ESGのグローバルリーダー、英シュローダーによるESG投資と日本株運用
荒井 コロナウイルスの感染拡大は、企業にとっては大きな環境変化になりました。従業員は日々の生活に大きな不安を抱えるようになり、経営陣が従業員の不安をどのように和らげることができるのか、あるいは、それを乗り越えて、どのように企業の生産性を高めることができるのかなど、そこに経営陣の力が重要視されるようになってきたと考えています。
具体的には、「シュローダー日本株ESGフォーカス・ファンド」のパフォーマンスは、コロナショックで大きく下落した3月以降に株価が戻る過程で、TOPIX(東証株価指数)を大きく上回るリターンをあげることができています。ESGを重視した企業の評価が高まっていることが背景にあると思います。
――シュローダーでは最近、世界の個人投資家を対象とするESG投資に関する意識調査を行ったということですが、その結果はいかがでしたか?
工藤 2020年4月下旬から6月中旬にかけて、世界32の国と地域の個人投資家2万3千人以上を対象に独自のオンライン調査を実施しました。この調査の時期は、まさに世界中で新型コロナ危機が深刻化していた時期に重なっています。ESG投資は、余裕のある時に行う一種のし好品のような捉え方をされている部分もありますが、今回の調査は、大きな社会的ショックの中でも投資家がESGについて考えていることを知ることができました。
まずは、世界の投資家の77%は「個人的な信条に反する投資をしたくない」と思っていることが分かりました。また、世界の投資家の半数近くはESG投資を美徳と考えていて、高いリターンが期待できないという考えからESG投資に魅力を感じないと考えている人は少数です。
そして、投資家の方々は、日々の活動が、地球環境や地域社会に対して及ぼす影響についてかつてないくらいに関心が高くなっています。ESGファンドに投資している人は47%で、2018年の調査から5ポイント高くなっています。
――欧州におけるコロナへの対応について教えてください。
工藤 欧州では政府や産業界でも新型コロナ危機からの回復局面で、より環境や社会への配慮を鮮明にするようになっています。
EU(欧州連合)は、資本市場から7500億ユーロ(約88兆円)を調達し、「次世代EU」という復興基金を創設し、再生可能エネルギーのプロジェクトや電気自動車の充電ポイントの拡充等に投資することを決めました。EU加盟国の産業及びEU域内市場担当の閣僚会議は、6月11日に新型コロナウイルス・パンデミックからの経済支援策でグリーンリカバリーとデジタル・エコノミーを重視することで一致しています。また、英国では大手企業など206社が英政府に対してグリーンリカバリーを求める共同声明を発表しました。
――シュローダー・グループのESGの取り組みは?
