ものを減らさなければと思うのに、思い出の品がどうしても捨てられない…そんな経験はありませんか? 「思い入れのあるものは、ゴミとして捨てる以外の方法を探しました」と話すのは、夫と義母のシニア世代3人で暮らす整理収納ドバイザーの原田さよさん(現在60代)。今回は、原田さんが実践した「罪悪感なくものを手放す方法」について、パターン別にご紹介します。

1:思い出の品を捨てるのにためらいがあるとき

人生も後半に入ってくると、家の中の“思い出のもの”が気になり始めます。子どもが独立する前から、少しずつ思い出の品を手放し始めている方もいれば、かつての私のように、まだその一歩を踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

【実際の写真】60代、寄付してよかったと感じているもの

「こんなにたくさんは置いておけないけれど、思い出のあるものを捨てたくない…」そんな気持ちがあったとき、私は“ゴミとして捨てる”以外の方法を探しました。

●寄付という選択

子どもたちが使っていたぬいぐるみやオモチャは、丁寧に洗って、とあるNPO法人に寄付しました。「だれかに使ってもらえるならうれしい」と思えるだけで、心が軽くなったのを覚えています。

また、以前、片付けセミナーに参加してくださった方は、息子さんの衣類を近所の高校で引き取ってもらったそうです。たまたま催しを知って問い合わせたとのことで、とてもうれしそうに話してくれました。普段から地元の情報をチェックしておくのも大切ですね。

●知っている人に託す

渡す先をひとつに決めず、いろいろな立場の人に使ってもらうのもおすすめです。

私は、子どもの絵本制服体操着などを、知り合いの若いママさんや近所の方に差し上げました。うちの子たちは絵本にあまり興味を示さなかったので、きれいなまま残っていたのです。

制服の方は、立ち話をしているときに出たのがきっかけでした。「もらってもいい?」と言ってもらえたことで、こちらまでうれしい気持ちになったのを覚えています。

思い出のあるものは、“捨てるか残すか”の2択ではありません。「だれかに託す」という第3の選択肢があるだけで、罪悪感がやわらぎます。

2:まだ価値があるものを捨てるのが惜しいとき

「私にはもう不要だけれど、まだ価値があると思うものを捨てるのは惜しい…」そんなときは、その価値をわかってくれる人に渡る方法を選びました。

たとえば趣味のものなどは、ネットオークションやフリマアプリで販売。お金が入るのもうれしいのですが、それ以上に、「これを活かしてくれる人に必ず届く」と思えるのが励みになりました。

惜しいという気持ちは、価値を理解してくれる人に渡ることで感謝に変わり、元の思い出に、より楽しい思い出がたされたように感じました。

3:いただきものを手放すのに抵抗があるとき

ひな人形や鯉のぼりなど、「飾らなくなっているし保管場所にも困る」、「親や親戚からもらったものだから捨てられない」そんな理由で手放せないこともありますよね。この場合も、それまでの考え方を変え、寄付や供養という形で手放してきました。

娘のひな人形は、お寺へ持っていって供養してもらいました。郵送でも受けつけてもらえたのですが、たまたま娘夫婦と予定が合い、一緒に行くことに。結婚が決まったあとのことで、これもまたひとつの思い出になりました。

息子の鯉のぼりも、大阪高槻市へ寄付という形で手放しました。

いただきものは、受け取った時点で大半の役目は終えていると考えると、前向きに手放せます。お祝いとしていただいたものの処分は人によって考え方が違うものですが、私は、ひな人形と鯉のぼりを手放したとき、「親としてひとつの区切りを迎えたのだな」と思えました。

50代〜60代の片付けは「なにを残すか」も大切

50代〜60代の片付けでは、なにを手放すかと同じくらい、「なにをどう残しておけば、自分は満足できるのか?」を考えることも大切だと思っています。

60代になった私自身も、残すと決めたものを大事にとっておくだけでなく、目につく場所に飾ったり、手に取って眺めたりして、自分の励みにしています。罪悪感を少しずつほどきながら、自分のペースで進めていけるといいですね。