2025年の秋、世界中のマーケティング関係者のなかでもっともシェアされた記事のひとつは、「Financial Times」 が配信した「Have we passed peak social media?(ソーシャルメディアのピークは過ぎたのでしょうか?)」ではないでしょうか?そこで紹介された、リサーチ会社GlobalWebIndex(GWI)が行った大規模調査では、2022年を分岐点に、とくに若年層からSNS利用時間のピークアウトが起きているそうです。その一方で、私自身が得た近年のインプットのなかで一番印象に残っているのは、米国大手画像生成AIプラットフォーム「Civitai」のエグゼクティブプロデューサー、マティ・シムラ(Matty Shimura)氏が語った「皆さん、世の中にこれ以上のコンテンツは必要ですか?」というコメントでした。いずれも示唆するのは、世の中に溢れる人工的なコンテンツに対する懸念と、テクノロジーとは本来、コンテンツの価値向上に使われるべきという良識だと思います。その意味で現在の状況は、AIを使う人の意識によって、アウトプットの善し悪しが左右されているのではないでしょうか? 広告産業もその例外ではありません。私はAIによってもたらされる最大の価値は「お金」ではなく「時間」だと捉えていて、新たな可処分時間を得たマーケター、クリエイター、メディアプランナーが何に取り組むのかが課題だと考えています。