遅いし暗い…だけど読書には最高。電子リーダー「Palma 2 Pro」はかなりいい
E Inkディスプレイ搭載Androidタブレットを展開するBoox(ブークス)より、新しい電子書籍リーダー「Palma 2 Pro」が販売されます。価格は400ドル(日本価格:6万9800円)と、Amazon(アマゾン)Kindleの基本モデル(1万9980円)と比べてもかなり高額です。
ひと足先にゲットした米GizmodoのKyle Barr氏が、Palma 2 Proをレビューしました。E Inkディスプレイの映りをそれほどでもないといいつつも、常に上着のポケットに入れて持ち運ぶほど気に入っているようです。
長所
コンパクト、片手で読みやすい電子書籍リーダーとしては十分なストレージ容量デュアルSIM/microSDトレイカスタマイズ可能な「スマートボタン」前モデルよりも高速なリフレッシュレート短所
マンガを読みづらいことも無意味なカメラスタイラスペンを収納できる場所がない小さな画面でメモを取るのは難しい2023年にBooxから登場した初代Palmaは非常に魅力的な端末で、読書界にセンセーションを巻き起こしました。スマートフォン型のE Inkデバイスは、“ポケットサイズのスーパーコンピューター”ような使い心地をもたらしてくれます。
さて、Boox Palma 2 Proは、スマホと電子書籍リーダーの中間を狙っているにも関わらず、スマートフォンとしての機能はまったく果たせていません。いや、果たせてなくていいのです。いまやこの端末は、マンガから小説まで筆者の読書の頼みの綱になっています。またメモを取るのにもお気に入りのツールになっています。
スマホじゃないのがいい
E Inkについて改めて説明すると、電界を利用する超薄型ディスプレイの表示技術のことです。モノクロですが、コントラストは強く精細で、まるで紙の印刷物そのもののように見えます。また、液晶と違ってバックライトも必要ないので、目にやさしく省エネなこともメリットのひとつです。
Palma 2 Proは、Boox社が今年初めに中国で発売した「P6 Pro Color」と基本的には同じです。5Gデータネットワークに対応し、Kaleido 3技術に基づく6.13インチのカラーE Inkスクリーンを搭載しています。
このE Inkのバリエーションは2022年に発表され、4,096色と150PPI(ピクセル/インチ)のカラー解像度をサポートしています。630ドルの「Kindle Scribe Colorsoft」にも同じ技術が使用されています。ちなみに、Kaleido 3よりも新しいGallery 3というバージョンがあります。Gallery 3はより多くの色調とより鮮明な300PPIの色をサポートし、Remarkable Paper ProやPaper Pro Moveなどの電子ペーパーデバイスに搭載されています。
前作のBoox Palmaは多くの愛用者から愛されていましたが、スタイラスペンが使えなかったため、筆者は物足りなさを感じていました。また、5G接続に対応しておらず、白黒E Inkのリフレッシュレートも比較的低かったため、使い勝手があまりよくありませんでした。小説を読むには十分ですが、Palma 2 Proを毎日使い始めるうちに、より鮮明なディスプレイが読書体験を深めてくれることを体感しました。
カメラは役に立たない
Boox Palma 2 Pro は、Android 15をベースにしているため、お気に入りの読書アプリのすべてにアクセスできるほか、お気に入りのクリエイターがカラー電子ペーパーでどのように表示されるかを確認したい場合は、YouTubeにもアクセスできます。また、microSD カード (最大2TB) を挿入する場所としても機能するnano SIMカードスロットを備えています。
Palma 2 Proには、128GBのストレージが搭載されています。Kindle Scribe Colorsoftの内部ストレージ(32GBや64GB)をはるかに上回っています。膨大な数の書籍をダウンロードできますが、このデバイスで映画をダウンロードして視聴するのは推奨しません。リフレッシュ レートは動画に対応できますが、見栄えはあまりよくないでしょう。
搭載された16MPのカメラは、画質の悪いE Ink画面で見るという目新しさを除けばほとんど役に立ちません。電源ボタンは更新ボタンとしても機能します。「スマートボタン」は最新のiPhoneのアクションボタンとほぼ同じで、さまざまな機能をカスタマイズできます。筆者は1回押しでページを更新し、2回押しで「FreeMark」機能を有効にし、本やコミックにメモを書き込むように設定しました。
オフラインなら超省電力
