Pixel 6aは本当に「買い」か!? 基本性能や機能性、ストレージ容量などを上位モデルと比較チェックする

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●5万円台でハイエンド性能を実現するスマホ「Pixel 6a」
Googleは7月28日、新型スマートフォン「Pixel 6a」を発売します。
日本国内ではKDDI、ソフトバンク、公式オンラインストアなどで販売が予定されており、

「ハイエンド性能を備えた中価格帯の高コストパフォーマンス・スマートフォン」

こうような評判で話題を集めています。

価格は公式オンラインストアで53,900円の1モデルとなっており、本体カラーは、
・セージ(グリーン系)
・チョーク(ホワイト系)
・チャコール(ブラック系)
これらの3色展開です。


背面のカメラ部とモノトーンのGoogleロゴ(Gアイコン)が良いアクセントになっている


Googleは2021年10月にハイエンドスマートフォン「Pixel 6」および「Pixel 6 Pro」を発売しており、Pixel 6aはその廉価モデルという位置付けです。

それぞれの機種の公式オンラインストアでの価格を比較すると、
・Pixel 6 Pro 116,600円から
・Pixel 6 74,800円から
・Pixel 6a 53,900円
このように、機能や性能ごとにそれぞれ2〜4万円程度の価格差が設けられていることが分かります。

例えばPixel 6 Proに対してPixel 6aは62,700円も安く、半額以下です。
では、その性能は半分程度であったり、価格相応に低かったりするのでしょうか。

Pixel 6aの基本性能に関して言えば、そのようなことはまったくありません。
むしろPixel 6 Proとほとんど変わらない基本性能です。

その最大の理由はチップセット(SoC)にあります。
Pixel 6aに搭載された
・SoC「Google Tensor」
・セキュリティチップ「Titan M2」
これらは、最上位機種のPixel 6 Proとほぼ同じものです(動作周波数や演算ユニット数で差異があるかは不明)。

そのため、高い処理性能が必要とされる3DゲームやAR・VRアプリなどは、Pixel 6aでもPixel 6 Proなどと変わらない感覚で快適に利用することができます。


5万円台で最新の3Dゲームも快適に楽しめる!



●機能性をミドルクラスに抑えることで低価格を実現
上位モデル2機種(Proモデル、標準モデル)と仕様や機能面で異なる主な点は以下の通りです。

・本体サイズおよびディスプレイサイズが若干小さい(6.1インチ)
・ディスプレイ解像度が若干低い(1,080×2,400ドット、標準モデルとは同じ)
・ディスプレイのリフレッシュレートが60Hz
・ディスプレイガラスがCorning® Gorilla® Glass Victus™ではなくCorning® Gorilla® Glass 3™
・バッテリー容量が若干小さい(4,410 mAh)
・メモリー容量が若干少ない(6GB)
・ストレージ容量が128GBのみ
・カメラ性能が抑えられている(カメラユニット数は2基で標準(広角)カメラの画素数が低め)
・カメラ機能のモーションモードがない

一見すると数多くの部分で性能を抑えられているように見えますが、実際にはミドルクラスのスマートフォンとしては十分すぎるほどの機能性を有しています。
つまり、
「ミドルクラスの本体機能+ハイエンドクラスの基本性能」
これらの組み合わせによって、非常に高いコストパフォーマンスを実現したのです。


カメラ機能を使い倒したいユーザーは注意したほうが良いかもしれない



●購入を検討するならストレージ容量をチェック!
高い基本性能と必要十分な機能性で「いいとこ取り」をしたようなPixel 6aですが、1点だけ絶対に忘れてはいけない注意点があります。

それは「外部ストレージが使えない」ことです。

一般的なAndroidスマートフォンは本体に内蔵されたストレージのほかに、microSDカードなどの外部ストレージを利用できます。
ところがPixel 6a(Pixel 6シリーズすべて)は、外部ストレージ機能を持っていません。

そのため、基本的には本体に内蔵されたストレージ容量だけで写真や動画、各種アプリなどをやりくりする必要があります。

AppleのiPhoneシリーズの場合、登場当時からこのような仕様であったためにユーザーも混乱することはあまりありません。
しかしながらAndroidスマートフォンユーザーで、これまでmicroSDカードを活用してきた方は、
microSDカードが使えないことに気が付かないまま購入してしまう可能性があります。

最近では他社のAndroidスマートフォンでも、ハイエンドクラスのものを中心にmicroSDカードを利用できない機種が増えてきています。
とくにPixel 6aの場合、ストレージ容量が128GBとあまり大きいとは言えない容量であるため、

・たくさんのゲームアプリをダウンロードしている
・ハイレゾの音楽データを詰め込んで利用している
・写真や動画の撮影をたくさんする予定がある

このような利用方法を想定している方は、ストレージ容量が足りるか十分に検討する必要があります。


Pixel 6aは写真や動画の撮影が非常に楽しい機種だが、ストレージ容量の逼迫に注意したい



●ストレージ容量に不安がある人は標準モデルのPixel 6がオススメ
Pixel 6aでストレージ容量の逼迫を防ぐには、Googleドライブ(Googleフォト)などのオンラインストレージサービスを活用するのがオススメです。
また、以前のスマートフォンでmicroSDカードにデータを入れていた場合などは、データ転送専用のUSBケーブルなどを用いて本体同士でデータ移行する方法などがあります。

価格メリットが非常に高く、基本性能の高さから最新のゲームなども不自由なく遊べるだけに、ストレージ容量も256GBなどのバリエーションが欲しかったように思います。

Pixel 6aで「128GBでは不安だ」、「128GBでは足りない」と感じる方は、標準モデルの「Pixel 6」を検討してみてください。
通信キャリアが販売しているモデルでは容量が選べない(256GBモデルがない)場合もあるため注意が必要ですが、オープンマーケット向けのモデルなどでは大容量モデルが購入できます。




執筆 秋吉 健