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スバル・クロストレックのライバル

韓国のキアは上り調子だ。新型バッテリーEVのEV6を発売し、SUVのスポテージとハッチバックのニロはモデルチェンジを果たした。今回試乗したエクシードも、フェイスリフトを受けている。

【画像】コスパ良し キア・エクシードへ試乗 新型クロストレック 競合クロスオーバーと比較 全145枚

エクシードは、キアのモデルラインナップで3番目の売れ行きを英国市場では獲得している。現行型の登場は2019年だったから、リフレッシュのタイミングが来たようだ。


キア・エクシード(英国仕様)

一般的なファミリーハッチバックのシードをベースに、クロスオーバー風に車高が持ち上げてある。ボディパネルはドア以外共有しておらず、しっかり差別化されている。新しいスバル・クロストレックのライバルといっていい。

スタイリングとしては、LEDヘッドライトとテールライトの造形を変更。フロントグリルとバンパーにも手が加えられ、リアにはディフューザー風のフィンが加えられた。

フェイスリフトのタイミングで、パワートレインの合理化も図られている。市場によっては1.0Lガソリンターボと1.6Lディーゼルターボも選択できるが、英国に入ってくるのは1.5Lのガソリンターボと1.6Lのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)の2種類となる。

販売台数を稼ぐと予想されるのは、160psを発揮する1.5L 4気筒ガソリンターボ。トランスミッションは6速マニュアルの他に、7速デュアルクラッチ・オートマティックも追加予定だという。

質感の良いインテリア 人間工学も良好

英国では一般的な、会社からの貸与車両で主に選ばれるのはPHEVだろう。1.6L自然吸気ガソリンに駆動用モーターが組み合わされ、システム総合での最高出力は141psがうたわれる。トランスミッションは6速デュアルクラッチ・オートマティックとなる。

8.9kWhの駆動用バッテリーを搭載し、電気の力だけで48kmの走行が可能。英国では税金額でメリットがある。


キア・エクシード(英国仕様)

トリムグレードも見直され、スポーティな仕立てのGTライン Sが追加されている。こちらにはブラックアウトされたボディトリムにスポーツ・ステアリングホイール、スポーツシートなどが装備される。オプションは、ボディカラーを除いて殆どない。

インテリアは、新しいスポーテージやニロと比べると若干地味なものの、各所がソフトタッチ加工されており質感は充分。人間工学的に不満を感じるところもない。エアコンなどの操作系には、実際に押せるハードボタンが残されていて扱いやすい。

ドライビングポジションの調整幅は広く、GTライン Sのスポーツシートは座り心地も良好。長距離を運転することが多い場合、このグレードに追加料金を支払う価値はあるだろう。装備も充実している。

インフォテインメント・システムは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに有線で対応。キア独自のシステムも良く機能する。リアシート側の空間は、このクラスのハッチバックとしては広々。テールゲートを開くと大きな荷室が現れる。

動的能力の洗練度はほどほど

今回試乗したのは、1.5Lガソリンターボのエクシード。新しいファミリーカーで6速MTが載っていることに新鮮さを覚えるが、想像以上にシフトフィールは好ましい。軽くシフトレバーを倒せ、ストロークも短く、テキパキと次のギアを選べる。

小柄なエクシードだが、郊外の道を颯爽と走るにはエンジンを頑張らせる必要がある。ブースト圧を得るには回転数を高めることになり、160psあるとは実感しにくい。3000rpm以下では線が細く、坂道発進には気を使った。小気味良い6速MTが役に立つ。


キア・エクシード(英国仕様)

それでいて燃費は良好。15.0km/L近くへ伸ばすことも難しくない。

動的能力の洗練度はほどほど。乗り心地は硬めで、舗装の剥がれた穴を通過すると明確に振動が伝わってくる。ミドルグレードの16インチホイールなら角を丸められると思うが、見た目が伴わない。

ステアリングホイールへの入力に対する反応は良好ながら、手のひらにはグリップ状態が伝わってこない。手応えにも一貫性が若干足りない。サスペンションは、フロントよりリアの方が柔らかく感じられた。

カーブでペースを速めていくと、スタビリティ・コントロールが介入する前にフロントタイヤが外へ逃げてしまう。コーナリングは得意ではないようだ。

少なくとも高速道路では、姿勢制御が落ち着き安定する。運転支援システムは有能で、ありがたいと感じるドライバーは多いだろう。しかし、MTのエクシードではアダプティブ・クルーズコントロールを選択できないのが残念だ。

キアの人気トップ3を維持できる改良

エクシードの英国価格は、エントリーグレードで2万3345ポンド(約387万円)から。試乗したGTライン Sでは3万345ポンド(約503万円)へ上昇する。PHEVは3万2945ポンド(約546万円)となる。

このクラスのハッチバック・ベースのクロスオーバーは、実はさほど選択肢が多くない。直接的なライバルはスバル・クロストレックになるだろう。ほかには、フォルクスワーゲンTロックやトヨタCH-RといったSUVが対立候補になるが、価格はより高い。


キア・エクシード(英国仕様)

比較すれば、比較的手頃なエクシードはコストパフォーマンスに長ける。フェイスリフト後も、キアの人気トップ3を英国では維持することになるだろう。

キア・エクシード(英国仕様)のスペック

英国価格:3万345ポンド(約503万円)
全長:4395mm
全幅:1826mm
全高:1483mm
最高速度:207km/h
0-100km/h加速:8.7秒
燃費:15.9km/L
CO2排出量:−
車両重量:1370kg
パワートレイン:直列4気筒1482ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:160ps/5500rpm
最大トルク:25.8kg-m/1500-3500rpm
ギアボックス:6速マニュアル