Palma 2 Proは外出先での読書には十分なバッテリー容量を備えています。インターネット接続なしで、往復1時間の通勤中に読書をした場合、Palma 2 Proは4日間充電なしで持ちました。ただし、5G接続時を含め、スマートフォンのように使う頻度が増えると、3,950mAhのバッテリーでは持ちが悪くなります。
マンガを読むには、ちょっとした設定が必須
またPalma 2 Proには、アプリごとにリフレッシュモード、カラー設定、コントラストなどを調整できる「EInk Wise」という機能が搭載されています。カラーコミックを最も鮮明な画像で読みたいなら、「EInk Wise」メニューから画面の更新速度と色の鮮明さを設定する必要があるでしょう。ただしマンガのコマをスワイプするたびに、更新速度が遅くなります。
白黒コミックの場合は、より高速なリフレッシュレートが頼りになります。ただし状況によっては、画面に前のシーンの残像が映り込むことがあります。これはE Inkの設計上の問題です。
これを解決するには、多くの場合、表示中のページを更新する必要があります。しかし、画面が小さいため、読みにくいテキストを拡大するにはピンチ操作が必要になります。より鮮やかなカラーオプションと最も遅い「Regal」リフレッシュレートでは、ズームが遅くなり、ゴーストも増えます。
6.13インチのディスプレイでマンガを読むことは可能ですが、すべての人に好まれるとは限りません。このデバイスはAndroidを使用しているため、Hoopla、Kindle、ReadEra、Libby、Crunchyroll Mangaなどの複数のアプリを簡単に動作させ、いつものソースからさまざまな本をダウンロードすることができました。
ただし、すべてのアプリでFreeMarkマークアップ機能が使えるわけではありません。例えばCrunchyroll Mangaは、ページに「個人情報」が含まれていると表示し、手書き入力を禁止しました。同じ機能はKindleでは問題なく動作したので、状況によって異なる可能性があります。
また、デバイスの自動ライト設定では、画面が暗くなり、色温度が上がりすぎて、典型的な本以外はほとんど読めなくなってしまうことがよくあります。明るさを限界近くまで上げなければならないこともありました。
スタイラスペン対応のメモ機能
プラス30ドルでスタイラスペンが付属するバンドル版も注文できます。メモ機能は優れており、書き心地も良好ですが、小さな画面でメモを取るのは、必ずしもすべての人に受け入れられるとは限りません。
撮影した写真に書き込みができたら面白いかも……と思いましたが、残念ながらセンサーのサイズが限られており、E Inkスクリーンでは文字が判読できませんでした。これらの画像に好きなだけマークアップすることはできますが、ピクセルアートのような荒い仕上がりになってしまいます。
Palma 2 Proは6.13インチと小型なので、メモを取ろうとするとかなりの数のページを書かなければなりません。また、スタイラスペンはデバイスにペンをしっかりと固定する専用の磁石がないため、失くしてしまわないか少し不安です。付属のマグネット式2-in-1保護ケースには、MagSafeのような磁石がいくつか付いていますが、ポケットの中でペンが緩んでしまうのを防ぐことはできません。
同梱のスタイラスペンは、大人の手にも快適にフィットする厚みがあり、ペアリングもスムーズでした。しかし書類を参照する際に、ページを次々とスクロールするのは面倒で、見落としてしまう可能性があります。デフォルトのメモアプリは、複数の色を使ってちょっとした考えを書き留めるには十分ですが、かなり基本的な機能しか備えていません。Androidでお気に入りのメモアプリがある場合は、まずそちらを選ぶことをおすすめします。
Palma 2 Proと比較されるデバイスがあるとすれば、7.3インチディスプレイを搭載した「Paper Pro Move」でしょう。このデバイスは、スマートフォンというよりiPad miniのような使い心地です。実際、reMarkableもAppleの小型タブレットも、使用していないときにスタイラスペンを固定するためのマグネットが付いています。
Boox Palma 2 Proは、そのコンパクトなサイズゆえに、他の電子書籍リーダーよりも気に入っています。他の人気の大型カラーE Inkデバイスの価格を考えると、法外な値段というわけでもないとはいえ、読書専用デバイスに400ドル(お手ごろ価格のスマートフォン1台分)を費やすならよく考える必要があります。でも、そんなことはどうでもいいんです。このデバイスのおかげで読書量が増えるなら、このデバイスはそれだけの価値があります。

