ポーズを取る立花孝志党首(写真:Motoo Naka/アフロ)

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NHK党・立花孝志党首(54)の参院選の政見放送で、手話通訳していた女性が、「NHKをぶっ壊す!」のポーズに合わせて、両腕を上に上げる仕草をしながら笑顔を見せていた。このシーンがSNS上で話題になっている。

立花氏を担当した手話通訳士の表現や表情について、日本手話通訳士協会はJ-CASTニュースの取材に対し「話者の感情を聞き手に伝えるために、その場にいた通訳が判断したものと考えます」と見解を示した。

手話通訳の人の表情がよい」

2022年6月30日のNHKの政見放送で、NHK党による演説の冒頭、立花氏は「テレビの前の皆さん、そしてスタジオのNHK職員の皆さん、いきますよ」と身振りを交えながら呼びかけ、声を張りながら「参議院選挙に勝って、NHKをぶっ壊す!」と笑顔でポーズを取った。

後方で手話通訳していた女性も、「NHKをぶっ壊す!」と同時に、体の前で合わせていた両手のこぶしを離し、笑顔で左右の手を上に上げた。

この手話通訳士の表情や動きに対して、SNS上では「手話通訳の人の表情がよい」「ノリノリな感じなのがいいね」と話題になった。

立花氏の演説を手話通訳していた女性は、なぜ豊かな表情や動きをしていたのか。

日本手話通訳士協会は7月6日、取材に「政見放送における担当手話通訳者への見解ではなく、手話通訳業務における一般的な見解であることをご承知ください」と述べた上で、手話について次のように説明した。

手話は『手で話す』と表記しますが、手先のみで表現するものではなく、表現の強さやスピード、表情といった非手指動作を併用して、その単語の持つ意味に感情などを持たせることが可能となります。音声言語で言うところのイントネーションをつけるイメージです」

音声日本語を手話言語に通訳する場合は、「手話通訳者は話し手の発言する音声とともに感情や雰囲気などを非手指動作を交えて表出することとなります」としており、「話者の感情を聞き手に伝えるために、その場にいた通訳が判断したものと考えます」と見解を示している。

立花氏の演説を手話通訳していたと思われる女性は6月30日、自身のインスタグラムで「NHKスタジオ収録の場合、多くの政党では、事前に原稿がもらえ、リハーサルを経て収録が始まります」としたが、NHK党は事前の原稿がなかったという。「リハーサルもなく、ぶっつけ本番!! もぅこうなったら話者の雰囲気を投影しよう!とそれだけ 党首と一緒に楽しそうに"ぶっ壊して"きましたw」と感想を述べた。

事前の原稿の必要性を訴えつつも、「いつどんな時でも、どんな状況でも、対応できるプロになるべく、スキルも人間力も磨くしかないなと思えるきっかけにもなりました」と振り返っている。