人づくりも一歩、一歩

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梅村学園の『文武両道』


 人材づくりは随処で行われている。名古屋市に本拠を置く学校法人『梅村学園』もその一つ。2023(令和5年)に創立100周年を迎えた同学園は1923年(大正12年)の中京商業学校(現在の中京大学附属中京高等学校)の開校に始まる。

 現在、同学園は学生数約1万4000人を抱える中京大学、附属高校として発展。創業者・梅村清光氏は茨城県・水戸の生まれで、中京商業学校を創立するに当たって、『文武不岐』の精神を大事にしたという。『文武不岐』は平たく言えば、文武両道だが、精密に言えば、人間性を高めるために、文と武を修めるというもの。旧水戸藩の藩校・弘道館の精神の一つであったという。

 梅村学園は、『真剣味』を教訓にしている。『真』は知育(学力)であり、『剣』は体育(体力、スポーツ)、そして『味』は徳育を意味する。つまり、知・体・徳のバランスを大事にするという教育方針、人材育成である。

 創業者の曽孫になる現理事長・総長の梅村清英さん(1969年=昭和44年生まれ)は、「OB、OGの皆さんが産業界、教育界、さらには行政の領域で頑張っていただき、後輩の指導や面倒を見てもらって力強い支援をいただいております」と感謝し、今後も「人と人のつながりを大事にしていきたい」と言う。

 梅村さんは『UMEMURA VISION 2033』をつくり、学園が2033年にあるべき姿を示した長期ビジョンを制定。『挑戦と調和』をキャッチフレーズにしたものだが、「挑戦を楽しみ、真理を探究する。そして人間味を醸成する人材を育てていきたい」と語る梅村さんである。

 『人』の基本骨格づくりに励しむ梅村学園の努力に期待したい。

【書評】『「人」から考える「ビジネスと人権」』