広島テレビ放送

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2025年も、残りわずかとなりました。広島の1年の出来事を、テーマを分けて振り返ります。初回は『街づくり』です。広島の陸の玄関口が生まれ変わるなど、2025年は街の風景が大きく変わった一年でした。

年の瀬が迫るJR広島駅でお披露目されたのは、新しい郵便ポストです。赤みを帯びた銅箔は、厳島神社の大鳥居をイメージしています。駅ビルの再整備に伴い、2020年に撤去されましたが、装いを新たにして5年ぶりに広島駅に戻ってきました。

■タチマチヒロシマ実行委員会代表 古田一治さん 
「広島駅という拠点を中心に、人と人とをつなぐ大事な場所であってほしいなと思っています。」

3月。予定より1時間早い午前9時、広島駅に新たな商業施設『ミナモア』が、グランドオープンしました。地下1階から地上9階に、中四国初出店を含む217店舗が入り、開業初日には、およそ10万人が詰めかけました。

『ミナモア』開業から、まもなく9か月です。駅の利用者は、変化をどう感じているでしょうか。

■駅の利用者は…
「土日は結構多いなと感じるんですけど、平日はわりと買い物しやすくなったなって感じます。」
「遊びが多いですね。食事に来るとか、電車に乗ってみるとか。新鮮さがあるから来ています。」

6階のレストラン街にある、東京下町の名物・もんじゃ焼きを提供する『月島もんじゃ もへじ』は、スタッフが客の目の前で焼くスタイルなども受け、平日にも関わらず、席はびっしりと埋まっています。開業から半年が経った9月に取材したときも、長蛇の列でした。

12月15日には、およそ30人が午前11時のオープンを待っていました。

■月島もんじゃ もへじ広島駅店長 松島拡希さん 
「オープン当初は、もんじゃ初めてという方も大変多くいたが、リピーターの方が増えたことで、いろんな種類のもんじゃを食べてみたい方が増えたこともあります。たくさんの方に来店してもらって、大変うれしく思います。」

初めてお店を訪れた利用客は…

■広島県内に住む利用客は…
「いつも(人が)並んでいたので、いつか来たいなと思っていた。ようやく来られました。」
■大阪から帰省中の利用客は…
「おいしいです。お母さんが食べたいって言うから連れてきました。列すごいんで、いつも。今日、ラッキーだったかもしれない。よかったです。」

ミナモアの運営会社によると、1日の来館者数はオープン当初より落ち着いてはきているものの、想定を上回る人数で推移しているといいます。

■中国SC開発営業本部長 福本一成さん 
「広島市内のお客様はもちろんなんですが、土日になると福山や山口からミナモアに買い物に来るお客様もいて、非常に広域から集客できていることに、大きな手ごたえを感じています。」

生まれ変わった駅ビルで、多くの人を惹きつけているものがあります。8月、広島電鉄の路面電車が、駅ビル2階への乗り入れを開始しました。

■千葉から訪れた人は…
「たぶん、全国でここしかないんじゃないですか。初めて見ました。圧巻です。見たかった、ぜひ来たかったです。」

新たにできた「駅前大橋ルート」により、紙屋町・八丁堀エリアへの所要時間が、およそ4分短縮されました。利便性が増した沿線では、新たなホテルの建設が進んでいます。

広島の商圏の中心、紙屋町・八丁堀エリアでは、ミナモアの開業後、人通りに変化はあったのでしょうか。

■本通商店街によく訪れる買い物客は…
「(人通りは)全然変わらないと思います。(前と)同じぐらいかな。(ミナモアには?)行きました。今は行っていないです。広島駅って、用がないとあんまり行かないので。こっちのほうが来やすいなと思います。」

広島市が公開しているデータから抽出した、2024年の本通の1日の通行量の推移です。ミナモア開業後の2025年4月以降、2024年とほぼ同じ水準を維持していることがわかります。

本通で70年以上にわたり営業している婦人服店の社長に、客足の変化について話を聞きました。

■ニュー社長 桑本盟久さん
「最初は(人通りが)減るんじゃないかと思ったんですけど、事実(客は)減りましたけど、でもやっぱり僕は戻ってきているんじゃないかなと思います。僕らが残っていくには、人と人とのつながり、シェイクハンズ(握手)。それじゃないと勝てないです。」

周辺では10月、ミナモアに移転したハンズ広島店の跡地に、『ドン・キホーテ』がオープンしました。さらに、商工会議所などのオフィスや商業施設、高級ホテルなどが入る31階建て高層ビル『カミハチクロス』の建設が進むなど、新たな賑わいが生まれようとしています。

人の流れを研究する専門家は、紙屋町・八丁堀エリアについて、外国人を含む観光客が増えている一方、街の発展には、広島駅との相乗効果をどう生み出せるかがカギを握ると指摘します。

■広島修道大学 川瀬正樹 教授
「街自体は便利になったり、魅力的なものになることは、市民にとってはいいことですから。それはむしろやっていかないといけない。(広島駅と紙屋町・八丁堀が)お互い切磋琢磨してというところはあると思いますし、街(全体)で、盛り上げられたらいいのではないかなと思いますね。」

広島駅では、駅ビルと移転予定の中央図書館が入るエールエールA館をつなぐペデストリアンデッキが、2026年春に完成予定で、周辺へのさらなる波及効果が期待されています。

大きく姿を変えた陸の玄関口。新たに生まれた賑わいが、広島の街をさらに変えていきます。

■中国SC開発営業本部長 福本一成さん 
「駅と街をつなぐ人の流れは、まだまだ始まったばかりだと感じておりまして、駅と街の回遊性というのを、もっと高めていかないといけないと感じています。」

【テレビ派 2025年12月17日放送】