戸郷は「開幕ローテ入りすら微妙」、岡本の穴は「埋まらない」…メディアが報じない「巨人」の苦境 しかめっ面の「阿部監督」 選手からは「松井さんにずっといてほしい」との声も
春季キャンプが終盤に入り、巨人は大きな故障者を出すことなく順調な仕上がりに見える。ただ、内情を聞いてみるとメディアでは報じられていない不安要素が。投手陣は層の薄さが顕著に見られ、野手陣も岡本の穴が埋まらない。さらには、中畑清OB会長からは覇気やファンサービスが欠如した姿勢に喝が入れられた。就任3年目の阿部慎之助監督はV奪回に向け、険しい道のりが待ち受けていることは間違いない。
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則本と田中の状態
22日のオープン戦・中日戦。大きく取り上げられたのはFA加入した則本昂大、移籍2年目を迎えた田中将大の「楽天コンビ」の快投だった。先発登板した則本が2回をパーフェクトに抑える快投を見せると、3回から登板した田中将も最速146キロの直球を武器に完全投球と順調な仕上がりぶりをアピールした。

投球を視察した他球団のスコアラーは以下のように分析する。
「順調に来ているんじゃないですかね。田中将は巨人に移籍して新しいフォームがなじんできた感じがします。ただ、2人の全盛期を見ているので直球の威力は落ちたなと。そこまで脅威には感じないですね」
阪神だったら1軍にも残れない
春季キャンプは新戦力がメディアで大きく取り上げられる。これは巨人に限った話ではない。則本や新外国人の先発3投手、ドラフト1位左腕の竹丸和幸を評論家が絶賛するコメントが見られる。巨人の番記者は「この時期から暗いニュースは書けませんよ」と苦笑いを浮かべた上で、不安要素を口にする。
「則本は楽天でリリーフに回っていましたが、直球の被打率が高かった。先発に回ってこの課題をどう解消するか。35歳と無理が利く年齢ではない。7、8勝挙げれば十分でしょう。田中将が先発ローテーションに入る投手事情だと厳しい。阪神だったら1軍に残れないでしょう。最も心配なのが戸郷翔征です。直球が走らず、制球も定まらないためキャンプ中盤に異例のフォーム修正を決断しました。エース復権を期待したいですが、現時点では開幕で先発ローテーションに入るか微妙です」
竹丸に過度な期待は禁物
実戦で好投を見せている竹丸についても、アマチュア時代から取材するライターは「過度な期待は禁物です」と警鐘を鳴らす。
「竹丸は社会人野球の鷺宮製作所で長いイニングを投げ切った経験が多くない。スタミナが課題で、相手打線が3巡目以降につかまるケースが多かった。まだまだ発展途上の投手で、1年目から2ケタ勝利を期待できる即戦力投手という位置づけは過大評価だと思います」
打線もオープン戦を見ると、岡本和真の抜けた穴の大きさを感じさせられる。22日の中日戦では10安打で3得点と拙攻が目立つ形に。坂本勇人、丸佳浩に衰えが見られる中で、昨年日本ハムで66試合出場し、打率.188と精彩を欠いた松本剛をFAで獲得してセンターの最有力候補である現状に寂しさを感じる。
中畑OB会長の苦言
野球に向き合う姿勢にも疑問が投げかけられた。中畑清OB会長は評論家を務めるスポニチの紙面で、3軍を訪問してあいさつした際に選手たちの反応が薄かったことを指摘。1軍キャンプにも以下のように苦言を呈していた。
「前日は1軍キャンプで寂しい思いをした。サンマリン宮崎で行われた午後のフリー打撃。新人がユニホームじゃなく、背番号のついてない練習着で打ってるから誰が誰だか分からない。『あれ、誰?』のオンパレードだ。日曜日のキャンプ初日。スタジアムに足を運んでくれたお客さんに対する配慮がなさすぎるよ。『ただ今、左のケージで打っているのはドラフト何位で入団した誰それ選手です』という場内アナウンスがあったりさ。電光掲示板に表示してもいい。かつては場内アナウンスで説明したり、たしか長嶋監督の時代に監督自らマイクを持ってお客さんに説明したこともあったように思う。キャンプは新人の名前、背番号を覚えてもらう格好のチャンス。巨人は選手も球団も『アピール』についてもっと考えてもらいたい」
前出の巨人を取材する番記者は「中畑さんの指摘はおっしゃる通りです」と同意する。
「球場を訪れたファンは背番号を見ても選手の名前が出てこないので、スマホで確認していました。昔のようにスター選手がそろっている時代ならともかく、ファンに選手を知ってもらう取り組みは重要です。生え抜きの選手が目立たず、外様の選手ばかりを取り上げて紙面を作るのに苦労した中で、雰囲気がガラッと変わった時がありました。松井秀喜さんが臨時コーチを務めた3日間です。コミュニケーション能力が高く、笑顔を絶やさないので場の雰囲気が明るくなる。しかめっ面が目立つ阿部慎之助監督とは対照的です。選手の質問に対しても真摯に答えていましたし、身振り手振りで指導に時間を割く場面が見られました。『松井さんにずっといてほしい』と漏らす選手がいましたが、メディアも同じ気持ちです。丁寧に報道対応してくれますし、ファンの注目度が高い。臨時コーチが3日間で終わってしまうのが残念でした」
松井臨時コーチの評判
民放テレビ関係者は「松井秀喜監督の誕生」へ期待を口にする。
「阿部監督は想像以上にファンからの風当たりが強いんですよね。試合中のミスで露骨に態度に出したり、投手が痛打を浴びて交代でマウンドに行く際は労いの言葉を掛けないなど、言動や行動がフォーカスされることが多い。今年2年連続V逸となれば、監督交代の可能性が高いでしょう。個人的には松井さんが監督に就任して、生え抜きの選手を中心としたチーム作りを進めてほしい。時間はかかるかもしれないですが、FAや助っ人に依存したチームは強さを維持できません」
V奪回に向けて課題が山積みの中、阿部監督のタクトが注目される。
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デイリー新潮編集部
