「正直きついっす」ラード価格高騰でピンチ、とんこつラーメン店が悲鳴 止まらない値上げラッシュで家計も直撃
値上げラッシュが止まりません。10月は飲料や加工食品など食料品だけで3000品目を超え、電気やガスも値上がりします。家計だけでなく、飲食店の経営にも直撃。人気ラーメン店から悲鳴が上がっています。
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「ラード」高騰続く
大分市でいつも行列ができる「大分ラーメン十八番」。看板メニュー「十八番ラーメン」は、ごまの香り漂う豚骨スープに、丼を覆うほどの厚切りチャーシューをのせた一杯です。
しかし、店の厨房では深刻な問題が持ち上がっています。
三浦雄次社長:
「ラードです。今年だけで3回値上がりしましたよ。大概の店が入れてますけんね。入れていない店の方が珍しいくらい重要です」
ラードは週に1缶使用する同店にとって大きな負担に。さらに、ゴマやコショウといった調味料も次々と値上がりしているといいます。
電気代やガス代も膨らみ、店の経費は1年前と比べて月3万円も増加しました。火を絶やさず炊き続けるスープ、大量のチャーシューの仕込み。現在、価格は据え置いていますが、店の運営に大きな負担となっています。
三浦雄次社長:
「小さいものが積み重なると大きいですよね。正直きついっす。来年から人件費も上がるし。単価を上げるのは簡単かもしれないけど、できる限り抑えたい。お客さんに楽しんで食べてもらいたいから」
半年ぶりの「3000品目超」値上げ
帝国データバンクによりますと、10月に値上げされる食料品は3024品目。半年ぶりに3000品目を超え、前年同月比でも3.4%増加しました。
分野別では「酒類・飲料」が2262品目と最も多く、ペットボトル飲料は希望小売価格が税抜きで200円に。さらに「加工食品」はパックご飯を中心に340品目、「調味料」は焼肉のたれやみそなど246品目が値上げされます。
加えて、政府の補助金が終了することで電気・ガス料金も上昇。九州電力は標準家庭で507円、大分ガスは127円の値上がりを試算しています。
街の人からは「飲料が200円はもうついていけない」「食費はなかなか削れないので困っている」「離乳食も値上げしているので何とかしてほしい」との声があがっています。
帝国データバンク大分支店の吉元栄治調査課長は今後の見通しについて、「人件費が低下すると見ている経営者はおらず、物流費も下がる見込みがありません。数パーセントずつ食品価格の上昇が続く可能性が高い」と分析しています。

