車内の快適さを保つためにはエアコンは欠かせません。ところがエアコンは多くの電力を消費し、燃費にも影響を与えます。

燃費に良い最適な設定温度は存在するのでしょうか。また、エアコンを効率よく使用するためにはどうすればいいのでしょうか。

燃費への影響を抑えられる設定温度は?

車は発電機の役割を持っているオルタネーターで電気を発電して、エンジンを回転させています。

エアコンをフル稼働させると、消費電力が増えるため、オルタネーターの発電も弱くなります。そうなるとエンジンの回転も低下してしまうため、より多くのアクセルを踏まないと加速しにくくなり、燃費の悪化につながります。

一般社団法人日本自動車工業会(JAMA)の調べによると、車のエアコンを作動させていると、ガソリンの燃費は1割以上悪化すると言います。具体的には、車外と車内の温度が同じ環境で、エアコンの設定温度を車内と同じ状態にして作動させると、約12%の燃費悪化につながるということです。

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そこで、車の燃費に影響のない最適な設定温度はあるのか、自動車整備工場に勤務する整備担当者に話を聞きました。

「残念ながら、エアコンを付けている以上、燃費への影響を抑えられる最適な設定温度は存在しないと言わざるを得ません。

エアコンの温度を何度に設定しても電力は必ず消費するので、少なからず燃費に影響します。燃費を最優先に考えるのであれば、エアコンを付けないことが一番です。

しかし、車内が暑ければ、熱中症のリスクもあります。そう考えると、燃費よりも車内環境の快適さを優先していただきたいと思います。」

設定温度以外に工夫できることは?

さらに、厳密に計測したわけではないので断言できないとしつつも、次のように話してくれました。

「車内に冷気を送る役割を担っているコンプレッサーの稼働率を下げることで、燃費への影響を最小限に抑えられるかもしれません。

例えば、夏に車外の気温が高いときは、内気循環モードにすることで、冷房の効率を上げることができます。

ある程度、車内の温度が下がってきたら、エアコンの設定温度を少し上げたり、風量を弱めたりすることで多少なりとも効果があるかもしれません。

車外と車内の温度が高い状態から、いっきに車内の温度だけを下げようとすると、エアコンがフル稼働して、コンプレッサーに負荷がかかります。つまり消費電力が多くなってしまうのです。

車内が暑ければ、エアコンをフル稼働させることも必要ですが、できるだけその時間を短くすることで燃費への影響を抑えられるでしょう。

エアコンを付ける前に、車の窓を開けて時々換気をしたり、エコモード(車によって搭載されていないこともある)にしたりするなど、コンプレッサーに負荷をかけないこともポイントとなるでしょう。」

車内温度の上昇を抑える対策も必要

車内の温度上昇を抑えるために、エアコン以外の対策も講じる必要があります。

例えば、外出先ではできるだけ日陰に駐車したり、フロントガラスから直射日光が入ってくるのを防ぐサンシェードの使用なども効果的です。

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筆者も、炎天下で駐車した場合の車内の温度がどれくらいなのか計測したことがあります。

サンシェードがないときは62.3℃まで上昇していましたが、サンシェードでフロントガラスを覆うと40℃近くまで温度が下がっていました。40℃でも十分暑いですが、体感としてはかなり涼しく感じました。

夏のドライブにカーエアコンは必須ですが、ちょっとした工夫で燃費を抑えられる可能性もあります。ここで紹介したいくつかの対策を行って、快適な夏のドライブを楽しんでください。