※写真はイメージです。

写真拡大

「モンスター新入社員」が取り沙汰される一方で、「パワハラ上司」が槍玉にもあげられる昨今。上司と部下の付き合い方は、ますます難しくなりつつある。

「新入社員にきつくあたったら、パワハラで訴えられたという事例が増えている」と話すのは、『あなたの隣のモンスター社員』(文春新書)、『モンスター部下』(日本経済新聞出版社)などの著書がある、フェリタス社会保険労務士法人の石川弘子さん。現代における、新入社員との適切な距離感や付き合い方について話をうかがった。

◆なんでもかんでも「パワハラだ!」「訴える!」と騒ぐ若手社員

 いわゆる「Z世代」が入社してくる近年、価値観の違いすぎる部下や後輩のミス、マナー違反について、どこまで注意していいのか悩んでいる中堅社員も多いのではないだろうか。

 まずは、いくつかの実例を紹介していこう。

 石川さんによると、客観的には全くパワハラではないにもかかわらず、若手社員から「パワハラだ!」と社内で騒がれたり、時には弁護士を雇って「訴える!」と言われたりするケースが非常に増えているという。

「とある営業職の社会人2年目の社員のケースです。あまり結果が出ていなかったので上司がアドバイスをしつつ、『どうしても結果が出ずに苦しかったら、環境を変えて、たとえば別の営業所でチャレンジしてみるというのもありだよ』と提案したところ、すぐに退職代行を利用。さらに『無理やり異動させられそうになった』と訴えられたケースがありました。

 弁護士から強めの文書が突然送られてきて、その上司はかなり落ち込んでしまったようです。こうした異動の提案は客観的に見てもパワハラには当たりません。しかし若手社員は『パワハラをされた』と騒ぐのです」(石川さん、以下同)

 ほかにも、ミスをした若手社員に「間違っていたから次は気を付けて」と伝えたら「私はいつも頑張っているのになんでですか!」と逆ギレ。同僚を巻き込み、勤務時間内外問わず「この職場はおかしい!」と大騒ぎされたという事例も。

 さらに、若手社員が客からちょっとしたクレームを言われて落ち込んでいたので「気にしなくていいよ」と慰めたものの、翌日「抑うつと診断されたので休みます」と診断書を会社に提出。さらに親が「うちの子が客からクレームを言われたのに上司は何のフォローもしなかった、これは労災だ」と会社まで来たケースもあるとか。

◆世代間で捉え方が大きく違う

 昭和世代にはにわかには信じがたいが……。これはなぜなのか?

「いちばんは『捉え方の違い』だと思っています。こちらは普通の注意をしているつもりでも、若手社員にとっては『パワハラ的に脅された』と捉えられてしまう。これは、若手社員の世代があまり親から怒られてこなかったからではないかと思っています。むしろ親がモンスターペアレント的に教師に文句を言うことさえある。先生など自分たちの目上の人に対して親がそういうことをしているのを目の当たりにしているので、『それでいいんだ』と思ってしまっているのでしょう。

 また、若い人同士でも本音を言わずに耳ざわりの良いことばかりを言い合うことが多く、喧嘩もしない。嫌な相手に対しては自然とフェードアウトしてしまう。それは『空気が読めないと思われたくない』ことが理由のようですが、そんな学生時代を経て、会社に入って初めて注意や指導をされると免疫がなく驚いてしまうのではないでしょうか」

◆モンスター新入社員の特徴は「裏表がある」

 企業から多くの「モンスター新入社員」の相談を受けることがあるという石川さんが感じる彼らの特徴とは、一体どのようなものか。