「今の車は大きすぎて駐車場に入らない…」今と昔でどれくらい違う?歴代カローラで見るボディサイズの変化!「高い軽」売れる理由はこんなところにも?
コンパクトカーですら「3ナンバー」が当たり前?車が大きくなった!
かつては高級車の証とまで言われていた「3ナンバー」ですが、現在は国産車では軽自動車を含めても約3分の2が「3ナンバー」になるほど、車のサイズは大きくなっています。
小柄なボディサイズで扱いやすさが売りのコンパクトカーでも3ナンバーは珍しくなくなりました。
大衆車の代名詞的な存在であるトヨタ カローラでさえ、現行モデルは3ナンバー。「今の車は大きくなった」と感じている人も少なくないようです。
そこで、今の車がどれくらい大きくなったのか、50年以上の歴史をもつカローラを例に、そのサイズの変化を見てみましょう。
【1966年(昭和41年)発売】初代・10系カローラ
カローラの歴史は、1966年(昭和41年)にデビューした初代・10型カローラよりはじまりました。
初代カローラは、全長3,845mm、全幅1,485mm、全高1,380mmで、排気量は1.1L。当時ライバルだった日産 サニーよりも少し余裕があることをアピールした「プラス100ccの余裕」というキャッチコピーで売り出され、以後長きにわたる販売競争が始まります。
このボディサイズは現在の軽自動車よりも全長が長い程度。現在の軽自動車のサイズが、すなわち昔の大衆車のサイズだったと言えるため、当時を知る人からしたら「今の車は大きくなった」と感じるのもうなずけます。
【1970年(昭和45年)発売】2代目・20系カローラ
2代目カローラは1970年にデビュー。初代カローラデビュー時の日本人平均年収は54.9万円でしたが、わずか4年の間に平均年収は94万円まで上昇しました。それでも2代目カローラの販売価格は約43万と、先代から1万に満たない値上げに留められています。
2代目カローラのボディサイズは全長3,945mm、全幅1,505mm、全高1,375mm、そして排気量1.2Lと、初代よりも全体的にサイズアップしています。室内空間を広げ居住性を向上させたほか、燃料タンクの容量も拡大。東名高速の全線開通によって長距離移動をする人が増えていくことを見据えていたようです。
【1974年(昭和49年)発売】3代目・30系カローラ
1974年に登場した3代目カローラでは、衝突安全性能を高めるためにボディサイズをさらに拡大。全長3,995mm、全幅1,570mm、全高1,375mmと、初代から比べると10cm近く全幅が広くなっています。
このボディ拡大は衝突安全性以外にも、年々厳しくなる排出ガス規制への対応によるスペース確保にも備えていました。古い車が現在の車よりも小さいのは、こうした規制に対応するための補機が少なく済んでいたからとも言えますね。
【1979年(昭和54年)発売】4代目・70系カローラ
1979年に4代目カローラがデビュー。4ドアセダンのほか、2ドアセダン、ハードトップ、クーペ、リフトバック、バンと豊富なボディタイプを展開し、歴代でもっともバリエーションが多いカローラとなりました。また、この4代目カローラが「カローラ」として最後の後輪駆動車となります。
先代よりもさらにボディサイズが拡大され、全長4,050mm、全幅1,610mm、全高1,385mmと、ついに全長が4m、全幅も1.6m超え。排気量も1.3Lに増えています。近代的なスペックに、徐々に近づいてきました。
【1983年(昭和58年)発売】5代目・80系カローラ
大きな変革を迎えたのが、1983年デビューの5代目カローラ。そのボディサイズは全長4,135mm、全幅1,635mm、全高1,385mmで、今回も全長、全幅は拡大となりました。
しかし、それ以上に大きな変化となったのは、前輪駆動方式を採用したことや四輪独立懸架になったこと。居住性や乗り心地の向上で、よりファミリー向けの車へと進化を遂げています。
なお、「AE86」もこの代に含まれますが、スポーツクーペのカローラレビンおよびスプリンタートレノだけは後輪駆動を引き続き採用していました。
【1987年(昭和62年)発売】6代目・90系カローラ
昭和最後のカローラとして1987年にデビューしたのが6代目カローラです。バブル景気真っ只中に登場したカローラは、当時ブームだった「ハイソカー」を意識した車となりました。
全長4,195mm、全幅1,655mm、全高1,365mmと、先代と比べると大きな変化はないものの、パワーウインドウや電動格納式ドアミラーの標準装備など、車格を超えた豪華な装備が人気に。1990年には車名別年間新車販売台数で、歴代最多の30万台超えを記録しました。
【1991年(平成3年)発売】7代目・100系カローラ
バブル崩壊が始まった1991年に7代目カローラがデビュー。設計当時はバブルに沸いていたこともあり、金メッキ端子を用いた配線や亜鉛メッキ合金を用いた防錆鋼板を採用するなど、その作りはまさに高級車。
