大気圏で燃え尽きるロケットや衛星、金属粒子を大量放出しているかも
燃え尽きるから大丈夫…ではない?
寿命を迎えたロケットや人工衛星は、跡形もなく大気圏再突入時に燃えてしまいます。もし燃え残って次々と地上へ落下してきたら大変なことになってしまいますけど、でも、たとえそうならなくても大きな環境問題を引き起こしているとの懸念が高まっているのです。
大気中に残る金属の粒子
このほどNatureには、2月19日に制御不能で欧州上空への大気圏再突入となったFalcon 9ロケットが、どのような影響を上層大気に残したか調査した研究論文が掲載されました。ドイツのザクセン州にあるレーザー観測所において、大気圏への再突入時にロケット上段部が通過していった軌道周辺を測定。大気中の粒子構造などを調べました。
その結果、Falcon 9ロケットの大気圏再突入から約20時間が経過した上層大気から、通常の10倍のリチウム原子の濃度を検出。リチウムによって汚染された雲が、上空94〜97kmのエリアに広がっていたことが確認されています。
ロケットの機体に使用されていたリチウムアルミニウム合金が、大気圏内で燃焼したため、同エリアへ金属粒子が大量に放出されてしまった証拠だとされています。
地球環境への影響は?
人工衛星やロケットが大気圏を通過する際、大気の構成を変化させ、リチウム、アルミニウム、銅、鉛といった金属の粒子をまき散らしているとの指摘は、以前からありました。ただ今回のように、1度のロケット大気圏再突入が上層大気に残す影響を計測した実験は、非常に珍しいとされています。
ドイツのロストック大学のライプニッツ大気物理学研究所にて、衛星汚染などの問題の研究に携わっているRobin Wing博士は、天然の宇宙塵には存在しない数多くの要素が、いわゆる宇宙ゴミに含まれていることを懸念。大気圏内での燃焼で金属の粒子として漂うなら、具体的に地球環境へどのような影響がおよぶのか、今後の研究での解明が求められていると語りました。
いまや衛星の大気圏再突入は、昔なら考えられなかったスケールで生じるようになっています。いっそ燃えないようにすることで大気を守ろうなんて奇抜な発想まで出てくる始末。宇宙開発と隣り合わせの悩ましい問題として、これから議論されていきそうですよね。
Source: Nature

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