いっそ「老人党」か「自民の反・高市派を取り込むか」 中道改革連合のチャレンジする無理ゲー
若年層はソッポ
産経新聞などの合同調査(14〜15日実施)によると、中道改革連合(以下、中道)を支持すると回答した人の52.5%が70歳以上だったことがわかった。50代が20.8%、60代が11.8%、18〜29歳が5.9%、40代が4.9%、30代が4.1%の順となっており、若年層や現役世代の支持率の低さが際立っていた。このまま行けば中道は自然消滅ではないかとの声も内部から聞こえてくるが、はたして――。
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「同時期の大手メディアによる世論調査でも似たような結果が出ていました。これまでも立憲民主党と公明党には同様の傾向があり、中道は両党が合流してできた政党なのでそれを引き継ぐのは当然でしょう」

と、政治部デスク。
「立民も公明もその傾向はよくわかっていたと思いますが、それでも“それなりに与党とは戦えるだろう”“2つの党が共に戦った方がベターだ”との判断がありました。結果は想定をはるかに下回るものだったわけですが」(同)
やらせてみないとわからない
「あくまでも結果から判断するしかないですが、与党には“安定と現実”、その他の野党には“変革”がイメージとしてなんとなくありますが、中道には“調整”くらいしかなく、訴求力があまりに低かった印象です」(同)
立民の源流である旧民主党は政権交代を果たしたあと、3年3か月後に政権を明け渡し、それ以降は「政権担当能力がない」と言われ続けている。公明は自民と連立与党を組んでいたわけだが、特に外交・安全保障の面では自民にブレーキを踏み続けていた立場で、エスカレーションを強める中国や北朝鮮、ロシアに対峙する能力はなく、あるとすれば「対話の意味」を訴える程度だと見方が強い。
「“やらせてみないとわからない”という危なっかしさを漂わせていて、主張していることは“現実感がない”となってしまいますよね。経済政策では他党との差別化は難しく、社会保険料改革にまで踏み込んでしまうとメイン支持層の高齢層の反感を買うので難しい。が、そこを避け続けているようだと若年層からはソッポを向かれるという状況です」(同)
「高市vs自民」に期待
「中道が衆院でここまで勢力を減らしてしまい、その中には数少ない与党での閣僚経験を持つ人たちも含まれていたこともあって自民に代わって政権担当能力を持つ政党であることを主張するのは無理筋です。極めてハードルは高いですが、自民内から高市早苗首相の方針にアンチ姿勢の面々と共に行動するという可能性くらいしか想定できないですね」(同)
もともと高市氏が自民党内の派閥のボスだったことはなく、基盤はないに等しい。派閥が裏金問題で東京地検特捜部の捜査対象となり、そのほとんどが解散に追い込まれるなか高市氏は相対的に存在感を浮上させた格好だ。今回の大勝利を受けて表向き党内は「高市氏礼賛」の状況だが、これを面白く思っていない勢力もそれなりにおり、「高市vs自民」という対立構図が顕在化してくる可能性がないわけではない。
「手っ取り早いのはその勢力を中道が取り込むことですが、自民と26年も連立を組んできた公明が離脱してすぐに立民と組んで選挙に臨んで敗北し、その勢力と自民から抜けた勢力が“二人三脚”で進んで行けるかと言うと、ややこし過ぎて有権者の理解を得られるか大いに疑問が残りますね」(同)
スーパー老人党
高市氏の失言や政権のスキャンダルといった敵失に乗じつつ、何らかの売りになる政策を実現させながら2年半後の参院選でインパクトある結果を目指すーーこのあたり、中道が現実的に取りうるスタンスなのかもしれない。もっとも、「現実的」とは言えぬほど、いくつもの要因が前提になっているのが冷徹な現実である。
「本人たちもそこまで楽観的ではないでしょう。参院では立民と公明は別会派として存在しており、さらに言えば中道が来春の統一地方選以降、現状のまま残っていると見ている人はそれほど多くない。が、それはともかくとして、政策テーマを高齢者寄りにすると老人党と言われかねず、となるともっと過剰に高齢者擁護の政策を訴える『スーパー老人党』が出てくることも想定されます。逆に世代間の不公平を是正するために制度の再設計を訴えると頼みの綱の高齢者は離れかねない。思い切った決断ができないジレンマの中で多文化共生などあいまいで抽象的な思想を訴え続けるなら、中道がなくなっている可能性は高いでしょう」(同)
今回の衆院選を受けて自民への政党交付金は153億円余に対し、中道へは23億円余と、金銭面でも厳しいハンデを背負う状況が続く。
目玉とできる政策がない。勢力拡大のシナリオも見えない。お金も足りない。少し前の言葉でいえば完全に「無理ゲー」状態に追い込まれており、事態の打開は極めて困難というのが永田町における主流の見方である。
デイリー新潮編集部