ボディサイズも全長4,270mm、全幅1,685mm、全高1,380mmに拡大され、見た目にもボリュームが出てきました。しかし、高級化を推し進めていても5ナンバー枠には留まっています。
【1995年(平成7年)発売】8代目・110系カローラ
バブルが崩壊したあとに設計され、1995年にデビューした8代目カローラ。先代とは打って変わってコストダウンが求められ簡素な内外装になるなど、高級路線から一転して使い勝手重視のコンパクトセダンへと原点回帰。
基本的な構造は7代目カローラからキャリーオーバーとなっているため、ボディサイズも全長4,285mm、全幅1,690mm、全高1385mmで先代とほぼ変わらず。しかし、コストダウンによる内外装の簡素化によって、車重は最大50kgの軽量化を実現しました。
【2000年(平成12年)発売】9代目・120系カローラ
2000年に発売された9代目カローラは、21世紀を迎えるにあたり先進的なデザインが与えられ、これまでのカローラとは一線を画すイメージチェンジを敢行。カローラの「若返り」を狙ったモデルとなっています。
全長と全幅は5ナンバー枠いっぱいまで伸ばされ、全高も先代から10cm近く拡大。全長4,365mm、全幅1,695mm、全高1,470mmと、ボディサイズの拡大により居住性が高められました。
【2000年(平成18年)発売】10代目・140系カローラ(初代カローラアクシオ)
「カローラ」単体の車名は、120系で一度日本から消滅しました。後継に2006年発売のカローラアクシオが据えられ、カローラファミリーの日本向けセダンをこのアクシオが担うこととなります。
ボディサイズは先代モデル後期型の数値を継承していて、全長4,410mm、全幅1,695mm、全高1,460mmと、5ナンバーのコンパクトセダンサイズ。日本専用車種なだけあって、日本国内での使用に適したボディサイズとなっています。
【2012年(平成24年)発売】11代目・160系カローラ(2代目カローラアクシオ)
2012年にデビューしたカローラで数えて11代目、アクシオで数えて2代目のモデルは、コンパクトカー「ヴィッツ」のプラットフォームを使用しています。全長4,360mm、全幅1,695mm、全高1,460mmと、全幅、全高は先代と同数値なものの、カローラ史上初めて全長が短縮されました。
2019年に「カローラ」単体の名前で12代目カローラが再び日本市場へ発売となりますが、12代目カローラが発売後もカローラアクシオは販売を継続。いまとなっては貴重な5ナンバーセダンとして、ビジネスシーンなどで活躍しています。
【2019年(平成31年)発売】12代目・210系カローラ
現行のカローラは2019年に日本で発売開始となりました。グローバルモデルと同じTNGAのGA-Cプラットフォームを採用し、全長4,495mm、全幅1,745mm、全高1,435mmとついに3ナンバーサイズへと進化しています。
日本の大衆車としてデビューしたカローラのグローバル展開を進めていった結果、日本で乗るには大きすぎる車になってしまった…と感じるかもしれませんが、現行のカローラは日本向けにボディサイズを少し縮小。グローバルモデルと比較して、全長で135mm、全幅で45mm切り詰められています。
5ナンバーサイズには収まらなかったものの、「日本のカローラ」としてできる限り小さくしようとしたようです。
代を重ねるごとに長く広くなったカローラ
歴代カローラのサイズを一覧してみると、代を重ねるごとに全長と全幅が大きくなっていったことがよく分かります。初代カローラから比較すると、全幅は26cm、全長では65cmも大きくなりました。
衝突安全性能を高めるためにボディが分厚くなっていき、その中で室内空間を広くするためにボディサイズ自体を拡大。この繰り返しで、今の車はどんどん大きくなっています。
最新の安全性を享受できるのは広い家を持つ層だけ?
初代カローラにあわせた大きさの駐車スペースを設けた家を持っている人が最新のカローラを買おうとすれば、かなり窮屈か、入庫することが不可能かもしれません。
カローラでなくとも、「古めの家に新しめの車がギリギリ入ってる」という光景は古くからある住宅街などに行くと見ることができますが、家は車よりも長い期間所有することが一般的かつ、かたちなどをそう簡単には変更できないものですので、車が肥大化したからと言って駐車スペースを拡げることは簡単ではありません。
こうした住宅事情も軽自動車への乗り換えを後押ししていると言え、実際に現在の日本でいちばん売れている車はカローラではなく、ホンダの軽自動車「N-BOX」です。軽自動車の安全性は、現在はNCAPの評価で星5つを獲得するほど進化していますが、評価の詳細、点数を見てみるとやはり普通車と比較すれば劣っています。
車のボディサイズが大型化している主な理由は安全性向上のためですが、その結果、駐車スペースに余裕がない住宅の利用者は、普通車よりも安全性に劣る軽自動車へ乗り換えることになってしまっているというのは、皮肉な結果であると言えるかもしれません。
