【英語学習のお悩み解決Q&A】#5 受験はあなたの可能性を広げるチャンスです。

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中高生にとって英語学習は、興味のあるテーマであると共に、大きな悩みの種でもあります。その悩みも、「英語の文法が苦手」「長文が読み解けない」など人それぞれ。そこで、中高生が抱えるさまざまな悩みに、英語のプロフェッショナル 東進の大岩秀樹先生に答えていただきます。

連載の最終回の今回では、高校生が最も気になる「大学受験」に向けた学習法のアドバイスや「保護者ができること」について教えていただきます。「受験勉強って本当に必要なの?」と疑問に思っている人は必読です。

【前回の記事】
#4 長文の読解力、スピードアップの秘訣は「音読」にあり!

Q. 大学受験をする予定です。学習スケジュールでは何を意識すればいいでしょうか。

A. 焦らず基礎固めから。基礎力は応用力です。

(大岩)この連載で、「基礎が大切」と繰り返しお伝えしてきた通り、高校1、2年生のうちは文法や語彙力などの基礎固めをしっかりとする必要があります。「志望校が決まったから、すぐに過去問演習!」ではなく、まず基礎力が大切です。よく生徒には「基礎問題が簡単。応用問題は難しいということではなく、基礎問題は1つの知識で解答可能な問題。応用問題は2つ以上の基礎知識を総合して解答する問題」と伝えています。それだけ基礎は大切です。しっかり身に着けて、わからないことがあれば、中学校のレベルまで戻ってでも見直してみましょう。

また、高校1、2年生のうちは、学校の授業でもリスニング学習が比較的多く、これに伴ってスピーキングも多い傾向にあります。スピーキングは英語に対する反射神経やアウトプットの力を鍛えられ、英作文と同じでリーディングやリスニングの力にもなるので、意識して取り組みましょう。

学習スケジュールは志望校やそれぞれの事情によって異なりますが、「高校2年生までは基礎固めで、3年生で過去問演習を取り入れていく」くらいのスケジュールが基本になると思います。

早めのうち(高校1年生)から模試などを活用して大学受験を意識しておくこともおすすめです。

Q. 模試になると緊張して、いつもの力が出せません。わからない単語があるとフリーズしてしまいます。

A. 緊張するのは当たり前。わからない単語があるのも当たり前。「当たり前にできる」を増やして自信を持とう。

(大岩)テスト範囲の決まっている学校の定期試験とは異なり、共通テストや模擬試験では、テストで初めての英文(問題文)を読むことになります。中には習っていない、意味が分からない単語もあるでしょう。

私は生徒に「分からない単語や、単語の意味は知っていても、和訳したときにニュアンスに違和感があるときはスルーして読み進めて」と伝えています。それは多くの問題文は、前半に抽象的で全体像が分かりにくく、後半になるにつれて次第に具体的に説明する構成になっているからです。そのため、わからない単語一つに立ち止まることなく、先へ先へと読み進めることが大切です。わからない単語が出てくると途中で不安になって考え込んでしまうのではなく、一通り読めば全体像と問題文の主張が理解でき、読み解けます。

ただし、単語の習得も基礎が大切。わからない単語が多すぎるのも困りものです。志望校に合わせて英検3~準2級レベルまで意味が分かり、書けることを目安にしましょう。

受験本番は、緊張している中でどれだけ実力が発揮できるかが勝負です。わからない単語があっても、そこだけに気を取られないように、「当たり前にわかる」部分をどんどん増やしていきましょう。

Q. 模試や過去問題の活用法や活用のタイミングを教えてください。

A. 模試の活用ポイントは学年ごとに少しずつ変化します。過去問を活用して、志望校の出題傾向の把握と自分の弱点を発見しよう。

(大岩)知らない会場で周囲に知り合いもいない状態で受ける模擬試験(模試)は苦手という人もいることでしょう。しかし、模試は自分の学力を試すだけでなく、受験に慣れるという側面でも有効です。たとえばリスニングテストでは、会場によって聴こえ方が異なることも実感できます。スピーカーの音が割れて聞き取りにくかったり、音がこもって聞こえることもあるでしょう。自宅や塾、予備校などの慣れた環境とは異なる場所で受験することに慣れておきましょう。

模試と過去問題を目的に合わせて活用
模試にはさまざまな種類があるので目的に合わせて選択しましょう。
全国模試では、校内の成績の良し悪しに関わらず、全国レベルでの「現在の」自分の学力を知る良い機会になりますよ。

また、できれば早め(高校1年生)から取り組めるといいですね。定期的に受験していれば自分の力がどの程度伸びたか、自分の不得意なところ(弱点)が可視化できます。受けっぱなしで終わらせず、結果を必ず見直して、弱点を復習するのが大切です。

受験勉強が本格化する高校3年生ともなれば、1ヶ月単位で学力がぐんと伸びる時期です。志望校別や共通テスト対策など、目的に応じて短いスパンで取り組んでほしいです。

一方、過去問演習は、志望校の過去問題にチャレンジすることで、志望校がどのような傾向の問題を出題するか分かり、対策に役立ちます。できれば、4年~10年分の過去演習は取り組みたいです。そうすると自分の弱点を洗い出せて、克服する学習へとつながります。

しかし高校1~2年生はやはり基礎の習得が大切なので、焦る必要はありません。基礎をしっかり習得して、過去問演習を取り入れましょう。


受験はあなたの可能性を広げるチャンスです。

受験を通して身に着けた知識と経験は、将来、必ず自分自身の助けになってくれるものです。つまり受験はあなたの可能性を広げるチャンスです。辛い時期も必ずありますが、前向きに取り組んでほしいです。

保護者の方にお願いです。子どもたちが学習を頑張っているときは、保護者の方もスマホやテレビの前から一歩離れて、「私も苦手な〇〇を頑張るね」という姿勢を見せてあげてください。親も「一緒に」頑張る姿に、子どもたちは励まされるものですよ。学校、家庭、予備校そして支え合うライバルである友人など、「皆で乗り越える」という感覚を持ってほしいです。

大岩秀樹(おおいわ・ひでき)
東進ハイスクール・東進衛星予備校の英語科講師。基礎講座から難関大向け講座まで多数担当し、応用問題にもしっかり対応できる「本物の基礎力」にこだわる授業を行う。中学生・大学生向けの講座も多数担当しており、大学入試にとどまらない未来へつながる英語指導を心がけている。著書は50 冊以上。

取材協力:株式会社ナガセ(東進ハイスクール・東進衛星予備校)
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