【年末リポート】ベルサイユ賞に輝いた香川県立アリーナから考える 全国で45のアリーナ計画 成功への明暗分けるのは
特集は、2025年のニュースを振り返ります。香川県は今年、「世界で最も美しい」と賞賛されるアリーナの開業とその効果に湧きました。そしていま、岡山県を含む全国で建設が計画されているアリーナです。その明暗をわけるものとは。年末に飛び込んできた、快挙の知らせです。
【写真を見る】【年末リポート】ベルサイユ賞に輝いた香川県立アリーナから考える 全国で45のアリーナ計画 成功への明暗分けるのは
香川県立アリーナがもたらした恩恵は
(池田豊人香川県知事)
「国内のスポーツ施設としてはこのベルサイユ賞、香川県立アリーナが初めての受賞になるということで、大変喜んでおります」
世界の優れた建築を表彰する「ベルサイユ賞」の最優秀に、香川県立アリーナが選ばれました。建築家ユニットSANAAの設計で、
瀬戸内海をのぞむ開放的な建物が街と海をつなぎ、あらゆる方向から自然光が降り注ぐ、美しく魅力的なスポーツ施設と高い評価を受けています。
(池田豊人香川県知事)
「この瀬戸内というエリアが非常に注目をされてきており、海外からの観光客も増えてきていますので、観光戦略の中にアリーナを位置付けて、このアリーナに寄ってぜひ海をバックに写真を撮る、
これ自身が大きな観光コンテンツになる」
こけらおとしはサザンオールスターズのコンサートでした。
「もう安泰やと思います、サザンがライブしてくれれば」
トップモデルが集結したTGCも開催されました。
「(香川が)栄えていく感じがうれしいです」
「最高です」
音楽フェスも充実しています。
「とうとう県内でもこういう素晴らしい施設ができたんだなと感動しています」
「香川県が都会になったなと思って、アリーナでライブすることによっていろんな県から来てもらえるのかなって思います」
「最高で~す」
県の新しい体育館として、202億円をかけて建設されました。中四国最大級の1万人を収容可能。
コンサートにスポーツに、民間企業の力を借りながら地域のにぎわいを創出します。開業1年目のインパクトは大きいものでした。
(JR四国 四之宮和幸社長)
「おみやげもたくさん買っていただけたということもありまして、JR四国グループ全体にとってみると、当初思っていた以上の効果が」
(高松琴平電気鉄道 植田俊也社長)
「7,000人規模のコンサートやイベントがありましたら、その約1割の700人程度が必ず電車に乗って来られるんですね。確実にキャッシュがたまっていくようなことになっていますから、本当にアリーナの効果は絶大ですね」
新設・建て替えラッシュのアリーナとスタジアム 明暗分けるのは
こちらは今年7月、名古屋城の近くにオープンした愛知県の新しい体育館、「IGアリーナ」です。
最新の通信環境を備え、これまでにない演出のスポーツ観戦やコンサートが体験できるといいます。いま全国でアリーナは新設、建て替えラッシュ。
今年1月時点のまとめで45のアリーナと34のスタジアムが計画されています。背景には何があるのでしょうか。スポーツ経済学の専門家は。
(中京大学スポーツ科学部 スポーツマネジメント学科 舟橋弘晃准教授)
「一番大きいのは、来年度からスタートする新しいBリーグですね、Bプレミア、ここでアリーナ基準が示されたことで一定の水準を満たす施設整備が求められるようになった。もう少しマクロな話をすると、政府がここ数年『スタジアム・アリーナ改革』を進めてきたんですね。
施設を地域の交流拠点にしましょう、そういう活用をする動きの後押しがあったということもあります。あとはいくつかの成功事例のアリーナが出てきたことで、ほかの地域においてもよし、自分たちも作ろうという横並び意識が働いている、そういう面もあるんじゃないかと思っています」
(岡山市が計画するアリーナのPR動画音声)
「歴史と文化は紡がれている」
「そして、新たな歴史が始まる」
岡山市が計画するアリーナのPR動画です。スポーツのトップチームが上位リーグに所属するための基準を満たす施設が必要で、さらにコンサートの誘致や人々の交流などのメリットを強調します。
概算事業費は約280億円。国の補助金や寄附金などの活用を想定していますが、
費用負担をめぐって県との議論は平行線をたどり、市は先月、単独で事業を進める決断をしました。その必要性について、市民に丁寧な説明が求められています。
(中京大学スポーツ科学部 スポーツマネジメント学科 舟橋弘晃准教授)
「何を解決するためにアリーナが必要なのかという“大義”、これを明確にすることが重要です。できれば都合のいい情報や希望的観測じゃなくて、
科学的な根拠、先行事例などに基づいて、ていねいに市民県民に伝えていくことが必要じゃないかと思っています」
スタートダッシュを決めて他県に刺激を与えている、香川のアリーナです。これからが問われています。
(中京大学スポーツ科学部 スポーツマネジメント学科 舟橋弘晃准教授)
「2年目、3年目も同じような状態でイベントが誘致できたり、あるいは事業性を確保できるのであれば、これはいい投資だったんじゃないかということを言うことはできますが、しっかりとそれは評価して初めて言えますので、この公共投資に対する評価もあわせて、県として実施されていくといいんじゃないかと考えています」
「アリーナの“点”の開発で終わらせてしまうのか、アリーナを核とした“面”の開発をしていくのかによって、
街の見え方とか、あるいはそこで経済活動をする人々の状態はまるで変わりますので、せっかくこういった国際的に評価されたという施設があるということなので、そこを中心として街づくりをどう考えていくのかということを考えていく重要性は高いと思います」
