなんですよね、僕は。
もはや以前のように、「かっこよく見られたい」という欲も消えました(笑)。今後は年齢的にも、背負うものが多い役が増えてくると思います。これまでのキャリアをひとまず忘れて、一からチャレンジするつもりで頑張っていきたいです。
