會田武史・レブコム代表取締役

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コロナ禍で電話が殺到する保健所。この課題解決に一役買っているのが、RevCommのAI搭載IP電話『MiiTel(ミーテル)』。レブコム創業者で社長の會田武史氏は「極めて効率的で生産性の高い音声インターフェースで日本の生産性を高めていきたい」と語る。誰もが利用できる音声サービスで、どんな社会を目指そうとしているのか─。
本誌・北川 文子 Text by Kitagawa Ayako


なぜ今、音声なのか?

 最も手軽で身近な〝音声〟が今、改めて注目を集めている。

 コロナ禍の在宅勤務を機に「ながら聴き」のリスナーが増加。

 全国のラジオをネットで聴ける『radiko(ラジコ)』、音声配信の『stand.fm(スタンドエフエム)』や『voicy(ボイシー)』、音声SNSの『パラレル』など国内勢に加え、ネットフリックスやアマゾン、メタ、スポティファイなどのIT大手が音声事業を強化している。

 また、リモートワークや在宅勤務で営業の形もオンラインに変化。店舗を閉鎖し、電話応対を拡充する企業も増えており、コールセンター業務が拡大。音声は”次のプラットフォーム”になるとも言われ、各国企業が紳サービス開発にしのぎを削る。

 音声認識システムは「音声の文字化」と、声で個人を特定する「声紋認証」が主な技術。

 これらの技術を使えば、生産性向上が期待できるとあって、米マイクロソフトは2021年、音声認識技術を手掛ける米ニュアンス・コミュニケーションズを2兆円を超える金額で買収すると発表。医療などヘルスケア領域のクラウドサービスを強化する。

 日本でこの分野をリードするのが17年7月設立のベンチャー、RevComm(レブコム)。「AI×音声×クラウド」の「音声AIプラットフォーマー」を目指している。

 主力商品は18年10月にリリースしたAI 搭載のIP電話『MiiTel(ミーテル)』。主な機能は「電話内容の解析、定量化」「全通話録音・文字起こし」「CRM(顧客関係管理)連携」の3つ。

 今までブラックボックスだった通話内容を可視化できるため、営業や顧客対応の質の向上やリモートワーク環境の整備に貢献。また、自動文字起こし機能があるため入力作業の手間が省け、生産性も向上できる。

 21年1月にはオンライン商談ツール『MiiTel Live』もリリース。

 現在、累計導入社数1100社、ユーザー数は2万7500人を超え、拡大を続けている。


入力作業の削減など
保健所の負担を軽減

『ミーテル』はコロナ禍の保健所でも活躍している。

 東京都は新型コロナ第5波に対応するため、21年10月『保健所デジタル化推進担当』を設置。

 担当課長が全保健所を訪問し、業務に関するヒヤリングを行ったところ、電話業務の改善要望が多かった。そこで、この課題を解決できるサービスを探したところ、『ミーテル』を発見。

「文字起こしをするだけでなく、通話内容の解析機能もあり、〝単語登録〟で文字起こし精度を上げながら活用できることに価値を感じた」(担当者)という。

 また、クラウドIP電話のため、工事が不要で、回線をすぐに増やすことができる点も導入を後押しした。

 昨年11月から一部保健所で導入し、12月から全保健所に導入。

 実際に利用すると、通話内容が自動で文字化され、管理画面で一元管理できるので「情報の共有に役立つ」他、事前に『積極的疫学調査』『オミクロン』などの単語を登録することで、AIが「正確に文字起こしできる」という。